自治体
市のITインフラにオールフラッシュストレージを採用、
システム集約や快適なVDI利用を実現する、高速で安定した仮想基盤を構築
お客様の課題
TEDのソリューション
導入製品
羽曳野市
市長公室 情報政策課
辻本 貴洋氏
羽曳野市
市長公室 情報政策課
田部 晋介氏
羽曳野市
市長公室 情報政策課
飯田 耕典氏
大阪府羽曳野市では、情報セキュリティの強化に伴い、出先機関も含め、庁内のITインフラを大幅に刷新しました。新たなITインフラには、Pure Storage(ピュア・ストレージ)社のオールフラッシュストレージ製品「FlashArrayシリーズ」を導入。物理サーバーを仮想化して集約、業務システムの基盤として、また、VDIやRDSの基盤として安定し、快適に利用できるITインフラを構築しました。
大阪府羽曳野市は、世界文化遺産登録を目指す
古市古墳群をはじめとする歴史遺産が数多く残っており、豊かな自然に恵まれた街です。市の将来像を「ひと、自然、歴史文化を育み 笑顔輝く はびきの ~みんなでつくる だれもが住みたいまち~」と定め、さまざまな施策に取り組んでいます。
「東部の二上山系の斜面を利用して広大なぶどう畑が広がっていまして、それらを使った地元産ワインも有名です。市内には3つのワイナリーがあり、羽曳野市の特産品の1つとなっています」(辻本氏)
羽曳野市では、総務省の推奨する自治体情報セキュリティ強化のガイドラインに沿って、ITインフラ基盤の全面的な刷新を実施しました。LGWAN(Local Government Wide Area Network、総合行政ネットワーク)系とインターネット系のネットワークを分離し、仮想基盤を導入しました。
「セキュリティ強化のタイミングで、それまで物理で構築していたサーバー群をできる限り仮想化して、共通の仮想基盤を構築しようと考えました」(田部氏)
システムを、個人番号(マイナンバー)利用系、LGWAN利用系、インターネット利用系の3つのセグメントに論理的に分離するとともに、これらの基盤として東京エレクロンデバイスが提案したPure Storage社のオールフラッシュストレージ「FlashArrayシリーズ」を導入しました。
今回の刷新では、従来から利用してきた物理サーバーを仮想化するとともに、個人番号利用系にVDIを、インターネット系はRDS(リモートデスクトップサービス)を利用する構成です。そのため、それらシステムの基盤となるストレージには高い性能が求められました。
「特にVDIが快適に利用できないと業務に支障が出ますので、高性能なストレージが必要でした。そこで、オールフラッシュのストレージを前提に、可用性や耐障害性なども要件として選定を行った結果、FlashArrayシリーズの導入となりました」(辻本氏)
構築はスムーズに進み、2017年3月には新たなITインフラが稼働しました。FlashArrayシリーズを基盤とする業務基盤は大きな問題もなく、安定運用が続いています。
「ネットワークの構成変更やサーバーの仮想化、VDIの導入など、かなり大規模な刷新となりましたが、スムーズに構築を完了できました。FlashArrayシリーズは安定して稼働しています。VDI、RDSについても快適に利用できており、朝の始業時間においてもブートストームなどの問題も出ていません」(嶋田氏)
個人番号利用系のVDIは400ライセンスで、同時に300ユーザー近くが使用することもありますが、それでも遅延などの問題は出ていません。また、市役所だけでなく、支所や市民会館など約40の出先機関も同じインフラを利用しており、こちらも問題なく快適に利用できていると言います。
「新たな基盤にはグループウェアも載せていますが、朝一斉に職員がログインしてもスムーズに立ち上がり、利用できています。これまでは立ち上げる時間をずらしてもらうなどの対応をしていましたが、新しい環境ではその必要もなく、ストレージの高速性能を実感できています」(田部氏)
ピンチアウトで拡大
想定以上の効果として嶋田氏が挙げたのが、FlashArrayシリーズのインライン重複排除機能です。ディスクに書き込まれる前に重複排除を行うことで、ディスクの使用量が減らせる仕組みです。
「今回、FlashArrayシリーズは20TBのモデルを導入しました。容量が足りるかという懸念もありましたが、実際に利用してみるとインライン重複排除機能の効果はとても大きく、まだまだ容量に余裕があります。これは想定していた以上の嬉しい効果です。当然ながら、ストレージコストの低減にも繋がっています」(嶋田氏)
容量的にも余裕があるため、今回は載せなかったシステムなどについてもFlashArrayシリーズの利用を検討するとのこと。さらに、フラッシュモジュールスロットの空きもあり、同一筐体で拡張が可能なスケーラビリティの高さも評価しています。
FlashArrayシリーズの運用については、導入以降まったく問題が起きておらず、快適に利用できているため、「存在を気にしなくて良い」というほどに手が掛かっていません。東京エレクトロンデバイスのサポート窓口に連絡することもないとのことです。
今後は、老朽化したプリンターの集約やパソコンの更新、庁内無線LANの導入など、職員が使いやすく、また私たちも運用のしやすいITの導入を進めていきたいと思います」(田部氏)
「情報セキュリティの強化については一段落です。これからもさまざまなシステムのリプレースもありますが、クラウドなど共同利用のリソースを活用するといったことも視野に入れつつ、市民サービスにつながるようなIT活用を検討していきます」(辻本氏)
大阪府の南東部に位置し、2019年1月には市制施行60周年を迎える羽曳野市。日本最古の国道といわれる「竹内街道」が2017年に日本遺産に認定。古くから人や物が行き交う交通の要衝として栄えてきました。関西地区では最も多い生産量を誇るいちじくも特産品です。南阪奈道路沿いの「道の駅しらとりの郷・羽曳野」には新鮮な野菜や果物、生花などをはじめ、地元の特産品なども販売。市外からも多くの人で賑わい、交流の拠点となっています。
記事は 2017年12月 取材・掲載のものです。