第3回 AristaのネットワークOSの特徴について
今回はAristaのネットワークOSの特徴について説明します。
AristaのネットワークOSはExtensible Operating System(EOS)と呼ばれており、その特徴はフルモジュラー型のネットワークOSにあります。LinuxをベースとしたEOSは、非常にオープンで柔軟性があり、高可用性と高拡張性を兼ね備えたマルチプロセス・ステートシェアリング・アーキテクチャのネットワークOSです。
- 独立したモジュラー構造により、システムを停止することなく新機能追加やパッチ適用が可能
- 個々のプロセスを随時モニタリングし万が一障害が発生した場合は、プロセス単位での障害検知・自動復旧・リスタートを自律的に行う修復機能により、システムの安定稼働を維持
- 外部公開しているAPIにより他社ソリューションとの連携を容易に実現
マルチプロセス・ステートシェアリング・アーキテクチャの特徴は、真ん中にSysDBのメモリーDBを搭載していることにあります。一般的なネットワークOSと違い、各プロトコルのステータスはこのSysDBに保存されます。例えば、プロセスのダウンによる通信影響もこのアーキテクチャにより極小化されるため、ユーザー側のメリットも大きいと言えます。
プロトコルダウン時の収束もプロセス再起動により再度収束されるまで時間がかかることがありますが、このアーキテクチャはSysDBとプロセスが分離されているため、プロトコルのプロセスが再起動されたとしても、プロトコルの持つステータスは再起動される前のものが即座にインストールされることにより、プロトコルの収束速度が速いのが特徴です。
脆弱性や不具合改修のパッチもネットワークOSの全体を入れ替えることなくそのプロセスをアドオンするか入れ替えるだけで済むのがこのネットワークOSの魅力でもあります。
また、このネットワークOSの基盤はLinuxなので、Linuxのユーザーコマンドをそのまま操作できるのも運用管理者にとって、またエコシステムを構成する上で有難い機能でもあります。例えばトラブルシューティング時にLinux側のユーザーコマンドでスイッチの各プロセスの状態を確認することもできます。エコシステムを構成する上でもこのネットワークOSに連携するモジュールを直ぐに組み込めるのもユーザーへ提供する付加価値となっています。
次回はAristaのネットワーク仮想化のVXLAN EVPNの技術について紹介します。