世界の最先端技術を確かな品質にする、品質保証への取り組み

東京エレクトロンデバイスのITソリューション事業における強みは、品質と信頼性を徹底的に追求する品質保証です。本記事では、東京エレクトロンデバイスならではの品質保証の取り組みについて、実際に現場で活躍するエンジニアの声と共にご紹介します。

CN品質技術部 鈴木達郎(写真左) 宇丹浩二(写真右)
CN品質技術部 鈴木達郎(写真左) 宇丹浩二(写真右)

海外と日本の品質ギャップを埋める、徹底的な全数検査

激変するITの世界では、製品ライフサイクルの短期化、ITシステム構築の大規模化などが起こっています。そのため、短納期でシステムを構成するIT機器すべての品質をコントロールすることが困難になっています。加えて、国内ユーザーの高性能・高品質への期待に対し、海外製品の品質に対する意識には残念ながらギャップがあるのが現状です。

このような状況の中、東京エレクトロンデバイスは、世界の最先端技術を有する製品をお客様の求める品質でお届けしています。弊社が取り扱うIT製品は、海外ベンダーの生産工場からすべて横浜市都筑区にある検査場に搬入され、徹底した製品検査が行われています。その特長は「全数検査」。弊社の品質管理部門であるCN品質技術部では毎月延べ数でおよそ2500アイテムを検査し出荷していますが、その全数を熟練のエンジニアが検査しています。また、お客様の要求仕様にあわせてOSやソフトウェアを更新、製品をすぐに使える状態にして出荷しています。さらに、万が一お客様先で故障しても確実に交換機材を供給できる体制を整えています。

ラベルの張り間違いから、ソフトウェアのバージョン違いまですべてのミスを見逃さず、外観および機能を受入検査で行う。
ラベルの張り間違いから、ソフトウェアのバージョン違いまですべてのミスを見逃さず、外観および機能を受入検査で行う。

アイテム一つひとつを、実際に稼働させてパフォーマンスや機能に異常がないかなどをトータルに検査。情報はナレッジ化して部門内で共有している。
アイテム一つひとつを、実際に稼働させてパフォーマンスや機能に異常がないかなどをトータルに検査。

情報はナレッジ化して部門内で共有している。

独自の検査体制

~DBの活用による検査の効率化と品質コントロール~

厳しい納期に対応するために最も力を入れているポイントは、検査の効率化です。限られた時間の中で確かな品質で出荷できるように、IT商社として10年以上培ったDBを活用して効率化をはかっています。国内のお客様への販売データはすべてDB化されており、過去の障害における傾向や特徴、対応措置などが一見してわかる仕組みです。エンジニアはこのデータを活かし、重点箇所を徹底検査することによって、限られた時間内で効率的に検査をすることができるのです。

もうひとつ検査を行う上で弊社ならではの取り組みとして、受入検査や出荷検査で何かしら事象が発生した場合、ベンダーの品質部門に直接、情報を伝えることで早急に対策を講じています。こうしたベンダーの品質部門と直接コンタクトをとって行う品質コントロールが我々の強みです。

独自の全数検査

10年以上培ったDBの活用による効率化

ベンダーの品質部門と直接コンタクトして品質を向上させる

障害情報を海外ベンダーにもフィードバック

製品検査と並ぶ、品質保証のもう一つの重要な役割が、障害への対応です。障害を起こした機器のベンダーに対して、随時「レポート」としてフィードバックします。単に障害発生の報告にとどまらず、問題点の在処や改善の方法なども含めて分析しレポート、DB化も行っています。また、定期的に顔を合わせてミーティングを行っており信頼関係を築いています。10年以上にわたりお付き合いさせていただいているベンダーもあり、正式リリースする前のβ製品のチェックを依頼されるほど弊社の厳しい検査体制が評価されています。

最近ではシリコンバレーなど米国をはじめとする海外のITベンダーからも、弊社の品質向上支援が認知されています。新たに代理店契約を締結しようとするベンダーにも「品質の東京エレクトロンデバイス」という前提のもと、お話をいただいています。このように、海外ベンダーや代理店に直接働きかけやアドバイスを行って、品質向上を行えるのも特長です。

お客様に対しては動作保証をベンダーに対しては、様々な情報をフィードバックすると同時に、製品の品質向上のために共同で作業を行っている。

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お客様とベンダーの架け橋となる、CN品質技術部

お客様に対しては動作保証をベンダーに対しては、様々な情報をフィードバックすると同時に、製品の品質向上のために共同で作業を行っている。

蓄積してきた経験やノウハウを活かして、

世界のIT品質アドバイザーへ

今後のIT業界は、クラウドコンピューティングの出現などにより、市場がソフトウェア中心となり、ハードウェアは共通化されていくと予想されています。そのため、ソフトウェアに関しても弊社は品質対策を行なっていくことになるでしょう。しかし、どんなことがあってもハードウェアがなくなることはありません。共通化するからこそ、ハードウェアの品質の重要性が高まっているとも言えます。

東京エレクトロンデバイスが、海外製品の品質向上にすばやく対処ができるのは、10年以上にわたって蓄積してきた経験やノウハウがあるためです。これは、小さなことからコツコツと積み上げてきた結果であり、弊社ならではの強みと言えます。これからも東京エレクトロンデバイスは、品質と信頼性を徹底的に追求して、IT業界の品質保証に貢献していきます。

現場責任者の声

製造プロセスに精通したスタッフならではの厳しい視点で

CN品質技術部 部長 鈴木達郎


現在、品質技術部は総勢20名のメンバーで品質保証を行っています。メンバーは、ITだけではなく、製造プロセスや部品、またハードウェアに精通した人など多彩なキャリアです。例えば、製造現場に熟知している社員ですと、ベンダー側の現場の動きも想定できるため、より具体的なポイントをついた指摘をすることができます。実際にベンダーの製造現場では、弊社が指摘した事柄が改善事項として周知されているようで誇らしく感じています。

お客様とベンダーの架け橋となって、活躍したい

CN品質技術部 チームリーダー 宇丹浩二


ベンダーから、EMS(電子機器の受託生産企業)の現地工場へ同行を求められる機会も多く、製造ラインなどの改善を一緒に考えたり、アドバイスする機会も続いています。一方、お客様からは「東京エレクトロンデバイスから買ったものは壊れないよね」というお言葉もいただいています。これからもお客様とベンダーの架け橋となって、品質を向上させていきたいですね。

アイテム一つひとつを、実際に稼働させてパフォーマンスや機能に異常がないかなどをトータルに検査。情報はナレッジ化して部門内で共有している。

本記事は 2016年12月掲載のものです。