サーバークラウドストレージ

(連載)令和時代のサーバー入門
第5回 サーバーの仮想化(その2)

「令和時代のサーバー入門」シリーズではサーバーの基礎から仮想化、クラウドとったサーバーに関わる各テクノロジについて触れていきます。
第5回の本記事ではサーバーの仮想化について、その構成や機能面について解説します。

はじめに

前回に引き続き、「サーバーの仮想化」について記載します。
第5回の本記事では「サーバーの仮想化」の構成および機能について解説します。

 連載記事一覧:
  第1回 サーバー基本の「き」
  第2回 ストレージ基本の「き」
  第3回 アプライアンス
  第4回 サーバーの仮想化(その1)
  第5回 サーバーの仮想化(その2)    ←本記事
  第6回 クラウド利用(その1)
  第7回 クラウド利用(その2)

サーバー仮想化環境の構成

仮想化環境では1台の物理ホストに複数の仮想サーバーを動作させる構造をとるため、物理ホスト障害時の影響範囲が大きくなります。

そのため、本番環境においては物理ホストを2台以上の冗長構成(クラスタ構成)とすることが一般的です。具体的には1台の物理ホストが故障などで停止した場合、他の正常に稼働している物理ホスト上で仮想サーバーが動作するような構成とします。

冗長化はハイパーバイザーの機能として提供されており、冗長化(クラスタ)構成の条件として、共有ストレージが必要になります。
どちらの物理ホストからも仮想サーバーを起動できるように、共有のストレージに仮想サーバーのデータを配置する必要があるためです。

3Tier構成

物理ホストと共有ストレージの接続用のスイッチを構成した次のようなの構成が、サーバー仮想化環境の基本的な構成になります。
物理的な機器としては次の3つの階層となるため、3階層(3Tier)の構成と一般的に呼ばれます。

  • 物理ホスト
  • ストレージ接続用スイッチ
  • 共有ストレージ

CI(コンバージドインフラ)

3Tierの構成はサーバー仮想化環境の基本的な構成として2000年台の普及し始めの時期から確立していましたが、2010年ころから動作確認済の機器構成によるパッケージ製品をベンダーが提供しはじめます。このサーバー仮想化環境のパッケージ構成を一般的にコンバージドインフラ(統合型)と呼びます。
コンバージドインフラは、動作確認済の機器構成にとなるため各メーカー製品間の相性問題などを排除した製品になっています。

HCI(ハイパーコンバージドインフラ)

2014年ころでしょうか、ハイパーコンバージドインフラ(HCI、超統合型)という構成が新たに登場します。いわゆるSDS(Software Defined Storage)技術を利用して物理サーバーのローカルディスクを論理的に共有ストレージとすることで物理的な共有ストレージを排除した構成がHCIと呼ばれます。

現状の主なHCI製品としては、HCIのパイオニアであるNutanix社の製品やVMware社のSDS機能であるvSANを利用したHCI製品が挙げられます。

※ SDSのイメージ

3TierとHCIの比較

サーバー仮想化環境の構成として3Tier、CI、HCIと3つご紹介しました。
それぞれ2024年現在においても普及しており、特に3TierとHCIが多く採用されている印象です。
各々の特徴を鑑みて、要件に応じて適切な構成を選択することが重要になります。

筆者の見解が多分に含まれていますが、HCIと3Tierで次のような特徴があります。

項目

3Tier

HCI

構成

  • 構成の自由度が高い
  • 高いIO性能要件に対応できる
  • サーバー、スイッチ、ストレージの互換性を検討する必要がない
  • 設計が容易

設置スペース

  • 大容量ストレージが必要な場合はラック使用率で優位な可能性が高い
  • ラック使用率が削減できる

増設

  • コンポーネント単位での細かな増設が可能なため、コストが抑えられる傾向にある
  • ノード単位での増設が主なため、計画しやすい

監視

  • サーバーやストレージ単位での監視が必要
  • 単一のコンソールで監視が可能
  • 問い合わせ窓口が一本化できる

バージョンアップ

  • コンポーネントごとにバージョン指定ができるため、自由度が高い
  • 各コンポーネントを一括でアップデートできる

ハイパーバイザーの主要機能

ハイパーバイザーには様々な機能が搭載されていますが、ここでは主要な2つの機能をご紹介します。
括弧内はVMware社の機能名称を記載しておりますが、他のハイパーバイザーでも同等機能が備わっています。

  • ライブマイグレーション(vMotion)
    仮想サーバーを稼働したまま(オンラインのまま)別の物理ホスト上へ移動させる機能です。
    この機能により、物理ホストのメンテナンス時にvMotionで仮想マシンを別ホストに退避させながら、1台ずつメンテナンスすることができます。つまり、仮想サーバーの停止せずに(サービス停止なしに)物理ホストのメンテナンスができます。

  • 高可用性(vSphere HA)
    物理ホスト障害時に自動で仮想サーバーを別ホストで起動させる機能です。
    1台の物理ホスト障害時においても、即座にサービスを継続することができます。
    仮想化環境上のすべての仮想サーバーがHAによる可用性を享受できるため、サーバーの仮想化を促進した1つの大きな機能と考えています。

当社の取り組み

HCI製品として、当社ではNutanix製品を取り扱っております。
Nutanix製品の詳細については、こちら をご確認ください。

また、サーバー(主にDell社製)にPure Storage社製ストレージを組み合わせた3Tier構成のVMware仮想化環境の提案・構築も行っております。
例えば50VM程度の構成例になりますが、次のようなバックアップも含めた3Tier構成の仮想化環境をよくご提案・導入させて頂いています。

作業については、サーバーの調達から仮想化環境をご利用できる状態までの一連の構築作業を実施しております。

そして、仮想化環境のリプレース時に必ず発生する「仮想マシン移行」についても、VMware社が提供する仮想マシン移行機能「Advanced Cross vCenter vMotion」を用いた移行の手順書提供・レクチャによる支援サービスを提供しています。


その他、VMware Aria Operations(旧vRealise Operations)の導入サービス等も提供しておりますので、仮想化環境の新規構築・リプレースをご検討されていましたら、ぜひ当社にお手伝いさせてください。

まとめ

今回はサーバーの仮想化について、その構成や主な機能について解説しました。

本記事のポイント

  • サーバー仮想化環境の構成は、クラスタ構成が基本となる
  • 3Tier、HCIといった構成があり、それぞれ特徴がある
  • 仮想化環境ではライブマイグレーションやHAといった便利な機能が備わっている

引き続き、第6回以降の記事も見て頂けますと幸いです。

次回案内

次回は、「クラウド利用」についてご紹介します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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