NGINX Oneの新機能:証明書管理とAIアシスタント機能で運用効率化

2024年にGAされたNGINX Oneは、SSL/TLS証明書管理機能やAIアシスタント機能といった新機能を順次追加し、より強力なプラットフォームへと進化を遂げています。本ブログでは、これらの新機能がどのように運用効率化に貢献するのかを具体的な事例を交えて紹介します。
2024年9月、NGINX Oneが正式版としてGAされ、NGINXインフラストラクチャの管理を革新的に進化させました。証明書管理の一元化とAIアシスタント機能の追加により、セキュリティ運用と設定サポートの新しい可能性を切り開いた、注目のSaaS製品です。本ブログでは、NGINX Oneの最新機能と、それがもたらす実践的な価値についてご紹介していきます。
*注: "NGINX One" は現在 "NGINX One Console" に名称が変わっています。本ブログでは便宜上 "NGINX One" と記載しています
はじめに:NGINX OneのGA版リリース
2024年9月、NGINX OneがGA(General Availability)となり、正式版がリリースされました。前回のブログで紹介したプレビュー版から機能が追加され、特に証明書管理とAIアシスタント機能による設定サポートが注目を集めています。
- 前回のブログ:「 NGINX One:究極のデータプレーン マルチツール を使ってみた 」
https://cn.teldevice.co.jp/blog/p51102/
NGINX Oneの主要機能のおさらい
NGINX Oneに関して改めての紹介です。NGINX One は、NGINX Plus と NGINX Open Source(NGINX OSS)インスタンスを単一のコンソールから管理できるSaaS製品です。主な特徴として以下があります。
- 集中管理:すべてのNGINXインスタンスを一元監視・管理
- 強化された監視とリスク検出:CVEの自動検出、SSL証明書の状態確認、設定のセキュリティ問題特定
- パフォーマンス最適化:NGINXバージョン追跡と設定のリコメンデーション提案
- グラフィカルなメトリック表示:重要な指標を視覚化したダッシュボード
- リアルタイムアラート:重要な問題の即時通知
新機能紹介
次に2つの新機能についてのご紹介です。
(1)Certificates(証明書管理)
NGINX Oneの新機能として、SSL/TLS証明書の一元管理が可能になりました。2024年10月以前までは証明書の有効期限の監視のみでしたが、その後のアップデートにより複数のNGINXインスタンスで使用される証明書を一箇所で管理し、NGINX Oneを経由してNGINXインスタンスに証明書ファイルをアップロードし適用することができるようになりました。これにより、証明書の期限切れによるサービス停止リスクを大幅に軽減できます。
(2)Explain with AI(AI Assistant)
NGINXの設定ファイルに対してリコメンデーションを教えてくれる機能は前回のブログの時点でもありましたが、最近のアップデートにより、AIによるアシスタント機能も使えるようになりました。
最も注目すべきこの新機能は「Explain with AI」です。この機能を使用すると、NGINXの設定ファイル内のキーワードや設定項目について、AIがチャットボット形式で解説してくれます。さらに、日本語で質問を行い、日本語での回答が可能なため、日本のエンジニアにとって非常に使いやすいツールとなっています。
例えば、"proxy_pass"ディレクティブについて質問すると、その使用方法や設定例、注意点などを日本語で詳しく説明してくれます。これにより、NGINXの設定に不慣れなエンジニアでも、迅速かつ正確に設定を行えるようになります。
- NGINXの設定ファイルの表示画面にて、知りたいキーワードを選択し、「Explain with AI」をクリックします(以下の図では "location" を選択しています)。
(画像をクリックして拡大画像を表示できます)
まとめ
NGINX Oneの最新リリースで、NGINXの管理がさらに進化しました。特に注目すべきは「Explain with AI」機能です。この革新的なツールは、NGINXの設定を理解し最適化する上で大きな助けとなるでしょう。今後も機能がどんどん拡充されていく中で、NGINX Oneは多くの組織にとって頼れる管理ツールとなること間違いありません。NGINXのインスタンス数が多く、管理が煩雑で困っている方には特におすすめです!