NGINX Plusを選択するポイントとは
NGINXには、OSSと有償版のNGINX Plusがありますが、この有償版のNGINX Plusを選択するポイントについて紹介します。
みなさん、こんにちは。
東京エレクトロンデバイスでエンジニアをやっているあつふみです。
今回は、私の所属している部署で今一番力を入れているNGINX Plusについて紹介したいと思います。
NGINX Plusを選択するポイントについて話す前に、NGINX Plusの紹介を簡単にしておきます。
NGINX Plusとは、OSS(オープンソースソフトウェア)版のNGINXにメーカーの技術サポートやエンタープライズの向けの機能が追加された有償版のNGINXです。既にOSSのNGINXを使っている方でもこのNGINX Plusを知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
そもそもOSS版のNGINXは、ユーザー自身で様々な機能をモジュールとして自由に追加して、カスタマイズすることが可能なので、既存NGINXユーザーからすると、お金を払ってまで使う理由は何なのか気になる部分があるかもしれません。
ですので、今回はNGINX Plusを選択するポイントを、1つずつ説明してきたいと思います。
NGINX Plusを選択するポイント
1. エンタープライズの向けの機能を使いたい
OSS版のNGINXでも、足りない機能があれば、内容によってはユーザー自身で開発して実装することは可能だと思います。
しかしながら、開発するまでの工数がかかったり、実装する方法が複雑でそのシステムが属人化してしまうなど、自由に開発できてしまうならではの課題が発生してしまうこともあります。
そんなときには、NGINX Plusです。NGINX Plusに実装されているエンタープライズ機能を使うことで、開発の手間やコンフィグレーションの複雑さを軽減することができます。ちなみに、NGIXN Plusでしか使えない機能に関しては次のメーカーサイトを見ることで確認できます。
2. メーカーのサポートが欲しい
OSS版のNGINXは、コミュニティベースでのサポートになってしまうため、クリティカルなシステムでの利用を断念したケースがあるかと思います。
そんなときには、メーカーのサポートがついているNGINX Plusです。
メーカーの技術サポートがついていますので、導入支援や技術QAはもちろん、脆弱性に対応するパッチなども提供されます。
これにより、より広い範囲でNGINXを利用することができるようになります。
3. Kubernetes環境のIngressでWAFとして使うことができる
既にKubernetesをお使いの方は、NGINXがIngressとして利用できることは良くご存じかと思います。しかし、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)として使うことができるということもご存じでしょうか。
NGINX App Protectは、NGINX Plusにアドオンして使用することができる有償の製品です。さらには、IngressでWAF機能を提供することもできます。現在、このIngressでWAF機能を実装できるのは、NGINXだけにしかできない機能です。もちろん、シンプルにコンテナのWAFとして使うことも可能です。
ちなみにWAFといえば、NGINXにはOSSのWAF機能もあるのでそちらでも十分ではというご意見もあるかと思います。
しかしながら、NGINX App Protectは、F5社のADCであるBIG-IP WAFと同等のエンジンを積んでおり、OSSのWAFより高速・高品質なWAFです。シグネチャも定期的に更新され、メーカーサポートもついてきます。
以上、NGINX Plusを選択するポイント3点について、お話しました。どうでしたでしょうか。
今後もNGINXに関連する様々な内容を書いていきたいと思います。
もし、こんな記事書いてほしいなどがあれば、できる範囲でご要望にお応えしたいと思いますので、気軽に連絡してみてください。