WizのMCPサーバーを試してみた
WizがAIエージェント用のMCPサーバーをリリースしたので、どんな使い方ができるのか試してみました。
Wiz MCP(Model Context Protocol)サーバーとは
Wiz は2025/04/21に、CNAPPのプラットフォームをAIエージェントと連携するためのMCPサーバーを提供開始しました。
Introducing the MCP Server for Wiz: Smarter AI Context, Stronger Cloud Security
Wiz MCPサーバーを利用することで、AIエージェントがWiz CNAPPのプラットフォームとの連携を可能とします。AIエージェントと連携することで人が理解できる言葉の表現(自然言語)による問い合わせができるようになり、AIがプラットフォームから様々な情報を収集し、要約や情報付加をして回答を返してくれます。
そもそもMCP(Model Context Protocol)ってなに?
ものすごくざっくり説明すると、LLM(大規模言語モデル)で構成されたAIシステム/エージェントと外部のツールやシステムがデータをやり取りするときに使うオープンな標準プロトコルです。Anthropic(アンソロピック)社が定義し、AIの世界では広く利用され始めています。
Wizもこの世の中の動向に則り、AIエージェントと連携するためのMCPサーバーを提供してきました。WizのMCPサーバーに対し、ユーザーが準備したMCPクライアントで接続することで、AIエージェントとWizのデータとを連携させることが可能になります。
試してみた
MCPクライアントはCursorを使いました。私のPC環境はWindowsですが、私自身Linuxの方がこの手の操作は慣れているので、WSL(Windows Subsystem for Linux)上にWiz MCPサーバーであるPythonコードを配置し利用しています。Wiz MCPサーバーがWiz APIにアクセスし情報を収集しています。
プロンプトを入れてみる
まずはサンプルで用意されていたプロンプトを入れてみます。
「Show me all application endpoints」(訳: アプリケーションエンドポイントの一覧を見せて)
プロンプトを受け取ったAIがWiz MCPサーバーにアクセスし、クエリを発行しようとしており、実行する前に確認がはいります。「Run tool」をクリックすると実際にWiz MCPサーバーを通してクエリを実行してくれます。
クエリを実行し受け取った結果を元に、AIが内容を整理し回答してくれます。Wiz CNAPPでスキャンしているこのクラウド環境には41のアプリケーションエンドポイントがあり、そのうちの10件が列挙されてきました。
言語はどうにかできるのか?
……日本語って使えないのですかね?試してみましょう。
いけました!言語の処理はAIエージェント側がやってくれています。また、同じチャットウインドウの中での処理であるため、先ほどした英語の質問に対する回答をそのまま日本語で出力していますね。「Run tool」ボタンによる事前確認が入らなかったため、Wiz MCPサーバーにアクセスして情報を取得していないことがわかります。
いろんな使い方ができそう
先ほどの例はWizがサンプルとして提示しているクエリを実行してみました。ほかにも特定のリスクを持つリソースを抽出してもらったり、レポート作成を手伝ってもらったりできそうです。
7月になったので、先々月と先月のイシューの推移をまとめてもらいましょう。
「5月と6月のオープンなイシューの数の推移を、重大度ごとにまとめて」
細かくクエリを実行し、集めたデータをAIエージェントが整形して出力してくれました。この先のタスクもAIと対話しながら進めることもできそうです。
まとめ
WizのMCPサーバーが公開されたので、今回触ってみました。Wizポータルからもクエリを使ってリソースの絞り込みやレポート作成など様々なタスクを実行できるのですが、AIエージェントと組み合わせることでより自然な言葉の表現で問い合わせ、様々な情報の抽出や整理が簡単にできそうです。
















