ストレージ

Everpure(旧:Pure Storage)のDFMについて

Everpure(旧:Pure Storage)のDFMについて、その機能や独自性をご紹介します。

はじめに

企業のストレージには、「限られた設置スペースでより多くのデータを保存したい」、「安定した性能を維持しながら長期間運用したい」といったニーズがあります。一般的な多くのストレージには、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)が搭載されていますが、Everpure社製品のFlashArray(FA)およびFlashBlade(FB)には、独自のフラッシュモジュールであるDFM(DirectFlash Module)が採用されています。DFMは、一般的なSSDとは異なる設計思想に基づいて開発されたコンポーネントであり、Everpure社のストレージアーキテクチャを支える中核技術の一つです。本ブログでは、DFMがもたらす価値や、その価値を支える仕組みについて、一般的なSSDとの違いを交えながらご紹介します。

DFMが実現する3つの価値

DFMは、Everpureストレージの中核となるコンポーネントとして、高性能・高密度・長寿命を実現しています。これらは、Purity OS(Operating System)とDirectFlashアーキテクチャによって支えられており、お客様のストレージ運用にさまざまなメリットをもたらします。

・ 高性能:安定した低レイテンシと高い処理性能を提供します

・ 高密度:限られたラックスペースでも大容量のストレージ環境が構築可能で、2026年8月現在では1本あたり最大300TBの物理容量を提供します

・ 長寿命:障害発生率が低く、長期間にわたり安定したストレージ運用を実現します

このようにDFMは、高性能・高密度・長寿命という特長によって、データの集約や安定した運用に貢献しています。これらの価値を実現する背景には、一般的なSSDとは異なる設計思想があります。これらの価値を実現している理由を説明するにあたり、まずは一般的なSSDの仕組みをご紹介します。

一般的なストレージSSDの仕組み

一般的なSSDは、ホストから見える論理アドレスと、NANDフラッシュ上の実際の保存場所との差をSSD内部のコントローラとFTL(Flash Translation Layer)で管理しながらデータを保存するデバイスです。OSやアプリケーションはLBA(Logical Block Addressing)に対して読み書きを指示するだけでよく、NANDフラッシュへのデータ配置や管理処理はSSD内部で実施されます。SSD内部には、NANDフラッシュを制御するための専用コントローラやメモリが搭載されており、SSD単体でフラッシュ管理を完結できる設計になっています。この構成により、SSDはホストからは一般的なブロックデバイスとして利用できます。一方で、各SSDが独立してフラッシュ管理を行うため、ストレージOSからSSD内部の状態を把握・制御することはできず、アレイ全体を一つのフラッシュリソースとして最適化することには限界があります。 また、SSDの大容量化が進むにつれて、1台のSSDが管理するフラッシュ領域も増加します。そのため、大容量SSDを実現するには、SSD内部の限られたコントローラやメモリで、より多くのフラッシュ領域を管理する必要があり、内部管理リソースの確保も課題の一つとなります。

一般的なストレージSSDの仕組み

DFMの仕組み

DFMが開発された背景の一つには、SSD内部で完結していたフラッシュ管理をストレージOS側へ集約し、アレイ全体で最適化するという考えがあります。DFM自体にはデータを保存するNANDフラッシュが搭載されていますが、一般的なSSDのように各モジュール内部へ専用コントローラや大容量メモリを搭載し、個別にフラッシュ管理を行う設計ではありません。代わりに、ストレージコントローラ上で動作するPurity OSが、DFM上のNANDフラッシュを直接管理します。Purity OSは複数のDFMを一つのフラッシュリソースとして管理し、ストレージコントローラ側のCPUやメモリリソースを活用することで、アレイ全体のデータ配置やフラッシュ利用を最適化します。DFMでは、フラッシュ管理をストレージコントローラ側でグローバルに実施できるため、GC(Garbage Collection)やウェアレベリングを個々のDFM単位ではなく、複数のDFMで最適化できます。Purity OSはホストI/Oを考慮したGC処理を行うため、高負荷時にGC処理がホストI/Oへ与える影響を抑え、レイテンシスパイクを抑制する設計となっています。また、アレイ内のDFMに対してグローバルにウェアレベリングを行い、アレイのインライン重複排除とも連携することで、NANDフラッシュを効率的に活用するとともに、NANDフラッシュの消耗を均一化します。これにより、モジュール内部の実装をシンプルに保ちながら、大容量かつ高密度なフラッシュモジュールを実現しています。また、アレイ全体の利用状況に応じてデータ配置を最適化することで、安定した性能と長期間にわたる信頼性の高い運用にも貢献します。

DFMの仕組み

DFMを支えるNVRAMの役割

DFMの説明に関連して、ここではEverpureのデータ保護を支えるコンポーネントのひとつであるNVRAMの役割についても簡単にご紹介します。例えばFAのXシリーズでは、R5シリーズ以降、NVRAMを専用コンポーネントとして持つのではなく、各DFMに分散して搭載する方式が採用されました。このDFMをDFMD(DirectFlash Modules with Distributed NVRAM)と呼びます。NVRAMは、ホストから受け取った書き込みデータを冗長化して一時的に保持し、電源断などの障害が発生した場合でもデータを保護するための仕組みです。保持されたデータは、その後DFMD上のフラッシュ領域へ反映されます。このようにNVRAMは、データを長期間保存するための領域ではなく、書き込みデータを安全に受け止めるための保護機構として機能します。ホストからの書き込みは、まずNVRAM上で冗長化して保護された段階でACKを返し、DFMD上のフラッシュ領域への反映完了を待たずに応答できます。これにより、書き込み性能を確保しながら、障害発生時のデータ保護も両立しています。

DFMを支えるNVRAMの役割

用途に応じて選べるDFM

DFMは、容量や製品シリーズに応じて、いくつか種類が存在します。主にFA//Xシリーズで使われるDFMは、TLC(Triple-Level Cell)で、主にFA//Cシリーズで使われるDFMはQLC(Quad-Level Cell)となっています。モデルごとに搭載可能なDisk種別がありますので、詳細な各モデルの容量構成については、当社へお問い合わせいただくか、下記それぞれのモデルのブログをご確認ください。

参考:FlashArray XR5シリーズの詳細

参考:FlashArray CR5シリーズの詳細

参考:FlashArray XLR5シリーズの詳細

参考:FlashArray Eシリーズの詳細

参考:FlashBlade Sシリーズの詳細

参考:FlashBlade Eシリーズの詳細

参考:FlashBlade ZMTの詳細

最後に

今回は、Everpure(旧:Pure Storage)社のDFMについてご紹介しました。DFMがDirectFlashアーキテクチャを支える中核技術であり、Purity OSによるアレイ全体のフラッシュ管理を通じて、高性能・高密度・長寿命を実現し、お客様のストレージ運用に貢献していることが伝われば幸いです。

 

※ Everpure、Pure Storage、および本ページに記載されている製品名・サービス名は、Everpure, Inc. の商標または登録商標です。

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