サーバークラウドストレージ

(連載)令和時代のサーバー入門
第3回 アプライアンス

「令和時代のサーバー入門」シリーズではサーバーの基礎から仮想化、クラウドとったサーバーに関わる各テクノロジーについて触れていきます。
第3回の本記事ではアプライアンスについて解説します。

はじめに

第3回となる本記事では、サーバーの1つの形である「アプライアンス」について解説します。

 連載記事一覧:
  第1回 サーバー基本の「き」
  第2回 ストレージ基本の「き」
  第3回 アプライアンス         ←本記事
  第4回 サーバーの仮想化(その1)
  第5回 サーバーの仮想化(その2)
  第6回 クラウド利用(その1)
  第7回 クラウド利用(その2)

アプライアンスとは?

アプライアンス(Appliance)とは、特定用途向けに作成された製品のことを指します。
特定用途向けにデザインされているため、その用途以外に使用ができないものの、多用途に利用可能な汎用サーバーと比べて必要になる機能を容易に実現できるように作られていたり、不要な要素を削除し導入や運用、管理が簡単になっていたりします。専用機というイメージですね。

サーバーという大きなくくりの中の1つの形態として「アプライアンス」という位置づけがあると理解してもらえたらと思います。

 

アプライアンスのメリット

当然ですが専用機になるため、該当サービスを提供する上で汎用サーバーと比べて機能面や管理面でメリットがあります。(メリットが出るように独自OSを作り込んでいます)

特にファイルサーバーについてはアプライアンス製品が多く採用されているように思いますので、例として汎用サーバーと比較してファイルサーバーのアプライアンス製品の主なメリットを並べてみます。

  • レプリケーション機能
    汎用OS構成では実装が難しいレプリケーション機能が容易に構成できるようになっています。

 

  • スナップショット機能
    汎用OS構成では実装が難しいスナップショット機能(ローカルバックアップ)が容易に使えるようになっています。

 

  • 拡張性
    複雑な手順や構成を取らず筐体を追加するだけで性能・容量の拡張ができるアプライアンス製品もあります。

 

  • 冗長性
    ファイルサーバー部分が標準で冗長化構成となっています。(コントローラ冗長)
    汎用OSでの構成だと、別途クラスタリングソフトウェアを導入するなど複雑な構成となり、導入や運用負荷が高くなりがちです。
  • 運用管理性
    また、運用管理面では1製品で必要な機能を備えている(完結する)ことで、次のようなメリットがあります

    • 保守窓口が1つとなるため、たらい回しが発生しない
    • 汎用OSに必要なセキュリティパッチ適用作業の軽減
    • 管理画面も1つとなるため、容易(複数製品の管理が不要)

上記のように、アプライアンスは汎用サーバーと比べて多面的なメリットがあります。

一方で特定サービス専用機となるため、他のサービス提供と兼用したり、別サービス目的への使いまわしができないといった柔軟性でのデメリットもありますので、全ての環境でアプライアンスが適しているということではありません。

仮想アプライアンス

サーバーの仮想化については次回の記事で記載しますが、アプライアンスの仮想版も提供されているため、ここで触れておきます。

仮想化環境の普及により、仮想化環境上にアプライアンスを構成するタイプの製品も多く展開されています。各メーカー側で仮想アプライアンスをデプロイするためのデータを提供しており、そのデータを使用して仮想化環境上にデプロイすることで利用可能となります。

仮想アプライアンスは物理的な機器が不要なため迅速に調達でき、物理構成と変わらない機能が利用できます。性能面については物理的ハードウェアを仮想化基盤のサーバーを使用しているため、考慮が必要になります。

当社の取り組み

東京エレクトロンデバイスでは、様々なメーカーのアプライアンス製品を取り扱っております。
下記に一部ご紹介します。

  • ファイルサーバーのアプライアンス製品(NAS製品)

    • Dell Technologies PowerScale(Isilon)
      • 約100PBまでを1つのファイルシステムとして構成でき、シンプルな運用管理が出来ることが特徴の製品です。
      • ノードと呼ばれる筐体単位で増設することで必要な性能、容量をスケールアウトすることが出来ます。
      • PowerScale製品については こちら をご確認ください。

    • Dell Technologies Unity
      • 第2回でもご紹介したように単純なストレージとして外部サーバーから接続して利用することができますが、Unityはファイルサーバーのアプライアンス製品としても利用することが出来ます。
      • Unity製品については こちら をご確認ください。

  • バックアップサーバーのアプライアンス製品

    • Rubrik
      • Rubrikはバックアップサーバー機能を備えたアプライアンス製品です。
      • バックアップデータを保存するストレージも内蔵で持っており、重複排除機能によりデータを小さくしてから保存します。
      • Rubrik製品については こちら をご確認ください。

まとめ

今回は特定サービス特化型であるアプライアンスについて解説しました。

本記事のポイント

  • アプライアンスは特定サービスに特化した製品で、サーバーの1つの形態である
  • 汎用サーバー構成と比べて機能面や運用管理面でメリットがある
  • 特定サービス以外の用途には利用できない

引き続き、第4回以降の記事も見て頂けますと幸いです。

次回案内

次回は、「サーバーの仮想化」についてご紹介します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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