導入事例

オリンパス株式会社 様

製造

NVIDIAとPure Storageの協業で生まれたAIプラットフォーム「AIRI」を活用し
迅速な開発環境のデリバリを実現するコンテナベースの大規模AI開発基盤を構築

お客様の課題

  • AI開発環境のより柔軟で迅速な提供が求められていた
  • 大量な画像データを効率的に管理するストレージ環境が必要だった

TEDのソリューション

  • AIRIによる検証済みのAIプラットフォーム
  • OpenShiftのコンテナ環境での効率的なリソース管理

導入製品

  • Pure Storage | AIRI(AI-Ready Infrastructure)
柳田 修太 氏

オリンパス株式会社
ソフトウェア戦略・
PMO ソフトウェア戦略
Manager
柳田 修太 氏

金野 隆亘 氏

オリンパス株式会社
ソフトウェア戦略・
PMO ソフトウェア戦略 U2
金野 隆亘 氏

和田 安広 氏

オリンパス株式会社
ソフトウェア戦略・
PMO ソフトウェア戦略 U2
和田 安広 氏

オリンパスのソフトウェア戦略グループでは、AI開発における研究開発の効率化や競争力強化を目的に、AI開発環境の強化を目指しています。同社ではAI開発環境の迅速な提供のために、新たにNVIDIA、
Pure Storage、Arista Networksの技術を統合したAIプラットフォーム「AIRI」を導入します。さらにそれを導入済みであった企業向けコンテナオーケストレーションツールのRedhat Openshiftと組み合わせて、コンテナベースの大規模AI開発基盤を実現し柔軟性と俊敏性を獲得しました。

AI開発の研究開発効率化や競争力強化へ

オリンパスでは、顧客価値向上のため、AI活用をしていく方針を打ち出しています。この方針から、ソフトウェア開発環境を担当するソフトウェア戦略グループは、AI開発の開発環境の整備に取り組んでいます。

「AIに関する研究開発では、画像データが大量に発生し、保管するインフラの重要性が増しています。また、AI開発のテーマが増えてきたことにより、GPUリソースを効率よく利用する環境が必要になってきました。」(柳田氏)

そのためより柔軟で迅速なAI開発環境の整備が課題となっていました。

オリンパスでは、ソフトウェア開発に仮想化サーバー基盤を利用しており、ストレージにはPure Storage社のオールフラッシュの「FlashArray」を採用しています。FlashArrayはハードウェア障害などで止まることもなく、ハードディスクストレージに比べファイルIOが高速化し圧縮、重複排除の効果も高く、開発者からも好評を得ています。オリンパスはこの仮想化サーバー基盤に加え、さらなる開発環境の迅速な整備のために、OpenShiftベースのコンテナ環境も採用しています。

「コンテナの迅速性に、ストレージが追随できていませんでした。そのためコンテナでデータの永続性を担保する、外部ストレージの効率的な管理の仕組みが別途必要でした」(金野氏)

その上で、AI開発環境についてもさらなる迅速性が必要でした。しかしAI開発環境にはさまざまな要素があり、適宜その組み合わせを検証するのでは時間がかかります。一方ストレージは、AIが対象とする画像データが大容量となりFlashArrayではコスト的に厳しいものがありました。

このような要件の中で検討していた際に、NVIDIAとPure Storageから検証済みAIプラットフォーム「AIRI」が登場します。AIRIはDGX-1とオールフラッシュのオブジェクトストレージの「FlashBlade」をArista Networksの100Gigabit Ethernetスイッチで相互接続することで、機械学習などの処理に対応する高性能な分散コンピューティングを実現するものです。

FlashBladeはペタバイトクラスの拡張性があり大容量データも扱いやすい。またAIRIはOpenShiftもサポートし、その上でAI開発環境が一体製品として提供されるため、安定性も高いと判断します。そのためオリンパスでは、新たなAI開発環境にAIRIの採用を決めるのです。

コンテナベースの大規模AI開発環境を実現し
開発者によるセルフサービスでの環境切り出しが可能に

オリンパス様のPure Storageを活用した「 AIRI 」導入の構成図

ピンチアウトで拡大

オリンパスでは2019年初頭にOpenShift上にAIRIを導入し、FlashBladeの管理にはコンテナ環境でオンデマンドなストレージ提供を可能にする「Pure Service Orchestrator」を採用します。

「新しい組み合わせで一部導入に苦労しましたが、Pure Storageと東京エレクトロンデバイスから適宜サポートを受け、無事にコンテナベースのAI開発環境が構築できました。東京エレクトロンデバイスとはFlashArray導入時から5年ほどの付き合いがあり、我々の環境も理解した上で対処してくれました。彼らはネットワークに強みを持ち、今回利用したArista Networksのスイッチにも精通しており、OpenShift環境の構築でもその強みを十分に発揮してくれました。さらに複数ベンダーの製品をワンストップでサポートしてもらえるので、安心して任せられます」(和田氏)

今回、コンテナベースのAI開発基盤が準備できたことで、AI開発環境の共通化とリソースのさらなる効率化を実現しています。またOpenShiftとAIRIの組み合わせでMLOpsも可能となり、機械学習モデルの継続的な改善も可能となっています。開発者へのAI開発環境のデリバリ速度はかなり向上しており、OpenShiftの権限を主要な開発メンバーに付与し、開発者が必要なAI開発環境の切り出しをセルフサービスで行えるようになっています。

「AI開発環境を切り出すためのリードタイムは、最短ならコンテナを起動する時間だけです。この違いは、かなり大きなものがあります」(和田氏)

またコンテナは、何らかトラブルがあっても自動で復旧します。このリカバリ性の高さも、効果は大きいと言います。さらにFlashBladeについても、ハードウェアトラブルの少なさは期待していた通りで、バージョンアップに伴う停止が発生しないEvergreenStorageの効果で、開発作業を止めないのも大きなメリットだと評価しています。

AIRIのAI開発環境は、機械学習モデルの検証環境もすぐに切り出せます。検証後に必要なくなればリソースを解放するような使い方も容易です。開発者はAI開発環境のリソース管理などを考える必要がなくなり、本来取り組むべき機械学習モデルの構築に注力できるようになったのです。

AI開発者とデータの増加を今後も想定して環境を準備

AI開発で扱うデータ量は増えており、今後数百テラバイト規模のストレージ容量が必要になってくると想定されます。またコンテナベースの開発環境の迅速性、柔軟性を利用者が実感できれば今後AI開発者の利用率が増えることも想定し検討されます。

「AI技術はどんどん進化しています。それに応えられる開発環境を、今後も準備していきます」(柳田氏)

AIでは重要なデータを扱うことも増えており、データ保護はより一層重要です。データを安全に保護しながら最大限に活用できるようにする。そんな提案が、東京エレクトロンデバイスには期待されています。

  • コンテナベースの大規模AI開発環境で柔軟性と俊敏性を獲得
  • コンテナの迅速性に追随する効率的な外部ストレージ管理の実現

お客様プロフィール

石川新棟概観
会社名
オリンパス株式会社
本社所在地
東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス
設立
1919年10月12日
代表
社長兼CEO(最高経営責任者) 
竹内 康雄
WEBサイト
https://www.olympus.co.jp/

お客様サービスのご紹介

オリンパスは1919年に顕微鏡事業で創業し、レンズやカメラなど光学機器メーカーとして業界をリードしてきました。現在は世界シェアで70%と圧倒的なポジションにある消化器内視鏡や外科内視鏡製品を提供する内視鏡事業、外科用デバイスや処置具等を提供する治療機器事業、生物用・工業用顕微鏡、工業用内視鏡等を提供する科学事業の3事業を展開しています。今後は強みを持つ医療分野のビジネスをさらに強化し、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を通して、社会に貢献していきます。

記事は 2021年07月 取材・掲載のものです。