Pure Storage FlashArray XLシリーズの詳細

Pure Storage FlashArray製品のXLシリーズの詳細について、ご紹介します。
FlashArrayのモデル
2025年現在、販売されているPure Storage FlashArrayのモデルは、X・XL・C・Eシリーズです。
まずは簡単にそれぞれのモデルの特徴を表にしました。なお、ここでは基準をXシリーズとします。以前のBlogでX、Cシリーズについて、ご紹介させていただきました。今後のBlogで、Eシリーズも詳細にご紹介させていただく予定です。
参考:Xシリーズの詳細
参考:Cシリーズの詳細
FlashArray//XL
2025年現在、販売されているPure Storage FlashArray(FA)//XLは、XL130とXL170の2つのモデルです。XLシリーズは、性能および容量重視のモデルとなり、Xシリーズと比較しても処理速度はより速くなり、かつ、大容量搭載が可能となった、大規模なデータベースやクラウド・ネイティブなアプリケーションなどに最適な、最高の性能を持ったストレージです。
ハードウェア構成
XLシリーズは、19インチラックの5Uを使用します(専用ラックは不要)。
XLシリーズの前面と背面の図を下記に記載します。前面には、DFMD(DirectFlash Modules with Distributed NVRAM)が搭載されています。DFMDは筐体当たり最大40本搭載可能です。「Distributed NVRAM」と記載されているように、各DFMDへNVRAMを分散して搭載するアーキテクチャが採用されています。そのため、XR4シリーズの構成のように独立したNVRAMモジュールは搭載されておりません。(DFMについては、「Xシリーズの詳細」のハードウェア構成の章も参照ください。)
背面には上部に電源モジュール(PSM: Power Supply Module)が4個と、その下にコントローラ(CT: Controller)が2個搭載されています。電源は200V(IEC320-C14 ⇔ IEC320-C13:ラックの電源はC14を使用)で稼働します。CTの中にIOモジュールが搭載可能で、FCやiSCSI通信が可能になります。Slot5には、Direct Compress Accelerator(DCA)と呼ばれる、ソフトウェア圧縮を専用のハードウェアで行い、処理をより高速化するためのモジュールが搭載されています。
なお、それぞれのモジュールは独立しており、例えば1個のPSMが故障しても、残り3個の稼働中のPSMから、2個のCTに電源供給されますので、ストレージが停止する事はありません。
ポート構成
割り振ることのできるポートの一覧や、それぞれの名称は下記のとおりです。
この図は1個のCTの背面図を抜き出したものです。赤い四角で囲われている数値「0~8」が搭載箇所を表しており、それぞれ、Slot0~8と呼ばれます。
XLシリーズで構成可能なポートは、下記表のとおりです。
ETHポートは、追加するNIC(Network Interface Card)を10GBASE-Tに変更して通信することも可能です。
また、Pure Storageでは、ポート名は固定されており変更することはできません。そのため、例えば、Slot7に2ポートのFCのHBA(Host Bus Adapter)を搭載すると、そのポートは左からFC28、FC29と呼ばれます。
XLシリーズは、デフォルトでManagementポートが搭載されていますが、Replicationポートはデフォルトで搭載されていません。
FCでご利用されるか、iSCSIでご利用されるかによって、FCモデルかETHモデルをご選択いただきます。FCモデルとETHモデルの、デフォルトで搭載されているポートは下記のとおりです。
例として、FCモデルのデフォルト(Slot1と8にHBA搭載)に、Slot4にReplicationポートを搭載した、XLシリーズの背面図が下記になります。
容量と消費電力
XLシリーズに搭載できる容量や消費電力は、モデルによって下記の表のとおり違いがあります。
※形式上、小数点以下切り捨てとします。
最後に
今回は、Pure Storage FlashArray XLシリーズについて記載しました。XLシリーズは、XL130とXL170の2つのモデルがあり、柔軟な容量パターンがありますので、性能情報や必要な容量をヒアリングのうえ最適なモデルをご案内させていただきます。今後も、FlashArray、FlashBladeともに関連する内容を、本Blogに記載していきます。