脱PPAPのその先へ──クラウド時代のファイル共有をどう守る?SSPMの必要性とValenceの役割
PPAPの廃止が進み、クラウドストレージを用いたファイル共有が急速に普及しています。しかしその裏では、「誰でもアクセス可能な共有リンク」や「退職者がオーナーのままのファイル」など、新たなセキュリティリスクも顕在化しています。本記事では、今後のファイル共有に不可欠となるSaaSセキュリティの考え方「SSPM(SaaS Security Posture Management)」と、それを実現するValenceの役割について解説します。
はじめに──PPAPはもう古い
「パスワード付きZIPファイルをメールで送る」という“PPAP”方式。
長らく日本のビジネス慣習として使われてきましたが、2020年の平井大臣による「廃止宣言」以降、その流れは加速しています。
大手企業や行政機関も続々とPPAPの廃止に乗り出しており、今やクラウドストレージを使ったファイル共有が主流になりつつあります。
増えるクラウド共有、でもセキュリティは大丈夫?
PPAPの代替として主に利用されているのは、OneDrive、Google Drive、Box、Dropboxなどのクラウドストレージです。
利便性が高く、パスワード送信やファイル添付の手間もなく、安全そうに見えるかもしれません。
しかし、実際には次のような「クラウド共有時代の新たなリスク」が発生しています:
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社外共有用に一時的に作成したファイルが公開されたまま放置
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非公開にすべきファイルが「誰でもアクセス可」状態に
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退職者がオーナーのままになっている共有ファイルが組織内に多数存在
こうした問題は、もはや人手やポリシーだけでは防ぎきれない領域となっています。
SaaS環境の“設定ミス”を防ぐSSPMとは
ここで注目されているのが、SSPM(SaaS Security Posture Management)という考え方です。
SSPMとは、SaaSアプリケーションにおける設定ミスや不要な共有設定、過剰な権限を可視化し、継続的に監視・是正するソリューションです。アクセス制御を主に担うSASEやCASBではカバーしきれなかった、SaaSの内部設定に起因するリスクを監視・是正するのがSSPMです。
Valenceが担う役割:クラウド共有のリスクを自動で検知・修復
Open link(URLを知っていれば誰でもアクセス可能な状態)のファイルを可視化した例。Valenceから直接、共有を解除することも可能です。
Valenceは、SSPMを実現する中でも注目されている先進的なプラットフォームで、特に以下のような機能を提供します:
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社外共有の有無やアクセス状況の可視化
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「誰でもアクセス可能」なファイルの抽出
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リスクのある共有状態をポリシーに従って自動修復
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退職者がオーナーの共有ファイルを可視化し、適切に対応
これにより、人手に頼らずクラウドストレージのセキュリティ状態を継続的に保つことが可能になります。
まとめ:脱PPAPの次は、SaaS共有の“見える化と制御”が鍵
脱PPAPにより、ビジネス現場は確かに効率化しました。
しかし、利便性の向上の裏ではクラウド時代ならではのセキュリティ課題にも直面しています。
今後の企業には、「ただ便利なだけのクラウド利用」から、「安全かつ継続的に監視されるクラウド活用」へと進化することが求められます。
ValenceによるSSPMは、その第一歩となるはずです。



