Pure Storage FlashArrayのProtection Group

Pure Storage FlashArray(FA)製品のProtection Groupについて、ご紹介します。
Snapshot
FAのSnapshotは、Volumeのある時点でのメタデータを作成し、アレイ内に保存する機能です。ブロックレベルの静止点となり、メタデータのみを作成し実データは共有することで、Snapshot取得時の容量消費は少なく、瞬時にSnapshotを取得することが可能です。Snapshotについては、以前のブログにてご紹介しましたので、こちらをご確認ください。
参考:Pure Storage FlashArrayのSnapshotについて:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p60502/
Protection Group
Snapshotの取得対象を指定し、取得間隔や保存期間を設定するものを、Protection Groupと呼びます。手動でSnapshotを取得することも可能ですが、Protection Groupを利用することで、Snapshotの取得時間の指定や、取得間隔、保存間隔のスケジュール設定が可能となります。ここから、Protection Groupの作成、スケジュール設定方法をご紹介します。
まずは、Protection Groupを作成します。なお、今回、Purityバージョン v6.5.0の機器にて実施しますので、一部Purityバージョンでは表記が異なる場合があります。
GUI:Protection > Protection Groups > Source Protection Groups欄の+ボタンをクリック > 任意の名前を入力し、Create
CLI:purepgroup create [Protection Group名]
コマンドを入力
作成したProtection GroupをGUIで見ると、6個の項目が表示されていることが確認できます。
それぞれの意味は下記の表のとおりです。
一部内容について下記に補足します。
・ Members
HostおよびHost GroupをMemberとしても、取得するSnapshotは、指定したHost、Host Groupに接続されているVolumeのSnapshotとなります。また、VolumeとHostなど異なるものを同一のProtection Group内に設定することはできません。
なお、お客様から、どれをMemberに登録したほうがよいか、とご質問をいただくことがあります。当社として、推奨はございませんが、取得されるSnapshotがあくまでVolume単位であること、per pgroup SafeModeはVolumeのみ使用できること、などを鑑みて、直感的に把握もしやすいVolumeでの登録をご案内することが多いです。
・ Targets / Replication Schedule
これらは、Async Replication(非同期レプリケーション)やCloud Snapなどの機能を使用し、Snapshotを外部に転送する項目となります。詳細は今後のAsync Replicationなどのブログにて記載しますので、今回は割愛しますが、Scheduleの考え方などのProtection Groupの扱い方は同一となります。
・ Snapshot Schedule / Replication Schedule
Snapshotの取得や外部にSnapshotの転送をする場合、取得時間や取得間隔、保存期間を設定する項目となります。同一Volumeに対して、複数のSchedule設定を持つことはできません。もし同一Volumeに対して、異なる間隔でSnapshotを取得したい場合、別のProtection Groupを作成して設定する必要があります。
・ SafeMode
SafeModeについては、以前のブログにて、per pgroup SafeModeの詳細をご紹介しておりますので、こちらをご確認ください。
参考:Pure Storage FlashArrayのSafeModeの概要:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p58645/
参考:Pure Storage FlashArrayのSafeModeの種類について:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p59816/
参考:Pure Storage FlashArrayのSafeModeの運用について:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p60585/
Schedule設定
FAのSnapshotのScheduleは、下記の項目で構成されます。なお、A~Eを代数として使用し表を記載しています。
GUIでは、Snapshot Scheduleの右側にあるEditボタンをクリックし、各項目を入力した後に、左上のスライドバーをクリックして、Enabledにした後に、Saveボタンをクリックすれば、設定が反映されます。
CLIでは、下記のように入力します。(A~Eは上記の表に基づいた代数となります)
purepgroup schedule --snap-frequency A[単位] --snap-at B[am/pm] [Protection Group名]
purepgroup retain --all-for C[単位] --per-day D --days E [Protection Group名]
purepgroup enable --snap [Protection Group名]
表に記載した例となる、毎日1回、午前2時にSnapshotを取得し、それを3日間保持した後、1日1個分のSnapshotをさらに5日分保持する、という設定を実際に入力すると、下記の通りとなります。
purepgroup schedule --snap-frequency 1d --snap-at 2am [Protection Group名]
purepgroup retain --all-for 3d --per-day 1 --days 5 [Protection Group名]
purepgroup enable --snap [Protection Group名
]
取得したSnapshotのリストア
取得したSnapshotは、下記ブログのSnapshotの取得方法およびリストア方法の章を参考に、リストアすることが可能です。各Volumeに紐づいてSnapshotは作成されるため、リストア方法は同様となります。なお、Protection GroupでSnapshotを取得すると、Snapshot名の先頭にProtection Group名とSuffixが付与されます。
参考:Pure Storage FlashArrayのSnapshotについて:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p60502/
また、GUIにて、Protection GroupのSource Protection Group Snapshotsから、ある世代のSnapshotをクリックすると、その時に取得したSnapshotの一覧が表示されるため、ここからリストアを実行することも可能です。
Snapshotの最大数
Snapshotを取得できる数には各モデルやPurityバージョンによって上限があります。下記表にモデルごとに最大数を記載しました。なお、ここではPurityバージョンはv6.6.0以上となります。また、FA-X90などは、FA-90R2~R4まで同一、とお考え下さい。上限の定義はございますが、数としては非常に膨大で、ご使用いただくうえでお客様がご懸念いただく必要はないでしょう。
最後に
今回はFA製品のProtection Groupについて概要を記載しました。今後のブログでも、このProtection Groupを用いて他の筐体にバックアップするAsync Replicationなどのバックアップ機能について記載予定となります。