無償で気軽に使えるNutanix Moveで仮想マシンを移行する前に知っておくべき事とは
Nutanix Moveはデータ移行ツールとしてNutanix社が力を入れて開発している無償で利用可能な仮想アプライアンス製品です。活用して頂く際の情報として本製品の概要と出来る事や特長、実際の操作感をご説明します。今回は初回:概要編です。
Nutanix Moveとは
NutanixのプリセールスSEをしている宮下です。
今回は既存の仮想環境からNutanix環境へ無償で利用可能なデータ移行ツールであるMoveについてお伝えします。
同じ仮想環境間での移行であればご利用されているHypervisorが提供する移行手法を利用することができますが、最近お客様から良く聞くお話としてVMware環境ではバージョンが異なる場合、Cross vCenter Server vMotionの機能が必要でその為にはEnterprise Plusライセンスが必要になる(※)との事です。Nutanix Moveではこのようなバージョンが異なる場合や異なる仮想環境間での移行を容易に実現する事が可能です。
具体的な例としては以下のようなケースで使って頂く事が出来ます。
- 仮想基盤リプレースの為にVMware環境からNutanix AHVへ移行したい
- 既存機器のEOLに伴いVMware6.x環境からVMware7.xへ移行したい
- クラウドからの移行の為にAWS環境からNutanix AHVへ移行したい
対応している移行マトリクスは以下になります。(2023年7月時点での情報)
※物理環境からのデータ移行には未対応です。物理環境から移行が必要な場合には別途バックアップ製品が必要になります。当社取り扱い製品で言えば、ソフトウェア製品のVeeamやアプライアンス製品のRubrikがあります。これらの製品とNutanix Moveを補完して利用する事も可能で、今後その部分の情報も記載出来ればと思っています。
お客様にとってのメリット
- データ移行時のダウンタイムを可能な限り短く移行を実現
- 無償で利用可能な為に気軽に追加費用無く利用可能
- 既存環境の仮想マシンはそのまま残る為、移行後に予期せぬ不具合が発生した際にも容易に切り戻しが可能
- 不具合が発生した際にはNutanix社へ問い合わせが可能
- ブラウザから数クリックで移行作業が可能
- 初回移行時は全てのデータが転送されるが、2回目以降は差分データのみの転送となる為、容量の大きいサーバーのデータ移行でも事前に移行準備を進められる
Moveの移行フローと実行タスク
移行元を登録し移行するジョブを作成、マイグレーションを実施しカットオーバーの処理で最終同期し切り替えが完了します。
移行イメージ
Moveの仮想アプライアンスを展開し移行元環境を登録、移行用のジョブを作成し移行ジョブを実行最終的に切り替えるタイミングでカットオーバーを実行します。
Moveで必要なコンポーネント
オンプレミス側に必要なコンポーネントは特になく移行先にMoveの仮想アプライアンスを展開するのみで移行準備が完了します。
移行全般-バージョン互換性
移行元はVMware、Hyper-V等の主要なHypervisorをサポートします。
※上記は2023年7月時点の最新バージョンでの情報です。最新の対応マトリクスは適宜更新されますのご確認下さい。
Nutanix Moveは初期設定が完了すれば容易に使って頂ける非常に便利なツールです。
次回のブログでは実際の操作イメージや詳細について記載しますのでご期待下さい。