仮想化環境に適したI/O技術「FCoE/CEE」の有効性を検証 | 東京エレクトロンデバイス

技術解説

仮想化環境に適したI/O技術「FCoE/CEE」の有効性を検証

I/O統合技術「FCoE/CEE」の背景

データセンターを中心に、仮想化技術を利用してサーバーの統合化を図る動きが広がっています。その一方で課題となっているのが、I/Oチャネル、サーバー間やストレージとの通信のためのI/O負荷です。仮想化することにより増えるI/Oがシステム負荷を大幅に増大させ、ボトルネックになりかねません。
また用途の多様化やトラフィックの増加で煩雑になっているネットワーク管理の負荷やコストの肥大化も問題になります。
こうしたI/Oチャネルの統合を実現する新しい技術として注目を集めているのが、イーサネット上にファイバーチャネルを通すプロトコル FCoE(Fibre Channel over Ethernet)」と、信頼性の高いデータ転送を10Gイーサネットで実現する拡張イーサネット技術「CEE(Converged Enhanced Ethernet)」です。
FCoE/CEEを使用することで、統合されたネットワークにおいて従来のEthernetプロトコルのみならず、システム負荷の極めて低いFibre Channelプロトコルを使用することが出来ます。また、ネットワークが統合されることで、管理の簡素化、システムのコスト削減も可能となります。

FCoE/CEEとNASのI/O負荷比較検証

東京エレクトロンデバイスでは、このFCoE/CEEがI/Oチャネル統合の技術として適しているかを、仮想サーバーの下にFCoE/CEE環境と NAS環境(NFSプロトコル)を構築し、それぞれの環境での仮想サーバーのCPU使用率を比較する形で検証しました。CPU使用率を係数として利用したのは、仮想サーバー環境の下では1台の物理サーバー上に複数台の仮想マシンが稼働し、I/Oアクセスで見ると大量のデータ処理をしつつ同時にプロトコルスタック処理を行うことになり、そのオーバーヘッド処理などがCPUの負荷として現れるからです。I/O負荷ツールとしてI/O Meterを使用し、データのサイズは1Kから8Kまで4点をサンプルし、それぞれについてトータルI/O速度、トータルCPU使用率、VMware ESXサーバーのCPU使用率をそれぞれ取得しました。
具体的な評価環境は図1のとおりです。
評価環境の図

比較検証の評価

検証の結果、図2のグラフでも明らかなように、FCoE/CEE環境でのCPU使用率はゲストOSが2台の環境においても、NAS環境のほぼ半分にとどまっています。これは、FCoE/CEEを採用することでI/OアクセスのCPU負荷は大幅に軽減でき、同一スペックのハードウエアを使用した場合には、1台の物理サーバーにより多くの仮想マシンを搭載できることを意味しています。
FCoE/NFS比較検証
今回の検証環境では標準のVirtual Switchを使用しており、vSphere 4で追加されたFC(SCSI)通信時のCPU使用率を軽減する準仮想化SCSIコントローラ(PVSCSI)は使用していません。この最新機能を適用しない場合でも、NFSプロトコルによるI/Oアクセス手法に比べて、FCoE/CEE技術がより有効であることを確認できる結果が得られました。
FCoE/CEEはサーバー仮想化環境のI/O統合によって、現在、データセンターが直面している仮想化の課題を解決に導く有効な技術として、大きな可能性を秘めていると考えられます。

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