ストレージ

Pure Storage Pure1の活用方法:性能・容量の詳細確認とアレイ分析

Pure1 Manageにて、Pure Storageの使用状況(パフォーマンス、容量)を確認できる機能や、使用状況を分析し、将来予測ができる機能について、ご紹介します。

はじめに

Pure1 Manageは、Pure Storage社が提供するクラウド管理ツールです。以前のブログでもご紹介しましたが、ご利用のPure StorageのPhoneHome機能を有効化にすることで、最短30秒毎に機器(アレイ)からログデータなどをPure Storage社のクラウド基盤に送信します。これにより、アレイの状態を視覚的にリアルタイムで把握することが可能です。今回のブログでは、Pure Storageの使用状況(パフォーマンス、容量)を確認できる機能や、使用状況を分析し、将来予測することで、拡張計画が立てられる機能を有するANALYTICSと、それらの情報をファイル形式でダウンロードできるREPORTINGについてご紹介します。

参考:Pure Storage Pure1・PhoneHome機能・RemoteAssist機能とは

参考:Pure Storage Pure1の活用方法:アレイの状態確認と管理画面

ANALYTICS

Pure1のANALYTICSは、ログイン後のPure1画面の左側中部に存在するタブです。ご利用のPure Storageのパフォーマンスや容量などを把握できる機能となり、下記3つの項目で構成されています。各項目の機能を表にしました。

下記に、それぞれのページの見方や使い方を記載します。

Performance

ANALYTICSのうち、Performance画面をご紹介します。この画面は、APPLIANCESでArrays(アレイ単位の性能情報の表示)を選択しており、当社検証機のパフォーマンスを示したグラフとなります。

このグラフには、Read・WriteそれぞれのLatency、IOPS、Bandwidth、Load値(Pure Storageの全体的な負荷状況を示す数値)が表示されています。上部のタブでVolumesやFile Systemなどを選択すれば、各VolumeやFile System単位でパフォーマンスを確認することが可能です。

グラフの表示形式は、赤枠で囲んだ部分(チェックボックス)を使用して、表示するデータを組み合わせてカスタマイズすることができます。例えば、Readの性能値のみ、など、1つのデータのみ表示することもできます。このグラフの最大表示期間は30日となり、オレンジ枠で囲んだ部分にて表示期間が選択できますので、ここを変更することで、直近1週間や直近3日、などにグラフの表示期間を変更することが可能です。また、グラフ上でマウスをドラッグアンドドロップすることで、特定の期間のみを表示させることも可能です。さらに、アレイ一覧から複数のアレイにチェックを入れることで、複数アレイのパフォーマンスを同時に表示させることも可能です。

また、このデータは、CSVファイル形式でダウンロードすることも可能です。該当ページの右上部のExportというタブから、Export selected arraysを選択し、Time Rangeが指定の時間となっていることを確認した上で、任意のData Granularity(ダウンロードするデータの粒度を選択する項目となります)を選択し、Exportをクリックすると、Zipファイルがダウンロードされます。このZipファイルのarray_metrics.csvに、IOPSやLatencyなどのパフォーマンス状況が記載されています。(CSVファイル内の時刻はJSTではなくGMTとなりますので、ご注意ください)

Capacity

ANALYTICSのうち、Capacity画面をご紹介します。ここでは、アレイ単位、Volume単位、File System単位で最長1年前の容量まで遡って表示することができ、容量使用率の傾向を視覚的に確認することができます。このデータも同様にExportから、CSVファイル形式でダウンロードすることも可能です。

Planning

ANALYTICSのうち、Planning画面をご紹介します。ここでは、これまでのアレイの使用状況から、将来的なLoad値と容量使用率を予測することができます。

下記の図で、オレンジ枠で囲まれた部分から対象のアレイを選択すると、Load値と容量使用率の予測が表示されます。それぞれ、Time rangeをnext yearとすることで、最大で1年先までの予測データを確認することができ、今後の容量の増加やパフォーマンスの傾向を事前に把握することが可能です。

また、赤枠にある左から1番目と2番目のアイコンをクリックすることで、それぞれハードウェア変更時のシミュレーションとワークロード変更時のシミュレーションを実行することができ、将来の増設計画等に役立てることができます。

今回は、当社環境におけるアレイを例に、実際にPure1のPlanning機能をどのように利用できるかをご紹介します。

Planning活用例

  • Simulate Hardware ~ ディスク追加

Simulate Hardwareをクリックした例をご紹介します。下の画像は当社検証機でSimulate Hardwareをクリックしただけの状態です。

これは現在のアレイの状況を示しています。ここで、中心にあるCapacityから、22TBのDiskを追加します。その後の表示が下記の図となります。Configuration Summaryにて、ストレージの論理容量が5.7T→17.2TとなりグラフのCapacityにて、使用率が約45%→15%となっていることが分かります。

  • Simulate Hardware ~ CTモデル変更

続いて、Controller(CT)を変更してみます。ここで、図の左側にあるSelect FlashArray Controllerから、X50R4を選択します。その後の表示が下記の図となります。Pure Storageでは、CTのモデルの数字が大きくなることで性能が向上します(参考:Pure Storage FlashArray Xシリーズの詳細)。今回、利用中のX20R3→X50R4にアップグレードされたことで、ストレージの性能が向上し、Load値が3%減少していることが確認できます。当社検証機はあまり恒常的に使用されていないため、ここではCTのアップグレード効果は薄いように見えていますが、通常時に高負荷で利用されているお客様では、どのCTが最適か、Recommendedのマークで表示され、実際にそのCTに変更すると、どの程度パフォーマンスが向上・安定化するか確認することが可能です。

  • Simulate Workload

下の画像のようにアレイ内に存在している各VolumeにかかるワークロードからLoad値と容量使用率の将来予測をすることが可能となります。今回のシミュレーションでは、Select all workloadsを選択し、Scaleを2倍にしたときのシミュレーション結果を示しています。Scaleにて全体の容量や負荷が2倍になる設定としたため、容量使用率が45%→90%になっていることが確認でき、Load値も増加していることが確認できます。また、使用方法として、例えば、このScaleを0.x倍とすることで、高負荷で稼働している機器について、どの程度パフォーマンスを抑えれば、安定稼働することが可能かを確認できます。

REPORTING

Pure1のREPORTINGは、ログイン後のPure1画面の左側最下部に存在するタブです。REPORTING画面では、ストレージのパフォーマンス、使用状況、容量予測などに関する様々なレポートを生成することができます。(2025年3月時点のREPORTING画面となります)

該当レポートの右側のGenerateをクリックするとPDFまたはCSV形式でレポートが作成されます。

下の画像は、例として、Array Performanceにて、Generateをクリックし、表示されたポップアップにて、OKをクリックしてダウンロードされたCSVファイルを確認したものです。利用中の機器のIOPSなどのパフォーマンスを確認できます。

また、これらのレポートは指定したメールアドレスに定期的に自動送信する設定も可能となっており、運用において、定期的な監視や分析を効率的に実施することができます。下の画像は、平均パフォーマンスに関するレポートを毎週月曜日の9時に送信する設定にした時の内容です。

・ 設定内容

 Time Lange:Last week(1週間分の情報取得。1日前のデータならLast dayとする)

 Value:Avg(Averageの略。最大値ならMaxとする)

 Data Granularity:Low(1日単位でデータが表示される。データの粒度を変更できる)

 Delivery:Email(Email経由でデータがダウンロードされる。DownloadならそのままPCにファイルがダウンロードされる)

Recipient(s):メールアドレスを指定(ファイルを送る宛先の指定)

Repeat Delivery:Weekly(メールを送信する頻度を指定)

※鉛筆マークをクリックすると曜日と時間の指定が可能です。

今回は、Generate report on:Monday、 At:09:00、 Time zone:(GMT+09:00) Asia/Tokyoと指定しています。 

最後に

今回は、Pure1 ManageのANALYTICS機能とREPORTINGについてご紹介しました。ストレージのパフォーマンス情報、容量の効率的な使用、ストレージリソースの予測など、ストレージの状況を分析する上で重要な情報を提供し、より効率的にストレージの運用をすることが可能です。今後のブログにて、Pure1から過去のAlertやアクセス履歴などの情報を取得する方法について記載予定です。

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