セキュリティネットワーク

F5 BIG-IP TMOS バージョン21リリースについて

2025年11月にF5 BIG-IPの新しいソフトウェアバージョン21.0.0がリリースされましたのでご紹介させていただきます。

202511月にF5 BIG-IPの新しいソフトウェアバージョン21.0.0がリリースされました。
本記事ではバージョン21.0.0の概要および主な新機能についてご紹介します。

BIG-IP バージョン21.0.0の概要

BIG-IP バージョン21.0.0は、BIG-IP TMOSソフトウェアの新しいメジャーバージョンとなります。
F5社では、変化するアプリケーション環境に対応するためにBIG-IPのコアテクノロジーであるTMOS(BIG-IPの独自OS)を維持したままモダナイゼーションすることを発表しました。
BIG-IP バージョン21.0.0は今後のモダナイゼーションにおける最初のリリースという位置づけになります。

BIG-IP バージョン21.0.0のWeb GUIの図※BIG-IP バージョン21.0.0のWeb GUI(従来と同様になります)

BIG-IP バージョン21.0.0の新機能

以下、BIG-IP バージョン21.0.0の新機能についていくつかご紹介します。
詳細についてはF5のリリースノートをご確認ください。
https://techdocs.f5.com/en-us/bigip-21-0-0/big-ip-release-notes/big-ip-new-features.html

コントロールプレーンのパフォーマンスとスケーラビリティの強化

バージョン21.0.0では管理系機能の処理性能が向上しました。
内部的には、一部の管理モジュールの利用可能メモリ容量の拡張や管理デーモン(MCPDと呼ばれるデーモン)のマルチスレッド化が実装されています。これにより従来のバージョンにおいての大規模な
BIG-IPのコンフィグレーションを運用している場合のコントロールプレーンの負荷や、大量のSNMPやREST API要求時のレスポンス遅延といった課題の改善が期待されます。
以下はF5社による21.0.0の管理機能パフォーマンス向上の目安になります。
F5社による21.0.0の管理機能パフォーマンス向上の目安

LTM:Model Context Protocolサポート

MCP(Model Context Protocol)は、LLMやAIエージェントが外部のツールやデータベースと通信するために設計された通信プロトコルです。
バージョン21.0.0では新しく追加されたJSON ProfileおよびSSE ProfileによってMCPで使われるストリーミング通信の内容を検知できるようになり、iRulesによるトラフィック制御が可能となっています。
詳細については以下のF5ドキュメントをご確認ください。
https://techdocs.f5.com/en-us/bigip-21-0-0/big-ip-local-traffic-management-profiles-reference/model-context-protocol.html
JSON ProfileおよびSSE Profileを示す図

LTM:S3プロファイルのサポート

バージョン21.0.0では、S3トラフィックに最適化されたTCPプロファイルおよびSSLプロファイルが新たに用意されました。
S3は、AWS(Amazon Web Service)の提供するクラウド上のオブジェクトクラウドサービスです。
本機能を利用することでオンプレミスまたはプライベートクラウド上のS3互換ストレージの効率的なトラフィック制御が可能となります。
https://techdocs.f5.com/en-us/bigip-21-0-0/big-ip-local-traffic-management-profiles-reference/protocol-profiles.html#tcp-profile-for-s3-workload-optimization
https://techdocs.f5.com/en-us/bigip-21-0-0/big-ip-system-ssl-administration/ssl-traffic-management.html#client-ssl-profile-for-s3-workload-optimization

 

APM: Always connected modeの除外リストの拡張

APMのクライアントソフトウェアであるBIG-IP Edge Clientの「Always connected mode」ではクライアント端末に常時SSL-VPN接続の状態を強制することができます。Always connected modeではSSL-VPN接続できていない状態で接続を許可することができる宛先を除外リストとして設定することができますが、従来のバージョンでは最大10個までの登録が可能となっていました。
バージョン21.0.0では、10個以上の登録が可能となっています。
BIG-IP Edge Clientの図

BIG-IP バージョン21.0.0のサポート期間について

21.0.0は21.x.xにおけるSTSリリースとなります。
21.x.x以降では従来のバージョンからサポート期間が変更されており、以下の通りとなります。
STSとなる21.0.xのサポート期間は2026年8月6日までとなります。
21系のLTSはまだリリースされていませんが、メーカーリリースより3年間のサポートが提供される予定です。

バージョンタイプ サポート期間
STS (Short-Term Stability Release) 9か月
LTS (Long-Term Stability Release) 3年
STSバージョン End of Software Development/End of Technical Support
21.0.x 2026年8月6日

詳細については以下のメーカーサポートポリシーをご確認ください。
https://my.f5.com/manage/s/article/K5903

まとめ

以上がBIG-IP バージョン21.0.0の簡単なご紹介となります。
本バージョンでは管理機能において大幅な強化が実装されているため、管理面でのパフォーマンスに課題をお持ちのお客様では改善が期待できる内容となっています。

最後に、東京エレクトロンデバイスのBIG-IP バージョン21.x.xのサポート開始時期についてですが、21.x.xのLTSリリース後からを予定しております。
現時点ではF5社の21.x.xのLTSリリース時期は未定ですが、F5社のリリース後に可能な限り早期にサポートを開始できるよう準備を進めています。

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