Arista underlay構成時の設定簡素化に関する機能について
今回はVXLAN EVPNのunderlayを構成する場合のIPアドレスの設計についてお話します。一般的には物理ポートごとにIPアドレスを設定する必要があります。今回underlayの構成で物理ポートにIPアドレスを設定することなく既に割り当てられているIPv6のリンクローカルを使用してBGPのピアを構成する方法についてご紹介します。また、Spine側で有効なBGP listen range機能についてもご紹介します。
今回、underlayを構成する際のIPアドレスの設定と管理を簡素化する機能をご紹介します。また、Spine側のBGP listen range機能についても合わせてご紹介します。
一般的にunderlayを構成する際、物理ポートごとにIPアドレスが必要になります。スイッチの台数が多ければそれだけIPアドレスの設定や管理も必要になりますが、今回の機能を使用すればunderlayを簡単に構成することが可能になります。
underlay構成の特徴
まず、IPv6のリンクローカルを使用したBGPのピア確立について、RFC 5549で定義されており、以下の特徴を持っています。
BGP IPv6 link localを使用したピアの確立
lIPv6 peer経由でIPv4の情報を送れる
設定簡素化 各物理ポートへのIPアドレスの設定は不要
以下のように構成すれば自動的にIPv6のリンクローカルアドレスが割り当てられます。
物理ポート上でIPv6を有効化、IPv6のユニキャストルーティングを有効化すれば自動的にIPv6アドレスのリンクローカルアドレスは割り当てられます。
BGP側ではIPv6を通してIPv4のアップデートを行う設定等とピアについては対象ポートを指定するだけになります。
Leafの設定例
#interface Ethernet1
#no switchport
#ipv6 enable
#ip routing ipv6 interfaces
#ipv6 unicast-routing
#router bgp xxxxx
#bgp default ipv4-unicast transport ipv6
#neighbor v6peer peer group
#neighbor v6peer maximum-routes 12000
#neighbor interface Et1 peer-group v6peer remote-as 65000
#address-family ipv4
#neighbor v6peer next-hop address-family ipv6 originate
また、Spine側でBGP listen range機能を使用すれば、Leaf増設時等にSpine側に新しく設定を追加する必要がありません。
BGP listen rangeでは以下の特徴を持っています。
BGP listen rangeを使用したピアの確立
設定簡素化 Spine側のピアやASの設定は不要
以下の設定ようにASの範囲を指定して、IPv6のリンクローカルアドレスを使用すれば、このSpineに新しくBGPの設定を入れる必要がありません。
#peer-filter allowpeer
#10 match as-range xxxxx-xxxxx result accept
#router bgp xxxxx
#bgp listen range fe80::/10 peer-group v6peer peer-filter allowpeer
両方の機能を使用する場合のLeafとSpineの設定例)を以下に記載します。
Leaf設定例)
#interface Ethernet1
#no switchport
#ipv6 enable
#ip routing ipv6 interfaces
#ipv6 unicast-routing
#router bgp xxxxx
#bgp default ipv4-unicast transport ipv6
#neighbor v6peer peer group
#neighbor v6peer maximum-routes 12000
#neighbor interface Et1 peer-group v6peer remote-as 65000
#address-family ipv4
#neighbor v6peer next-hop address-family ipv6 originate
Spine設定例)
#interface Ethernet1
#no switchport
#ipv6 enable
#ip routing ipv6 interfaces
#ipv6 unicast-routing
#peer-filter allowpeer
#10 match as-range xxxxx-xxxxx result accept
#router bgp xxxxx
#bgp default ipv4-unicast transport ipv6
#bgp listen range fe80::/10 peer-group v6peer peer-filter allowpeer
#neighbor v6peer peer group
#neighbor v6peer maximum-routes 12000
#address-family ipv4
#bgp next-hop address-family ipv6
今回はunderlayを構成する際の設定簡素化についてご紹介しました。
IPアドレス等の設計や管理の工数削減にも繋がりますのでご参考いただければと思います。
本内容は、Arista社のドキュメント等より情報を抜粋し東京エレクトロンデバイスにて記事としてまとめたものとなります。