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InsightIQ6.0を使ったPowerScale(Isilon)のパフォーマンス監視

PowerScale(Isilon)のスループットやIOPS、レイテンシーなどのパフォーマンス監視できるInsightIQというツールがあります。
新バージョンであるInsightIQ6.0が2025年4月にリリースされ、インストールして使ってみましたので、紹介したいと思います。

saekです。
InsightIQ 6.0がリリースされたので、インストールして使ってみました。
長らくInsightIQ 4.x系がメインのバージョンとなっていましたが、その後、2023-2024年にかけてInsightIQ 5.xがリリースされました。
InsightIQ 5.xからはGUIの見た目もガラッと変わりましたので、そのあたりを含めて紹介したいと思います。

 

InsightIQとは?

InsightIQは、PowerScaleのパフォーマンスなどの監視を行い、それらの情報をグラフィカルに参照できるツールです。
PowerScaleのOneFS GUIでも直近のスループットなどのパフォーマンス情報を確認することが可能ですが、InsightIQではより詳細な情報であったり、情報の蓄積をして過去の情報を参照することが可能です。

InsightIQはPowerScaleとは別に仮想マシンを立てて、PowerScaleを監視するツールとなっています。
前バージョンのInsightIQ 5.xでは、インストールに必要なリソースが多くなっていたのですが、InsightIQ 6.0では、必要なリソースがInsightIQ 5.xと比較すると少なくなり、インストールにかかる時間も短縮されました。
そのため、InsightIQ 5.xに比べると導入のハードルが少し低くなったように感じます。

 

主なハードウェア要件

・CPU: 8vCPU
・メモリ:16GB
・ストレージ:1.5TB(シンプロビジョニング)
※細かい要件やインストールについては当社までお問い合わせください

InsightIQは大きく2つ、Performance と FileSystem の監視が可能ですが、本記事ではPerformanceに関してご紹介します。
※FileSystem監視については、次回ご紹介します。

 

InsightIQ DashBoard画面

GUIにアクセスすると以下のような画面となります。
クラスタのパフォーマンスや容量の情報が一覧で表示されます。
今回は1クラスタしか監視していないのですが、複数クラスタを監視しているとクラスタ毎の表示が追加されるようなイメージです。

 

InsightIQで監視できるパフォーマンス情報

InsightIQのパフォーマンス監視は以下のような情報が確認できます。

  • ネットワーク: Throughput, Packet
  • ディスク関連: Activity(%),Throughput
  • プロトコル(SMB,NFSなど): OPS, Latency
  • クライアント: Active, Connected
  • その他:    CPU使用率, 内部ジョブ

 

一例となりますが、Throughputは以下のような画面で確認ができます。
PowerScaleのクラスタ単位、ノード単位での情報をそれぞれで確認することができたり、
“Breakout by”や”Advanced Filters”からクライアントでフィルターして参照することも可能です。

 

InsightIQの活用方法

障害発生時の状況確認

これらの情報は日常的な監視としても利用が可能ですし、障害が発生した場合に活用ができます。
例えば、PowerScaleへアクセスができなくなった場合に、
・いつからアクセスができなくなったのか
・CPU使用率がどうだったか
・HDDの稼働がどうだったか
などを確認し、障害の切り分けに役立てることができます。

 

パフォーマンスアラートの定義

InsightIQ 5.0以降からは、以下のパフォーマンスの閾値を設けて、その閾値を超えた時にメール通知を行う機能が追加されました。
・SMB/NFS レイテンシー
・SMB/NFS クライアントコネクション数
・CPU使用率
・容量使用率

以下の例では、試しに以下条件を設定しテストしました。
・CPU使用率が20%以上 : Warning
・SMBコネクション数が2以上:information

閾値を超えた際には、InsightIQ上でアラートが発生することが確認できました。


アラートが発生すると、DashboardのAlertsでも表示されました。

メールアドレスを設定すると、以下のような内容でメールを受信します。

 

おわりに

InsightIQを活用することでPowerScaleのパフォーマンス監視ができることがわかりました。
次回はFileSystemの監視について、紹介したいと思います。

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