技術解説

DBパフォーマンス改善ソリューション【後編】
ハードウェア・アプローチでDBを高速化!
~フラッシュストレージによるI/Oボトルネックの解消~

大量かつ鮮度の高い情報を活用することで、企業はビジネスの現状を正確に読み解き、将来を予測した意思決定の実現、それを受けた迅速なアクションの展開、業務オペレーションの効率化など、いわゆるデータドリブン経営を実現することができます。その中枢に位置するのは、DBにほかなりません。DB処理のボトルネックを解消し、高速化を実現することは、あらゆる企業にとって喫緊の課題となっています。 【前編】ではこのDB高速化手法として「ハードウェア・アプローチ」と「ソフトウェア・アプローチ」があること、そして、ソフトウェア・アプローチの方法について詳しく解説しました。 【後編】ではフラッシュストレージの活用が主流となっているハードウェア・アプローチに焦点をあて、解説します。

HDDをSSDに差し替えるだけでは抜本的な課題解決にならない

 

半導体プロセス技術の革新やマルチコア化によって性能向上を続けるCPUやメモリに対して、HDDの回転数は過去10年以上にわたって15,000回転以上には伸びておらず、I/O性能は頭打ちとなっています。このパフォーマンス格差を埋めるために、特に高いI/O性能が要求されるDBシステムでは複数のストレージ筐体を導入し、大量のドライブで並列処理を行っているのが現状です。ハードウェアコストの増大は言うまでもなく、メンテナンス費や電力費、データセンターの設置スペースなどの間接費も、それに輪をかけて膨らんでいることが企業の直面する課題の一つとなっています。

 

そこで注目されているのが、フラッシュストレージの活用です。

フラッシュメモリを採用したストレージデバイスとして、まず思い浮かぶのはSSDかもしれません。ただし、従来のHDDを単にSSDへ差し替えるといった対応では、問題の抜本的な解決にならないケースがほとんどです。HDDを対象としたSATAやSASなどの接続インターフェースを介したのでは、フラッシュメモリのパフォーマンスを最大限に引き出すことができないからです。

またフラッシュメモリには、「書き換え回数に制限がある」「使い込んでいくうちに性能が低下する(sustained / steady state write)」といった留意点があり、長期にわたってMTBF(平均故障間隔)を抑え込むための制御も難しいのが実情です。

エンタープライズシステムでフラッシュストレージを活用していくためには、高度な信頼性とデータ保護を担保しつつ、同時にシンプルな運用とコスト削減を両立させていくためのハードウェア・アプローチが求められているのです。

 

 

大規模SANと同等の性能と信頼性をDBサーバーのPCIeに実装

 

フラッシュストレージの活用によって、特にOLTP系DB処理のI/Oボトルネックを解消するハードウェア・アプローチとして、「Fusion ioMemory」が注目されています。HDDと同じ外装(フォームファクター)で設計されたSSDとは違い、Fusion ioMemoryはサーバーのPCIeスロットに直結するタイプの製品であり、フラッシュメモリの性能をよりCPUに近いところでフルに引き出せるのが最大の特長です。

具体的には最小15マイクロ秒という低レイテンシー(遅延時間)のデータアクセスを実現し、メモリと外部ストレージの間に存在していた速度ギャップを解消。IOPS(I/O per Second)性能についても一般的なSSDとの比較で、5~10倍の性能を発揮します。特にランダムなI/Oが大量に発生するテンポラリー系データベースの更新処理をこのFusion ioMemory上で行うことにより、大幅な性能改善が可能となります。

 

また、SSDでしばしば見られる「フラッシュメモリの全容量をいったん使い切った後で、データ書き込みが低速化してしまう」というレイテンシースパイク(遅延の長時間化)の問題も、Fusion ioMemoryにとっては無縁です。そもそも、なぜレイテンシースパイクが起こるのかというと、「データ消去に最も時間がかかる」というフラッシュメモリの特性に起因します。Fusion ioMemoryは解放されたメモリのデータを消去して再び使用可能な状態に戻す、いわゆるガーベージコレクションの処理をバックグラウドで自動的に実行することで、長期にわたって安定したスループットを実現できるのです。加えて、特定のメモリセルにデータ書き込みが集中しないようにウェアレベリング(均等化)を行い、長寿命化を図っていることもポイントです。

 

さらに特筆すべきはデータ保護です。Fusion ioMemoryは24本のチャネルと8つのバンクで区分けされた格納領域があり、データならびにパリティを分散させるRAID-5相当のデータ保護を行います。この「Adaptive Flash Back」と呼ばれる独自の仕組みにより、デバイスレベルでのフォールトトレラントを実現。シングルチップあるいはマルチチップの障害が発生した場合でも、Fusion ioMemoryが自己修復を行い、処理を継続します。

このような卓越した機能により、Fusion ioMemoryは大規模SANストレージと同等の性能および信頼性を、たった1枚のカードでサーバーに実装することができるのです。

 

フラッシュメモリを活用したハードウェア・ソリューション「Fusion ioMemory」

 

 

HDDと同程度の容量単価で共有ストレージをオールフラッシュ化

 

OLTP系からOLAP系にまたがる広範囲なDB処理の高速化のほか、サーバー仮想化やVDI(デスクトップ仮想化)などの基盤としても用いられ、共有ストレージの性能を改善するソリューションとしては、「Pure Storage」があります。コストパフォーマンスの高いMLC(Multi Level Cell)型のフラッシュメモリを採用することで、HDDストレージと同等もしくはそれ以下の容量単価を実現したオールフラッシュストレージアレイです。

 

特に仮想環境で複数のDBサーバーを運用する場合、仮に各ノード単位で扱うデータ量や発生するI/Oは小規模だったとしても、それらの“総和”として、共有ストレージには負荷が集中することになります。そこでPure Storageによるハードウェア・アプローチが、非常に大きなパフォーマンス改善の効果を発揮します。

第3世代のストレージOSとして搭載された「Purity」によるインライン型のデータ削減機能が、さらにその経済性を高めます。512バイトのブロック単位でデータ重複排除と圧縮を行うことにより、データベースで2~4倍、サーバー仮想化で5~10倍、デスクトップ仮想化で10倍以上といったデータ削減率(平均値)を実現しています。

もちろん、エンタープライズレベルで使用するストレージとしての高可用性を追求し、スナップショットやリプリケーション、RAID-3Dといったデータ保護機能を標準で搭載するほか、共有ストレージの運用を止めないオンライン拡張にも対応しています。

 

こうしたPure Storageの特長を活かすことで、初期コストを最小限に抑えたスモールスタートを行いつつ、ワークロードの重量化に合わせて仮想化基盤の拡大、データベースの統合を進めていきます。あるいは3D-CADを対象とした仮想デスクトップやビッグデータの高速処理基盤など、新しい利用分野へ発展させていくことも可能となります。

 

第3世代のストレージOS「Purity」

 

 

2回にわたってDBパフォーマンス改善のソリューションを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。

東京エレクトロンデバイスでは、今回ご紹介したDBパフォーマンス改善のソリューションを全方位でカバーしており、「ハードウェア・アプローチ」としてはFusion ioMemoryやPure Storageを、「ソフトウェア・アプローチ」としてはOracle TimesTenやPivotal Greenplum Databaseをワンストップで提供しています。また、SIやサポートの体制を整えるとともに、実機によるPoC(概念実証)環境を用意しています。豊富な導入実績と培ったノウハウを活かし、お客様の具体的な課題と要件をうかがいながら最適な解決策をご提案いたします。

  

>> DBパフォーマンス改善ソリューション【前編】

 

 

 

 

ソフトウェア・アプローチでDBを高速化!~OLTP系とOLAP系に最適なDBアーキテクチャを実装~

 

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