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GleanがMarket Shaperに選出。ノーコードAIエージェント市場で何が評価されたのか

2026年6月にGartnerが公開した「Emerging Market Quadrant for No-Code Agent Builders — Startup Vendors」において、GleanはMarket Shaperに位置づけられました。これは、ノーコードAIエージェント市場において、Gleanが市場を動かす可能性と、企業で実際に使われる実行力の両面で注目されたことを示す評価です。本記事ではGleanブログの内容も踏まえながら、何が評価されたのかを整理します。

Emerging Market Quadrant for No-Code Agent Buildersとは

Emerging Market Quadrantは、比較的新しく変化の速い市場について、主要プレイヤーの位置づけや特徴を整理するためのGartnerの評価手法です。今回対象となったNo-Code Agent Buildersは、コードを書かずにAIエージェントを設計・公開・運用できるSaaS型の統合環境であり、CRMやERP、デジタルワークプレイス、Webアプリなどの業務文脈で活用されることが想定されています。

なぜ今、ノーコードAIエージェント市場が注目されているのか

AIエージェントへの関心は高まっていますが、企業が必要としているのは、単に簡単に作れるエージェントではありません。実際の業務で役立ち、信頼でき、社内のルールに沿って動けることが前提になります。

特に企業では、情報がSharePoint、Slack、メール、CRMなど複数のSaaSに分散し、閲覧権限も部門や役職ごとに異なります。この状態でAIを業務に組み込むには、答えられるだけのチャットでは不十分です。必要なのは、どの情報にアクセスできるかを踏まえたうえで、必要な情報を見つけ、実際の業務アクションまでつなげられる基盤です。

たとえば、営業資料の検索、社内規程の確認、問い合わせ対応、申請前の情報整理など、日常業務の多くは複数のシステムをまたいで進みます。こうした場面で、必要な情報を権限に応じて取り出し、その先の業務アクションまでつなげられるかが、AIエージェントの実用性を左右します。

Gleanは何が評価されたのか

今回Gartnerは、GleanをMarket Shapersに分類しています。Market Shaperは、市場を変える可能性と実行力の両面で高く評価されたプレイヤーを指します。

Gartnerのレポートに加え、Gleanも公式ブログ「Why we think Glean’s Market Shapers placement matters for the future of no-code agents」(和訳:GleanがMarket Shaperに位置づけられたことが、ノーコードエージェントの未来にとって重要だと私たちが考える理由)で今回の評価の背景を説明しており、そこから見ると、評価ポイントは主に次の3点に整理できます。

  • 企業内の人、知識、権限、ワークフローを横断して扱える深いエンタープライズコンテキスト

  • 初日から運用を前提にできるガバナンスとセキュリティ

  • 情報検索で終わらず、業務システムやワークフローにつなげる実行力

Gartnerは、Gleanが単なるノーコード作成ツールではなく、企業内のコンテキストを共有のエンタープライズエージェントレイヤーとして扱おうとしている点に注目しています。Glean自身も、エンタープライズグラフを基盤に、アプリ、ドキュメント、会話、システムをつなぎ、エージェントが会社の実態を踏まえて動けることを差別化要素として打ち出しています。

Gleanの製品概要については、Glean製品 Work AI Platformもご参照ください。

ここから見えてくる市場の方向性

今回の評価は、Glean一社の話にとどまりません。ノーコードAIエージェント市場では、作りやすさや見た目の分かりやすさだけで差別化する段階から、実際に業務へ組み込めるかを問われる段階へ移りつつあります。

これからは、企業内のコンテキストを理解できるか、権限やポリシーを前提に運用できるか、そして業務システムまでつないで成果に結びつけられるかが、より重要になります。日本企業でも、生成AIの関心がPoCから実運用へ移る中で、この観点は今後さらに重視されるはずです。

特に、部門ごとに利用ツールが異なり、情報管理やアクセス制御の要件も厳しい企業ほど、この違いは重要になります。AIエージェントが広く使われるためには、使いやすさだけでなく、既存システムとの接続性や運用時の統制まで含めて設計されていることが欠かせません。

まとめ

GleanのMarket Shaper選出は、ノーコードAIエージェント市場が本格化しつつある中で、企業向けに本当に使える基盤とは何かを示す材料の一つです。重要なのは、ノーコードであること自体ではなく、その上で企業コンテキスト、ガバナンス、実行力をどこまで両立できるかです。今回の評価は、その観点でGleanが注目されたことを示していると言えるでしょう。

なお、Gartnerの調査はGartnerの見解を示すものであり、特定のベンダー、製品、サービスの推奨を意味するものではありません。

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