BoxやOneDriveの共有ミスが招く情報漏えい──SaaS時代に求められる“人手に頼らない”セキュリティ自動化

一時的に作成されたファイルが意図せず外部に公開され、個人情報が漏えい──そんな実際のインシデントをもとに、「人に頼るセキュリティ運用の限界」と、SaaS時代に求められる“自動化による守り”の必要性について考えます。
クラウド時代の新常識であるSSPM(SaaS Security Posture Management)の役割と効果を、具体的な事例とともにわかりやすく解説します。
はじめに:実際に起きた情報漏えいと“人的ミス”のリスク
最近、ある自治体において、削除されるべき一時的なファイルが誤って外部公開用サーバーに残されていたことで、個人情報が外部から閲覧可能な状態になっていたという情報漏えいインシデントが報告されました。
この問題は、第三者からの指摘を受けて初めて発覚したもので、それまで運用側では誰も気づいていなかったとのことです。
原因は、保守作業中に作成されたテスト用ファイルが本来の非公開領域ではなく、公開領域に配置されたままになっていたこと。こうした「うっかりミス」が、長期間にわたって放置されていたことで、結果的に個人情報の漏えいにつながってしまいました。
本質は「ファイルを置く場所・消すべきタイミングを人が覚えておく」ことの限界
このようなインシデントは、オンプレミス環境に限らず、SaaS(クラウド)環境においても極めてよく似た構造で、次のような人的ミスが発生します。
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社外共有用に一時的に作成したファイルが、共有されたまま放置されている
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非公開にすべきファイルが「誰でもアクセス可」状態になっている
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退職者がオーナーのままになっているファイルが多数存在している
これらもまた、「あとで消すつもりだった」「設定を間違えていた」といった、“人間の記憶”と“注意力”に依存した運用に起因する問題です。
このような課題を背景に、近年注目されているのが“SSPM(SaaS Security Posture Management)”というアプローチです。
SaaSの運用ミスを防ぐには──注目されるSSPMという選択肢
SSPMはSaaS環境における設定不備や運用ミスを継続的に検出し、リスクを可視化・低減するための新しいセキュリティアプローチです。
当社がご紹介する Valence Security は、ファイル共有リスクに対する自動検出・制御の仕組みに強みを持っています。
Valence Securityでは、次のような具体的なファイル共有リスク対策を支援します:
✅ 外部共有ファイルの可視化
共有ファイルの公開範囲・共有相手・有効期限・パスワード設定などを検出し、リスクの高い状態を管理画面で一覧化。Google Drive、OneDrive、Box に対応。
✅ 非アクティブファイルの棚卸
長い間共有されたままになっている未使用ファイルを検出し、自動でファイル所有者へ通知
✅ 高リスク共有の自動解除
「誰でもリンクを知っていればアクセス可能」といった状態を自動で共有を解除
再発防止に“人手による定期チェック”で対応して良いのか?
今回のオンプレミスでの事例では、再発防止策として「2ヶ月に1回の定期点検」と「ファイルの存在確認報告」が挙げられていました。
一見、オンプレミス環境特有の運用のように思えるかもしれませんが、本質的な課題はSaaSでも変わりません。
ファイル共有はいつ・どこで起こるか分からず、組織内の誰かがどこからでも一瞬で情報を外部と共有できてしまうのです。
これからますますSaaS利用におけるファイル共有が当たり前になり、データ量が増えてくることが予想される中で、果たして、人の手による点検で、それらを継続的に、かつ正確に把握し続けることは現実的なのでしょうか?
今こそ、“人間の記憶”や“注意力”に頼った運用から一歩進んだアプローチを検討すべき時期に差し掛かっているのではないでしょうか。
最後に:環境が変わっても、守るべき原則は変わらない
今回取り上げたのはオンプレミスのサーバーで起きた実際のインシデントでしたが、「人的な確認や対応に頼ることのリスク」という本質は同じです。
人に任せるのではなく、“仕組み”で守る。
それが、情報漏えいから組織を守る次世代のスタンダードです。
SaaSの利用が当たり前となった今、自動化による安全管理こそがセキュリティの新たなスタンダードです。Valence SecurityのSSPM導入によって、組織のセキュリティ運用を根本から見直してみませんか?
貴社のSaaSセキュリティ対策についてのご相談や、Valence Securityの詳細資料やデモのご希望がございましたら、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。