導入事例

さくらインターネット株式会社 様

情報・通信

最先端のデータセンターサービスを支える高速/高信頼のネットワークスイッチ

加藤 直人 氏

開発部 開発第一チーム
マネージャー
加藤 直人 氏

上山 純一 氏

開発部 開発第一チーム
上山 純一 氏

さくらインターネット株式会社様

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国内最高水準の高効率データセンター

さくらインターネットは、「どこより低価格で、どこよりも高品質なサービスを提供したい」という理念を掲げてデータセンターサービスを提供するインターネットサービスプロバイダです。同社が北海道石狩市に建設した石狩データセンターは、北海道の寒冷な気候を活かした外気冷房を前提とした設計で電力効率を大幅に改善し、国内最高水準となるPUE 1.0x台を達成するなどの実績を挙げた最先端の設備。ここでは、同社が顧客向けに提供する各種のインターネットサービスを実現するためのシステムが稼働し、アリスタネットワークスのフラッグシップモデルであるArista 7500シリーズ(Arista 7508E)を日本国内で初めて導入することとなりました。

サービスネットワークの統合

さくらインターネットでは、“コロケーション”と“ホスティング”の両方のサービスを提供、さらにホスティングでは「専用サーバサービス」「仮想サーバサービス」「レンタルサーバサービス」が用意されています。従来は「専用サーバサービス」と「仮想サーバサービス(VPS)」はそれぞれ独立したネットワークとなっていましたが、石狩データセンターの二号棟が竣工するタイミングでネットワークの設計変更が行なわれ、大型のシャーシ型スイッチで「専用サーバサービス」とVPSの両方をカバーする新しいアーキテクチャへの移行が行なわれました。このために選ばれたのがArista 7508Eです。

信頼性と使いやすさを評価

日本国内では初の導入となる最上位モデルのArista 7508Eについて、同社の開発部 開発第一チーム リーダーの上山 純一氏は、「特別な不安や心配はなかった」と語っています。以前の構成のネットワークでは、VPSのためのネットワークのスイッチとしてアリスタネットワークスのスイッチ(Arista 7050T)が採用されており、そこでの運用実績が満足できるものだったためでした。さらに、コマンドラインインターフェイスによる運用設定管理の使いやすさや、競合他社製品にありがちな「ベンダーロックイン」に繋がる機能がなく、オープンな標準ベースの機能が用意されていることや、将来の規模拡大を見越した際の拡張性の余裕なども評価のポイントとなったそうです。

ネットワークの大規模化

同社の開発部 開発第一チーム マネージャーの加藤 直人氏は、今回のネットワークの構成変更について「セグメントという概念自体を排除した」と説明しています。従来のネットワークでは、ラック毎にトップオブラック・スイッチを置き、それをセグメント単位で集約する上位スイッチを置く、という多階層構造になっていましたが、今回の構成変更によってセグメント単位の集約スイッチは排除され、Arista 7508Eに集約する形で階層を減らしています。これによってスイッチの台数も減り、セグメント毎に分割されたネットワークではなくフラットで大規模なL2ネットワークの上に「専用サーバサービス」とVPSの2種類のサービスが混在提供される形になりました。大規模なL2フラットネットワークの利点は仮想化やSDNとの関連で最近注目されていますが、ネットワークが大規模化し、接続ノード数が増えることでスイッチの拡張性が重要になります。たとえば、保持できるMACアドレス数などの上限が低い製品ではこうした構成に対応できないにもかかわらず、アリスタネットワークスの製品では充分な規模の拡張性が保障されており、こうした点も評価の対象となっています。

(図)ネットワーク構成図

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成長を続けるサービス

さくらインターネットのサービスは順調に発展を続けています。国内でも最高レベルの効率を達成すると同時に規模面でも国内最大規模の郊外型データセンターとして建設された石狩データセンターですが、2013年秋には2号棟がオープンし、サーバールーム床面積はほぼ倍増する形になっています。専用サービスとVPSを合わせたホスト数は取材時点では約5万ホストくらいとのことでしたが、現在の成長ペースからすると現在のシステムで対応できるのは約1年ほどで、その先は更なる拡張が必要になりそうです。

 次のネットワーク拡張に関して現時点で明確なプランが固まっているわけではないものの、上山氏は「基本的なアーキテクチャは変更せずに現状のままとし、増加するホスト数を収容できるようにアリスタネットワークスのスイッチを増設する形で対応したい」と語っています。さらに、機能面では今後のユーザーニーズなどをにらみつつ、上位レイヤーのサービスとして新たにSDNやVXLANの機能を活用することも検討しているといいます。アリスタネットワークスでは、最新の機能についてもオープンな標準ベースで実装し、安定性/信頼性に優れたLinuxベースのネットワークOS上で稼働させるというアプローチを採ることから、ベンダーロックインを回避しつつ最新機能を安定稼働させることが出来ます。この点についても既に導入済みの機器で実証されたからこその今回の日本国内初のArista 7508Eの導入であり、さらには今後の拡張に関してもアーキテクチャを維持したまま規模面での拡大だけで対応可能と考えられることの根拠となっています。

アリスタへの要望

加藤氏と上山氏からは、アリスタネットワークス製品に関する要望事項についても伺いました。まずは、「ドキュメントの整備」だそうです。豊富な機能やAPI群が提供される一方で、ドキュメントの整備が追いついていない部分もあるとのことで、この点に関しては段階的に対応が進んでいる状況です。さらに、製品仕様面では1Gbps Ethernetポートを中心としたトップオブラック・スイッチへの要望も聞かれました。アリスタネットワークスではこれまで最新仕様への対応を優先し、10G/40Gといった高速規格のサポートに注力してきましたが、一方でさくらインターネットのような大量のサーバーを接続する用途では、サーバー側のインターフェースが現時点ではまだ1Gbpsが主流であり、さらにサーバーの用途によっては今後も当面は1Gbpsのままで充分という場合も少なくないという事情によるものでした。アリスタネットワークスでもこうしたユーザーのニーズを把握し、製品としてもArista 7048T-Aなど、データセンタークラスのギガビットスイッチ製品がリリースされています。まさにさくらインターネットのようなニーズに対応する製品が出てきているので、今後はトップオブラック・スイッチから上位の集約スイッチまで、アリスタネットワークスのスイッチで揃えることも可能になります。

 オープンな標準規格に準拠したアリスタネットワークス製品の場合、他社製品と混在利用されるマルチベンダー環境でも問題ない一方、信頼性や安定性、使いやすさを評価するユーザーから求められた場合でも1Gbps Ethernetで充分という環境で使うための製品の投入が後回しになっていたことで結果的に需要に応えられない状況も生じていました。このニーズに対応する製品ラインアップの拡充が始まったことでこうしたギャップも埋まり、これまで以上に広範なユーザーニーズに対応することが出来るようになっていくと期待されます。

お客様プロフィール

会社名
さくらインターネット株式会社
本社所在地
大阪市中央区南本町1丁目8番14号
設立
1999年
WEBサイト
http://www.sakura.ad.jp/
さくらインターネット株式会社様

日本のインターネット黎明期よりホスティングサーバーの提供を行っている国内最大手の老舗。国内最大級の大容量・高速バックボーンを誇る自社運営データセンターを活かして、レンタルサーバー、専用サーバー、ドメイン、インターネット接続サービスを提供しています。

※写真は石狩データセンター

記事は 2014年05月 取材・掲載のものです。

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