Pure Storage FlashArray RC20のリリース

Pure Storage FlashArray(FA)製品のRC20がリリースされたので、ご紹介します。
FlashArrayのモデル
2025年現在、販売されているPure Storage FlashArrayのモデルは、X・XL・C・Eシリーズです。
以前のブログでX・C・XLシリーズについて、ご紹介いたしました。今後のブログで、Eシリーズも詳細にご紹介予定ですが、今回はリリースされた直後のRC20についてご紹介します。
参考:Xシリーズの詳細:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p57997/
参考:Cシリーズの詳細:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p58560/
参考:XLシリーズの詳細:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p58839/
FlashArray//C20のEoS
下記のブログでご紹介した、FlashArray//C20は販売終了(EoS:End of Sale)となり、FlashArray//RC20というモデルがリリースされました。
参考:Pure Storage FlashArray C20のリリース:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p60606/
FlashArray//RC20
FlashArray(FA)//RC20は、2025年4月にリリースされました。RC20のRは、RenewのRとなります。RC20は、導入しやすい低価格でありながら、オールフラッシュで100TB以上の容量を有するストレージです。FA製品の特長である、シンプル性・高可用性・高信頼性を要しながら、エントリーレベルの容量や性能を満たすことができます。レプリケーション機能やNAS機能(FA-File)などの追加機能も、ほかのモデル同様にライセンスフリーでご利用いただけます。RC20は、本番環境におけるプライマリーストレージ向けの位置づけではなく、バックアップ、ファイルサーバ、低負荷アプリケーション向けでの利用が想定されている、例えばROBO(Remote Office / Branch Office)環境などに適したFA製品となり、従来のC20と同等のパフォーマンスとなります。また、RC20はPurityバージョン v6.8.5以上で稼働します。
ハードウェア構成
RC20は、19インチラックの3Uを使用します(専用ラックは不要)。
RC20の前面と背面の図を下記に記載します。RC20では、XやCR4シリーズと同じChassis(筐体)を使用します。前面には、DFMc(DirectFlash Module、末尾のcはCモデル用であることを表現)と呼ばれるPure Storage社独自設計のNVMe対応のフラッシュ・モジュールが搭載されています。筐体自体は20本分のDFMcを搭載できるつくりとなっていますが、容量の制限から、RC20で搭載できるDFMcは筐体当たり最小で8本、最大で14本となります。RC20のDFMcは、XLシリーズにてご紹介したDFMD(DirectFlash Module Distributed NVRAM)の機能を有しており、各DFMへNVRAMを分散して搭載するアーキテクチャが採用されています。そのため、XR4やCR4シリーズの構成のように独立したNVRAMモジュールは搭載されておらず、前面にはDFMcが搭載されるのみとなります。(参考:XLシリーズの詳細:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p58839/)。
※下記の図ではNVRAMが左から2個搭載されているように見えていますが、作成ツール都合上の問題となりますので、実際には右側の2個のようにNVRAMにはNVRAM BLANKと記載された蓋のようなものが搭載されます。
背面には左に電源モジュール(PSM: Power Supply Module)が2個と、コントローラ(CT: Controller)が2個搭載されています。CTの中にIOモジュールが搭載可能となり、FCやiSCSI通信が可能になります。RC20のCTは、デフォルトで搭載されるManagementポートが左下に、ReplicationポートとiSCSIポートが右側に搭載されています。これは、CR4シリーズやC20と異なる外観で、これまでXR3モデルなどで使用されていたCTと同様の背面イメージとなります。
電源は200V(IEC320-C14 ⇔ IEC320-C13:ラック側の電源はIEC320-C14を使用する形)で稼働します。なお、通常のRC20モデルは200Vで稼働しますが、RC20-LL(Low-Line)と呼ばれる100V(NEMA 5-15P ⇔ IEC320-C13:ラック側の電源はNEMA 5-15Pを使用する形)電源で稼働できるモデルがRC20には用意されています。ご利用の電源環境が100Vの場合、このモデルを選択いただくことで、100V環境下でRC20をご利用いただくことが可能です。
それぞれのモジュールは独立しており、例えば1個のPSMが故障しても、もう1個の稼働中のPSMから、2個のCTに電源供給されますので、ストレージが停止する事はありません。
ポート構成
割り振ることのできるポートの一覧や、それぞれの名称は下記のとおりです。
この図は1個のCTの背面図を抜き出したもので、グレーの四角で囲われているSlot0~3が搭載箇所を表しています。
RC20で構成可能なポートは、下記表のとおりです。
RC20では、デフォルト構成がオンボードのETH4/5を使用する、iSCSIモデルのみとなります(10G SFP搭載)。HBA(Host Bus Adapter)を追加することで、FCもご利用いただくことが可能です。
ETHポートは、追加するNIC(Network Interface Card)を10GBASE-Tに変更して、通信することも可能です。
また、Pure Storageでは、ポート名は固定されており、変更することはできません。そのため、例えば、Slot0に2ポートのFCのHBAを搭載すると、そのポートは左からFC0とFC1と呼ばれるポートになります。
例として、Slot0にFCを4ポート、Slot2にiSCSIを2ポート搭載した場合の、RC20の背面図が下記になります。
容量と消費電力
RC20の搭載できる容量や消費電力は、下記の表のとおりです。
※形式上、小数点以下切り捨てとします。
その他の仕様や注意点
・ Evergreen//Foreverはサポートしていません。
参考:Pure Storage製品の保守プログラム Evergreen Storage:https://cn.teldevice.co.jp/blog/p62605/
最後に
今回は、Pure Storage FlashArray RC20について、記載しました。今後EシリーズやFlashBlade製品についても、ご紹介予定です。