金融・保険
ハイパーコンバージドインフラ「Nutanix」とネットワーク制御プラットフォーム「BIG-IP」採用により
セキュアで、可用性の高いシステムを短期間で構築
お客様の課題
TEDのソリューション
カブドットコム証券株式会社
事務・システム本部
システム部 基盤技術課
早瀬 博紀氏
カブドットコム証券株式会社では、新システムの構築にあたり、東京エレクトロンデバイスの提案する仮想化基盤を導入しました。ハイパーコンバージドインフラストラクチャとネットワーク制御プラットフォームを活用し、東京エレクトロンデバイスの構築支援と一元的なサポートのもと、セキュアでシンプルな、安定したシステムを短期間で構築しました。
カブドットコム証券は、「顧客投資成績重視の経営」を経営理念に掲げ、経営態勢の構築やサービスの拡充などに努めています。ネット証券会社である同社では、お客様の安全・安心なお取引にも注力しています。お客様の大切な情報を取り扱うため、厳しい
セキュリティ要件のもとで、システムを構築・運用しています。
「今回、新たに構築したシステムもお客様の情報を取り扱うということで、
まずセキュリティが要件となりました。もちろん、停止してはならないシステムですので、可用性の高さ、システムの冗長化なども大切な要件でした」(早瀬氏)
新システムは、既存のシステムとは切り離した形で構築するため、ネットワークも含めて、新規に基盤の選定が行われました。システムは仮想化することを基本として、
スケジュールやコストなども要件となりました。
「当社では、仮想化によるシステムの集約、統合を進めています。極力、物理を廃して仮想化することで運用・管理をしやすくするとともに、将来的な拡張にも素早く対応できるシステム構築を心掛けています」(早瀬氏)
複数社からの提案を検討し、同社が採用したのが東京エレクトロンデバイスの提案です。ニュータニックス社のハイパーコンバージドインフラストラクチャ「Nutanix Virtual Computing Platform NX-1000シリーズ(以下、Nutanix)」を中心として、L2スイッチにはArista社のボックス型ギガビットイーサネットスイッチ「Arista 7150」、
バックアップアプライアンスとしてEMCの「DataDomain DD2200」を用いて、新たなシステムを構築するという提案です。
基盤の選定においては、他にもハイパーコンバージドインフラ型の仮想化基盤を提案したところもありましたが、その中から東京エレクトロンデバイスの提案が選ばれました。
「スケジュール的に厳しいところもありましたので、素早く対応してもらえる点と、コストパフォーマンスの高さが、東京エレクトロンデバイスの提案を採用した大きな理由です。加えて、過去にも製品の導入実績があり、安心してお任せできると考えました」(早瀬氏)
東京エレクトロンデバイスが扱うNutanixは、サーバーとストレージを結合し、ハイパーバイザーをバンドルした、ハイパーコンバージドインフラ型の仮想化基盤プラットフォームです。仮想化基盤上には、F5ネットワークス社の「BIG-IP LTM/AFM(Better Bundle)」の仮想アプライアンス版を冗長化して導入しています。BIG-IP LTM(Local Traffic Manager)は、ネットワークパフォーマンスを最大化するロードバランシングおよびルーティング機能やデータの暗号化を提供し、AFM(Advanced Firewall Manager)はアクセス制限やなどのファイアウォール機能を提供します。
機器や接続の冗長化により可用性を高め、BIG-IP LTM/AFMによりセキュリティ面も強化。EMCの「DataDomain DD2200」で、暗号化したデータを、設定されたスケジュール通りにバックアップするという構成です。
「ハイパーコンバージドインフラのメリットは、構成を把握しやすいことです。シンプルで管理しやすく、特にシステムの移転なども多い当社には適したソリューションです」(早瀬氏)
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東京エレクトロンデバイスでは、今回のプロジェクトを積極的に支援し、設計から検証、構築まで、手厚いサポートを行いました。
「短期間での構築ということでさまざまな要望を挙げましたが、柔軟に対応してくれました。ハイパーコンバージドのシステム導入は初めてでしたので不安もありましたが、手厚いサポートでスケジュール通りに構築は完了しました」(早瀬氏)
システムの構築完了後は、大きな問題もなく、安定して稼働しています。バックアップも含め、運用には特に手の掛かるところはなく、素早くシステムを軌道に乗せることができました。なお、運用に入ってからの保守・サポートについても、東京エレクトロンデバイスが一元的に窓口として対応を行っています。
「これまでに故障やトラブルなどはありませんが、万一の際には東京エレクトロンデバイスに連絡すれば対応してもらえますので安心感があります。何か起こるたびに各機器のベンダーに連絡しなければならないのは面倒ですので、窓口の一本化は助かります」(早瀬氏)
今回の構築を成功させたカブドットコム証券では、今後もさまざまなシステム構築において仮想化を進めるとともに、ハイパーコンバージドインフラストラクチャの導入も検討していきます。
「まずはこの新システムが安定して稼働し続けることが第一です。Nutanixのような仮想基盤でかつシンプルな構成は、今後も求められていくと思いますので、東京エレクトロンデバイスにはさまざまな提案を期待しています」(早瀬氏)
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記事は 2016年05月 取材・掲載のものです。