経営リスクを抑えるSaaS統制|Valenceで認可外アプリを一掃する
Microsoft 365やGoogle Workspace、BoxなどのSaaSは、今や企業の経営基盤そのものと言えます。しかし、利便性の裏でユーザーが独断で行う「SaaS間連携によるシャドーIT」は、情報システム部門の管理をすり抜け、重要データへの「永続的な裏口」を作り出します。
従来のネットワーク防御では検知が困難なこの盲点を、SSPM製品「Valence」でいかに可視化し、認可アプリのみが動く「理想的な統制環境」を構築するのか。本記事では、その具体的な手法を解説します。
1. 「知らない」が最大の経営リスクになる時代
社員が「業務を効率化したい」という善意から、数クリックで外部の生成AIサービスや便利なクラウドツールを自社アカウントに連携させるケースが増えています。
このとき、情報システム部門が認知していない場所で、企業の機密データへの アクセス権 が第三者サービスに付与されていることがあります。
しかも、こうした連携は SaaS同士がAPIで直接つながっている ため、従来のネットワーク監視や端末管理だけでは把握が困難です。
これが、現代のセキュリティにおける「見えない裏口」となっています。
上層部が認識すべきビジネスインパクト
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サプライチェーン攻撃の起点
連携先のスタートアップや無料ツールが攻撃を受けた際、そこを足掛かりとして自社の中核データへ不正アクセスされるリスクがあります。 -
コンプライアンスの形骸化
「どのデータが、どの第三者サービスへ流れているか」を説明できない状態では、内部監査や顧客監査において信頼を大きく損ないます。 -
設定の“生き残り”による永続的なリスク
一度許可されたアクセス権(OAuthトークンなど)は、社員がそのツールの利用をやめた後も、明示的に設定を解除しない限り有効なケースが少なくありません。
つまり、「今は使っていないが、アクセス権だけが残っている」状態が、気付かないうちに蓄積していきます。
2. Valenceによる「Integrations Inventory」の可視化
Valence の中核機能である Integrations Inventory は、主要なSaaSに接続されたすべてのサードパーティアプリケーションを一元的に可視化するための機能です。SaaS側の設定情報や統合情報を直接収集・解析することで、隠れた連携も含めて洗い出すことができます。
経営視点で重要な可視化項目
Integrations Inventory では、次のような情報を一覧で確認できます。
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権限の深さ
各アプリケーションが「読み取りのみ」なのか、「読み書き権限」や「管理者相当の権限」まで持っているのかを把握できます。 -
利用実態
最後にいつ利用されたかといったアクティビティ情報から、「事実上使われていないのにアクセス権だけが残っている連携」を特定できます。 -
生成AIサービスの特定
組織のデータにアクセスしている生成AI関連サービスを判別し、最新のテクノロジーに起因するリスクにも対応できます。
これらの情報をもとに、「どのSaaSに、どの外部サービスが、どのレベルの権限で接続しているのか」を 経営レベルで説明可能な形 に整理できる点が、Valence の大きな特長です。
3. 「自動対処ポリシー」によるリスクの抑制と是正
可視化の次に重要となるのが、リスクに対する 実効性のある対処 です。
Valence では、あらかじめ定義した条件に基づき、リスクのある連携を自動で処理する Remediation Policies(是正ポリシー) を作成できます。
ポリシーは、平たく言えば「どのような条件の連携を検出し、どのような手順で通知・確認・遮断するか」を定義したワークフローです。
通知だけを行う 手動運用 から、条件を満たしたものは自動で権限を削除する 全自動運用 まで、段階的に調整できます。
運用例:休眠状態の連携を自動クリーンアップ
長期間利用されていない外部連携は、攻撃対象領域(アタックサーフェス)を広げるだけの存在になりがちです。
Valence では、次のようなワークフローを自動化することができます。
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検知
例として、「最後の利用から 30 日以上経過している外部連携」を自動的に抽出します。 -
ユーザーへの確認(Outreach)
抽出された連携の利用者に対して、チャットやメールで
「このアプリケーションは、現在も業務で必要ですか?」
と自動で確認を行います。 -
自動切断(Revocation)
利用者が「不要」と回答した場合、あるいは一定期間(例:14日間)応答がない場合は、当該連携のアクセス権限を自動的に削除します。
このように、業務部門とコミュニケーションを取りながら、一定のルールのもとでアクセス権を整理していくことで、情報システム部門は膨大な手作業から解放され、より戦略的なガバナンス設計に注力できるようになります。
4. 目指すべきゴール:認可済みアプリのみのセキュアな環境
SSPM 運用の最終的な目標は、「情報システム部門が安全性を確認し、認可したアプリケーションのみがSaaSに接続されている状態」 を維持することだと考えています。
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「どこの誰が作ったのか分からないアプリ」をゼロに近づけること
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本当に業務に必要なツールだけをホワイトリストとして管理すること
これらを継続的に実現できれば、SaaS の利便性を損なうことなく、強固なガバナンスを確立できます。
理想的な環境へのステップ
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現状の全体像を把握する
Valence の Integrations Inventory を用いて、「今、誰が、どのSaaSに、何をつないでいるのか」をまずは洗い出します。 -
精査とポリシー策定
業務上の必要性とセキュリティ基準を照らし合わせ、不要なアプリケーションを整理しつつ、どの条件で自動クリーンアップを行うかといったポリシーを設計します。 -
継続的な監視と是正
未認可アプリが新たに接続された場合でも、検知・対処できるサイクルを構築し、クリーンな状態を継続的に維持します。
まとめ:攻めのデジタル経営を支える“守り”の一手
シャドーITを力ずくで抑え込むのではなく、Valence のようなツールで 正しく見える化し、自動で整理する仕組みを持つこと が重要だと考えています。
設定の「内側」からリスクを常時監視し、インシデントが顕在化する前に手を打つ。これが、企業の信頼を守り抜くための次世代セキュリティのスタンダードになっていくはずです。
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本記事では、SaaS 連携によるシャドーITがもたらす経営リスクと、その対策としての Valence 活用イメージをご紹介いたしました。
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