Rubrikを使ってBMR(P2V)をやってみた!
みなさん、物理サーバーのVolumeバックアップは取得されてますか?
いざバックアップを取得しても本当にリストア(BMR)が出来るのか・・・
もう一台サーバーを用意してテストするにしても・・・
悩みどころは多いと思います。
そこで、今回は物理サーバーのVolumeバックアップからvSphere環境へのリストア方法(P2V)の流れをご紹介したいと思います。
「仮想環境でも良いからバックアップデータの正常性確認くらいはしておきたいなぁ~」という方の参考になれば幸いです。
テスト環境
- BMR対象サーバー:HP Proliantt DL20 Gen10
- Windows Server 2019 (C:1TB)
- vSphere 6.7.0
と、シンプルかつ古びた環境です。。。
- Rubrik r6404 CDM9.1.0-p1
作業手順
RubrikではWindows PEを使用してBMRを実行する事になります。
- STEP1 Windows PE.isoファイル作成
- STEP2 vSphere リストア先となる新規マシン作成(1TB)
- STEP3 Rubrik リストア対象のスナップショットをライブマント
- STEP4 新規マシンからWinPE起動、BMR実施
STEP1 Windows PE.isoファイル作成
Windows アセスメント&デプロイメントキット(Windows Kits)
・adksetup.exe (Windows ADK for Windows 10, version 1903)
※ ダウンロードサイト https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2086042
・adkwinpesetup.exe (Windows PE add-on for the ADK)
※ ダウンロードサイト https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2087112
1.Windows ADK for Windows 10 インストール
adksetup.exeを実行します。
※インストールは基本デフォルト設定、「はい」を選択して進めます。
※”インストールを行う機能”では全ての項目をチェックします。
※推奨必要ディスク容量:1.2GB
2.Windows PE add-on for the ADK インストール
adkwinpesetup.exeを実行します。
※インストールは基本デフォルト設定、「はい」を選択して進めます。
※”インストールを行う機能”では全ての項目をチェックします。
※推奨必要ディスク容量:5.5GB
3.Windows PE.ISO作成
※ISO作成ツール用ファイルはRubrikサポートサイトからダウンロード可能。
ダウンロードサイト https://support.rubrik.com/s/documentation
ISO作成ツール:WinPE Recovery Tool
※以降の手順はダウンロードファイル rubrik-bmr-scripts.zip をC:¥に解凍した場合の手順となります。
① PowerShell(管理者)を起動します。
PS C:\Users\Administrator> cd C:\rubrik-bmr-scripts\official_scripts
PS C:\rubrik-bmr-scripts\official_scripts> cd .\WinPEImageCreation
PS C:\rubrik-bmr-scripts\official_scripts\WinPEImageCreation> Get-ExecutionPolicy –List
を実行して[LocalMachine]が[RemoteSigned]になっていることを確認します。
【以下、ISO作成の実行コマンドのみ記載】
C:\rubrik-bmr-scripts\official_scripts\WinPEImageCreation\CreateWinPEImage.ps1 -version 10 –isopath C:\WinPEISO –utilitiespath C:\official_scripts\BMR
“WinPE image updated successfully.Creating ISO“が表示されると、C:\WinPEISO\配下にWinPEx64.isoが作成されます。
サーバーによっては追加ドライバーが必要なケースも有り、ISOイメージ作成後にWindows PEに追加ドライバー(情報)を組み込む必要が有りますが、これが一番手間と時間が掛かりますね。
今回は至ってシンプルな構成なので特に追加ドライバー無しで進めます。
STEP2 vSphere リストア先となる新規マシン作成(1TB)
1.新規仮想マシンの作成と起動手順変更
① vSphereクライアントよりリストアするVolumeと同容量の「新規仮想マシン」(VM名:BMR)を作成します。
※下図はバックアップされた物理サーバーのC:¥(volume)が1TBで作成されている場合に、C:¥をリストアする場合となります。
② 作成したVMの設定の編集画面を開き、「仮想ハードウェア」のCD/DVDドライブに作成したISOファイルを指定します。
CD/DVDドライブが接続状態、“パワーオン時に接続”がチェックされているか確認して下さい。
③ 「仮想マシン オプション」の“起動オプション”のファームウェアの設定がサーバーの構成によりBIOSもしくはEFIのいずれかである必要が有ります。適宜、CD/DVDドライブから起動出来るように変更して下さい。
※EFI→BIOSに変更してboot・リストアを実施した場合に、WindowsOSを起動させる際にはEFIに戻さないとWindowsOSが起動しない場合が有ります。
④ 仮想マシンをパワーオンします。
STEP3 Rubrik リストア対象のスナップショットをライブマント
① RSC(Rubrik Security Cloud)にログインし、画面上 Inventory>Windows Volumes>リストア対象のホストを選択します。
② 画面右側のSnapshotsカレンダーよりリストアしたい日付を選択します。
③ リストアしたいポイントの右側”・・・”にカーソルを当て“RECOVER”をクリック
④ Live Mountを選択
⑤ Mountするドライブ(volume)を選択します。
⑥ hostの選択は“No Host”を選択します。
⑦ Clients IP’sにWinPEで起動するサーバーのIPアドレスを入力します。
⑧ “MOUNT”をクリックします。
上部メニューの「LIVE MOUNTS」をクリック、リストア対象のサーバーを確認します。
⑨ “Restore Script Path”を確認します。
※メモ帳などにコピーして下さい。
※下図では、192.168.105.37\1bux90\with_layout\RubrikBMR.ps1
以上でRubrik側の準備は完了となります。
STEP4 新規マシンからWinPE起動、BMR実施
① WinPEが起動します。
② powershellを起動します。
> powershell
③ WinPEで認識されているネットワークカードのInterface Nameを確認します。
> netsh interface show interface
※右図の例では“Ethernet0”がInterface Nameとなります。
④ 起動したWinPEへネットワーク設定を割り当てます。
例)IPアドレス:192.168.105.41 Netmask:255.255.255.0
> netsh interface ip set address Ethernet0 static 192.168.105.41 255.255.255.0
※DNSが必要な場合。
> netsh interface ip add dns Ethernet0 xxx.xxx.xxx.xxx(←DNSのアドレスを入力)
⑤ 割り当てたネットワーク設定の確認します。
> ipconfig -all
指定したネットワーク設定になっていることを確認します。
⑥ 5.⑨で確認した“Restore Script Path”からIPアドレスを確認します。
※ 192.168.105.37\1bux90\with_layout\RubrikBMR.ps1
※今回の例では、192.168.105.37 となります。
192.168.105.37にpingを送信し、応答があることを確認します。
⑦ LIVE MOUNTSに登録されたパスをWinPEにZ:としてマウントします。
> net use z: \\192.168.105.37\1bux90 /user:192.168.105.41\admin * ※下図では編集の都合上一部パスが異なります。
※Powershell上では、:はshift+;
※Powershell上では、¥はバックスラッシュ(仮名キーの”む”)となります。
※Powershell上では、*はshift+8
⑧ リストアスクリプトを実行します。
> 192.168.105.37\1bux90\with_layout\RubrikBMR.ps1 ※下図では編集の都合上一部パスが異なります。
※Powershell上では、_(アンダバー)はshift+-(ハイフン)
⑨ 「BMR scripts completed successful.」と表示されたらリストアは完了です。
“Do you want to reboot the system?、と聞かれるので“y”でマシンを再起動して下さい。
⑩ BMRでリストアしたWindowsOS(VM名:BMR)を起動します。※下図では編集の都合上一部修正しています。
これで全てのSTEPが完了しました。今回はサーバーの構成もいたってシンプルなので問題無く起動出来ました。
実機へのBMRはなかなか試す機会は無いと思います。バックアップデータの正常性確認として実施してみると多少は安心出来るのではないでしょうか。
お時間のある時にでも試してみて下さい。