Everpure(旧:Pure Storage)のFlashArray Object Serviceについて
Everpure(旧:Pure Storage)のFlashArrayで新たにサポートされるようになった、オブジェクト機能についてご紹介します。
はじめに
初期のEverpure社製品のFlashArray(FA)はブロックストレージとしてリリースされ、FC(Fibre Channel)やiSCSI(Internet Small Computer System Interface)といったプロトコルを利用する、SAN(Storage Area Network)環境で稼働するプライマリストレージとしての利用が主でした。一方、近年、FAもX・C・XL・E・STシリーズなど、パフォーマンスや容量要求に応じて、シリーズが拡充され、プライマリストレージの顔だけではなく、ハイエンド用ストレージ、バックアップ用ストレージ、といった顔も覗かせるようになりました。また、NFS(Network File System)やSMB(Server Message Block)といったプロトコルもサポートするようになり(FA File)、SANだけではなく、NAS(Network Attached Storage)用途もサポートすることで、現在はマルチプロトコルなユニファイドストレージとなっています。
そして今回、FAにS3互換のオブジェクト機能が加わりました。これをFlashArray Object Serviceと呼びます。これにより、専用のオブジェクトストレージを新たに導入することなく、既存のFAをS3対応アプリケーションの保存先として利用できます。
昨今はAIで活用されるような非構造化データが急速に増加しており、ファイルストレージ・オブジェクトストレージの需要も高まっています。また、これらのストレージをシンプルに活用できるよう、ストレージを統合する動きも目立ちます。そこで、Everpure社は、FAにもオブジェクト機能を追加し、FAはブロック・ファイル・オブジェクトの各種データを扱えるストレージへと進化しました。
本ブログでは、FlashArray Object Serviceの基本的な仕組み、主な機能、またEverpure社製品ですでにS3機能を持っているFlashBlade(FB)との違いについてご紹介します。
FlashArray Object Service
FlashArray Object Serviceは、FAのOS(Operating System)であるPurity//FAにネイティブに実装されたオブジェクトストレージサービスです。Purity//FA 6.10.5以降で標準機能として搭載され、オンプレミス環境にS3互換のオブジェクトストレージを構成できます。S3対応アプリケーションは、HTTPまたはHTTPSを使用してFA Object Serviceへ接続します。接続後は、バケットやオブジェクトの作成・削除、一覧表示、データの取得・保存といった、オブジェクトストレージの基本操作が利用できます。
さらに、上記の図のようなスタック型のアーキテクチャにより、ブロック・ファイル・オブジェクトを同列に扱うことで、FA製品の特長である、高い重複排除・圧縮効果が期待でき、かつ高性能・高可用性・高信頼性を有するオールフラッシュストレージとして、オブジェクト機能を利用できます。また、Evergreen Foreverにより、ストレージをリプレースすることなく容量拡張やコントローラアップグレードが可能となり、本ストレージを永続的に使用できます。
参考:Everpure(旧:Pure Storage)社製品の保守プログラム Evergreen Storage
FlashArray Object Serviceの特徴
FlashArray Object Serviceは、S3互換の標準的な機能や考え方を活用しながら、FAのストレージ基盤上でオブジェクトデータを扱える点に特徴があります。ここでは、この機能を利用することで得られる主なメリットをご紹介します。
・ ストレージ基盤を集約可能
FlashArray Object Serviceを利用すると、新たにオブジェクトストレージを導入することなく、既存のFA上にS3対応の保存先を構成できます。ブロック・ファイル・オブジェクトの各サービスを同じ1つのFA上で利用できるので、データの種類に応じてアクセス方式を使い分けながら、ストレージ基盤を集約できます。
・ S3標準機能を利用可能
FlashArray Object Service機能は、S3互換の標準的な機能を利用できます。すなわち、特殊な設計や構築・操作手順などは不要で、Bucket単位でのVersioningやLifecycle Ruleも利用できます。Purity//FA 6.10.5にて対応している機能は下記の通りです。(2026年9月時点)
FlashArray Object ServiceのユースケースとFlashBladeの違い
FlashArray Object ServiceとFBは、どちらもS3互換のオブジェクトストレージ機能を提供します。ただし、想定される導入目的や適した環境は異なります。FlashArray Object Serviceは、既存のFA環境にS3対応アプリケーションの保存先を追加したい場合に適しています。例えば、バックアップデータ、ログ、画像などのオブジェクトデータを、既存のFA環境で扱うケースです。また、Purity//FAにネイティブに実装された機能なので、S3互換のオブジェクト保存先を構成する際に、別途S3ゲートウェイや専用製品、専用OSを導入する必要がないので、物理的なスペースやリソースに制約のある環境でも、1台のFAでS3互換のオブジェクトアクセスを提供することができます。
一方、FBは、オブジェクトやファイルを中心とした専用のストレージ基盤です。大容量のデータを保存する環境、多数のクライアントから同時にアクセスする環境、将来的なデータ量の増加を見込んで専用基盤を構成する環境に適しています。オブジェクトを中心に設計し、容量やアクセス性能、拡張性を重視する場合は、FBが候補となります。
なお、FAとFBの違いは下記のブログでもご紹介しているので、併せてご確認ください。
参考:FlashArrayとFlashBlade どちらを選ぶべき?
その他の仕様や注意点
・ FlashArray Object Serviceは、R4およびR5世代のFA//XL、FA//X、FA//C、FA//Eでサポートされています。R3世代およびRC20、RX20は利用不可です。
最後に
今回は、FlashArray Object Serviceの概要を簡単にご紹介しました。ブロックやファイルに加えて、オブジェクトも同じ基盤上で利用できるため、新たにオブジェクトストレージを導入することなく、既存のFAをそのまま活用できる点がFlashArray Object Serviceの大きな特徴です。本ブログを通じて、FlashArray Object Serviceについて少しでも理解できるきっかけになりますと幸いです。
※ Everpure、Pure Storage、および本ページに記載されている製品名・サービス名は、Everpure, Inc. の商標または登録商標です。










