Kubernetesイベント雑記ネットワーク

JANOG 57 参加レポート:インフラを支える現場と運用のこれから

大阪で開催された JANOG 57 に参加してきました。今回のテーマは、当社のDatadog出展、そして個人的に初参加となった NETCON、さらに印象に残ったセッションの振り返りです。日々の業務で向き合っている F5 をはじめとした インフラ/アプリケーション運用と結びつく学びが多く、インフラを支える方々との交流を通じて得た【現場感】あふれる参加レポートをお届けします。

大阪ということで登録者数はなんと6000人超え!

JANOG 57の登録者数を示す写真

途中で参加登録を締め切るなど、運営スタッフの想定を上回る参加者が集まったようです。現地では、約20年ぶりに参加された方との交流もありましたが、当時の参加者は数百名ほどだったそうです。
JANOG については過去のブログでも触れていますので、ぜひご参照ください。

JANOG 55 参加レポート
JANOG 56 参加レポート:技術と人を結ぶ“縁”のネットワーク


今回、当社は Datadog をメインにブース出展しました。


東京エレクトロンデバイス出展ブース(Datadog)の写真


Datadogについては、当社HPや過去のブログでも紹介していますので、ぜひご覧ください。

Datadog Observability Platform | 東京エレクトロンデバイス株式会社
Datadog Walk | Datadogをはじめよう

Datadog は、インフラ・アプリケーション・ログ・セキュリティを一つのプラットフォームで横断的に可視化できる 統合型オブザーバビリティプラットフォーム で、クラウド/オンプレ/コンテナ/サーバーレスだけでなく、ネットワークまで含めてサービス単位で俯瞰できるのが特徴です。

実際のブースで来場者の方々から伺った 現場の声 を紹介します。

  • いまは伝統的な死活監視だけだが、それでは運用判断に必要な情報が足りない
  • 拠点間 VPN や DC〜クラウド間でトラブルが起きたとき、切り分けに時間がかかる
  • 「アプリが遅い」と言われるが、ネットワーク被疑ではないことをデータで示すのが難しい

上記の課題に対し Network Device MonitoringNetwork Path が関心を集めました。

Network Device Monitoring
ルーター/ファイアウォールなどのネットワーク機器について、帯域・エラー・CPU/メモリなどの状態を一画面で可視化します。これにより、回線増強や機器更改の判断材料となるボトルネックを含めたトラフィック傾向の把握や、再起動・リンクダウンといったイベントの早期検知に役立ちます。

Network Device Monitoringの説明図

Network Path
クライアント~アプリ間の通信経路をホップごとに可視化し、どの区間で遅延やパケットロスが発生しているかを把握できる機能です。これにより「結局どこが悪いのか?」というトラブルシュートの切り分けを大幅に短縮できます。
来場者の方からは、「アプリが遅いが、原因がアプリ側なのかネットワーク側なのか分からない」という現場でよくある課題に対し、短時間で原因の切り分けができる点に共感をいただきました。

Network Pathの説明図

さらにDatadog では F5 Distributed Cloud Services(F5 XC) NGINX など、当社が取り扱う複数ベンダー製品のログやメトリクスも取り込み、APM(Application Performance Management)や RUM(Real User Monitoring)と組み合わせて 共通のダッシュボードとデータを根拠にチーム間で共有できる ようになります。

当社では、Datadog のライセンス提供だけでなく、Network Device Monitoring の監視設計や Network Path で可視化すべき経路の選定、F5 など既存環境との連携設計まで含めて、お客様ごとのネットワーク運用に合わせた 使えるオブザーバビリティの立ち上げを支援しています。


初めての NETCON 参加

参加のきっかけは「若手エンジニアの背中」

今回 NETCON に参加しようと思ったきっかけは、当社の若いエンジニアが NETCON の運営スタッフとして関わっていたことでした。
当社は数多くのネットワーク/セキュリティ製品を取り扱っていることもあり、メーカーと一緒に製品紹介のセミナーやウェビナーに登壇する機会は比較的多くあります。一方で、今回のJANOGのような コアなネットワークインフラのイベント で「出展者」としてブースを構えるのではなく、運営スタッフとして中に入っているケースは決して多くありません。
NETCON の運営側で頑張っている姿を見て「外から眺めているだけではもったいなく、自身も参加して空気を感じたい」と思ったことが、今回参加を決めた一番の理由でした。

AI が前提になったトラブルシューティング

NETCON は、用意された環境に実際にログインし、ネットワークトラブルを解いていくイベントです。私自身、これまでネットワークエンジニアとしてキャリアを積んできましたが、このような問題形式に向き合うのは久しぶりで、初心を思い出す楽しい時間でした。
一方で、当時と決定的に異なると感じたのは、AI を組み合わせることが当たり前になっている点です。エンジニアの経験や勘に加え、AI を活用することで問題解決までのアプローチやスピードが変わりつつあることを実感しました。

  • 取得したログや設定を AI に要約させて、あたりを付ける
  • プロトコル仕様やエラーメッセージの背景を素早くリサーチする
  • 試行したコマンドや観察結果をメモ代わりに AI に投げて整理させる

このように「最終的な判断はエンジニアが行い、その前段の情報整理は AI に任せる」というワークフローが自然に組み込まれていました。私自身のサポート業務でも同様の使い方をしていますが、エンジニア同士の場でそれが共通の前提となっていることを目の当たりにし、時代の変化も感じました。

NETCONランチで感じた「インフラを支える人たち」
NETCONランチ会の写真1

最終日のランチ会にも参加し、実際に問題を解いた参加者の皆さんと同じテーブルを囲むことができました。問題解説の中で IS-IS が登場した瞬間、会場から笑いが起き「実際に使う機会はほとんどないんですけどね(笑)」と解説の方もコメント!マニアックなプロトコルで共に笑い、高いスキルと経験が伝わるこの場は、NETCONの醍醐味だと感じました。

また、解説は運営スタッフ側だけで完結するのではなく、

  • 自社のネットワークではこういう設計にしている
  • 同じようなトラブルを避けるために、ここはあえてこういう運用ルールにしている

といった形で、参加者同士で運用面の工夫や現場の知見が共有される場になり、皆様の熱量に終始圧倒されっぱなしでした。普段、私はF5製品を軸にレイヤー7領域でお客様環境を支えています。しかし、その先にはこうしたネットワークエンジニアの方々がいて、日々インターネットというインフラを支えています。今回の参加を通じて、当たり前の事実を身をもって実感できる貴重な時間となりました。

NETCONランチ会の写真2


印象に残った講演

1.今こそ学びたいKubernetesネットワーク

JANOG ではこれまで BGP や MPLS といった「インターネットど真ん中」の話が中心という印象でしたが、今回はコンテナやクラウドネイティブが、いよいよ本流のテーマになりつつあると感じました。

CNIの説明図

セッションでは、CNIContainer Network Interface)が「K8s(Kubernetes) の世界」と「物理/クラウドネットワークの世界」をつなぐ接点になっているという整理がとても印象的でした。CNI が Pod にどのように IP アドレスを割り当てるのか、Pod ネットワークをそのまま L3 レベルで外部に公開するのか、あるいはロードバランサー経由でのみ外部通信を許可するのかなどによって、ネットワーク設計は大きく変わります。

F5 のビジネスに携わる立場としても、K8sネットワークと CNI の振る舞いを理解したうえで、BIG-IP や F5 XC をどこに位置付けるべきかという重要性を、本セッションを通じて改めて実感しました。

2.エンジニアリングする『組織』の育て方

こちらはオフレコのプログラムのため、具体的な内容には触れられませんが、公開されている概要だけでも問題意識は非常に共感できるものだと思います。

本発表では「エンジニアリング」と向き合い、技術力を高めてきながら、事業に貢献する。
そんな「組織」をどのようにして育てていくのかをみんなで考えていくセッションです。

まさに、日々自分自身が課題に感じているテーマそのものです。サポートやサービス提供を行う中で、

  • エンジニアが技術的な好奇心を持ち続けられること

  • お客様への価値提供に直接つながる形で裁量を持って動けること

  • 組織としても外注に任せる部分と責任を持つ部分のバランスをきちんと設計すること

といった点をどう実現していくかは、意識しているところです。

JANOG のこの種のセッションの良いところは「きれいごと」だけではなく、実際にぶつかった壁や失敗も含めて共有される点にあります。今回も多くの刺激とヒントをもらいましたので、周囲のメンバーとの対話の中で還元し「エンジニアが働きやすく、働きたくなる環境」を少しずつでも形にしていきたいと考えています。

こうしたリアルな議論は、やはり現地で空気ごと味わうのが一番です。
ぜひ次回は会場で一緒に参加し、互いの知見や悩みを直接共有し合いましょう。


まとめ ~現場感を日々の業務へ~

今回の JANOG では、Datadog ブースにお越しいただいた皆さまとの対話を通じてオブザーバビリティや運用の生々しい課題感に触れ、NETCON では久々に資格試験のような問題形式に挑戦し、セッションでは K8sネットワークや組織づくりといったテーマから多くの刺激を受けました。

当社が提供している

  • F5 を中心としたアプリケーションデリバリ/セキュリティ
  • Datadog を活用した統合監視・可視化
  • クラウド/コンテナ/AI を含む各種サービス・運用支援

といったポートフォリオは、まさに JANOG コミュニティの皆さまが日々向き合っている現場の課題と地続きのものです。今回得た知見や感覚を、サービス改善や新しい提案につなげていけるよう、これからも一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思います。

次回の  は、2026 年 7 月に愛媛・松山で開催されます。ホストは、当社のビジネスでも日頃から大変お世話になっている  様です。当社も引き続き出展を予定していますので、ぜひ次回は【現場】でお会いし、互いの知見や悩みを直接共有し合えればうれしいです。

最後に素晴らしいイベントをホストいただいた さくらインターネット様 に心より感謝申し上げます。

※ 本ブログに掲載している写真の一部は、「JANOG57ミーティング フォトアルバム」よりお借りしています
(出典:写真は JANOG57ミーティング フォトアルバムより)

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