WAFの運用が変わる!?金融庁要請で見えたF5 XC AI-powered WAFの必要性
本記事は、2026年6月時点の内容をもとに記載したブログです。
金融庁が2026年5月に公表したAI脅威対応要請をもとに、短期的に求められる対策をわかりやすく解説。
F5 Distributed Cloud Services(F5 XC)のWAAPとAI-powered WAFで実現できる多層防御を紹介します。
はじめに
こんにちは あつふみです。
今回は、2026年5月に金融庁が公表した「フロンティアAIによる脅威変化を踏まえた金融機関等の短期的な対応」を説明しつつ、F5のソリューションである F5 Distributed Cloud Services(F5 XC)のAI-powered WAFで、どのような対策が考えられるのかをわかりやすくご紹介します。
ぜひ、最後までご一読ください!
金融庁のAI脅威対応要請
2026年5月、金融庁は「フロンティアAIによる脅威変化を踏まえた金融機関等の短期的な対応」を公表しました。
https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522-5/01.pdf
これは、金融庁・日本銀行が、フロンティアAIの進展でサイバー攻撃の速度・規模が拡大することを前提に、金融機関へ短期対応を要請した文書です。
簡単に言ってしまうと、
AIによって脆弱性の大量発見や、発見から攻撃までの時間が短縮されるから、迅速に対応できる体制を整えてください
といった内容です。
文書の中では、短期的な対応として、「経営トップ主導で全社課題として扱うこと」、「優先的に守るべき重要サービスやITシステムを特定すること」、さらに「人的リソースを追加しつつパッチ適用プロセスをリスクベースで見直すこと」などが挙げられていました。
その中でも「パッチ適用以外の対策の強化」も短期的に速やかに対応するべき事項として記載されています。
これはAnthropic社が公表したClaude Mythos PreviewのようなフロンティアAIの登場によって、「脆弱性の発見から攻撃までが速くなること」、「パッチ対応の猶予が短くなること」を前提とした対応です。
つまり従来のようなスピード感でパッチ適用の対応をしていては、間に合わないケースが増えていくから、パッチ適用できるまでの期間の対策も考えてくださいということです。
パッチ適用以外の対策の強化
では、具体的に「パッチ適用以外の対策の強化」はどう対応するのかというと、次のように記載されています。
“優先的に対応すべきサービス/IT システムにおいて、パッチ適用そのものが困難である場合や、
パッチ適用に要する期間の短縮が困難である場合には、早期に効果が期待できる
クラウド型のウェブアプリケーション防御機能(WAF:Web Application Firewall)等を
用いた仮想パッチの適用やボット対策の導入等、多層防御の強化を図る必要がある。”
つまり、パッチ適用ができるまでの期間は、クラウド型のWAAPソリューション等(仮想パッチ)で守ろうという考え方です。
※なお、文書ではネットワーク分離の実施、特権 ID への多要素認証の導入、端末における不正検知・対応機能(EDR)の対策を取ることも記載されていますが、本ブログでは割愛いたします。
F5 XC WAPとAI搭載WAF
F5 XC WAAP
では、「仮想パッチ」になりうる有効なソリューションは何でしょうか。
当社が扱っている製品の中だとF5 Distributed Cloud Services(F5 XC)になります。
その理由は、WAF単体ではなく、複数の防御機能(多層防御)を持っていることです。
F5 XC WAAPは次世代WAFの機能に加えて、API security、Bot対策、DDoS Mitigation機能を持っています。
これらの機能を1つのPlatformで提供しており、複数のセキュリティ機能をまとめて管理できることからも適したソリューションだと言えるのではないでしょうか。
F5 XC WAAPの詳細ついてはこちら
https://cn.teldevice.co.jp/column/40010/
AI搭載WAF
AI powered WAF(AI Powered Risk Scoring)は、2026年3月にF5 XC WAFの新機能としてリリースされました。
AIを活用し受信トラフィックをリスクスコアリングすることで、高精度で且つ攻撃トラフィックから自動でアプリケーション保護を可能にする機能です。
これまで手動で設定していたWAFのチューニングの負荷を大幅に軽減し、攻撃の見落としの削減、検知精度の向上などが期待できますので、これまでのWAFの運用に係るコストを大幅に削減しつつ、セキュリティも向上させることができます。
従来のWAFでは、検知範囲を広げるほど誤検知対応や手動チューニングのコストが増え、セキュリティ強化と運用コストがトレードオフになりがちでした。
AI-powered WAFは、単純なシグネチャベースの検知だけでなく、複数シグネチャの相関、libinjectionのようなアルゴリズムベースの検知、機械学習による分類、悪意あるユーザー検出などを組み合わせて、トラフィックをスコアリングします。
そして、リスクが高いと判断した攻撃トラフィックを自動でブロックすることができます。
誤検知を抑えながら本当に危険な通信を優先して見つけやすくすることで、セキュリティと運用効率を両立が可能になります。
私の勝手な考えですが、WAFの運用やチューニングが完全に不要になるわけではないものの、将来的には運用コストをゼロに近づけることができる非常に期待できる機能ではないかと思っています。
昨今、フロンティアAIの進展で、脆弱性の発見から悪用までの時間が短くなり、従来より早い防御が必要になってきている中で、このAI-powered WAFは、非常に有効的なソリューションだと考えています。「能動的サイバー防御」そのものとまでは言いませんが、AI-powered WAFは、従来より一歩踏み込んだ能動的な防御運用を支える機能として期待できそうです!
東京エレクトロンデバイスが支援できること
当社では、F5 XCの、特にWAAPに関しては豊富なナレッジと導入実績があります。
導入から運用までを一貫してサポートするメニューをご用意しておりますので、今回のようなセキュリティ対策に関するご相談があれば、ぜひご連絡ください。
一方で、F5 XCだけで金融庁要請の全てをカバーできるわけではありません。
文書には、多要素認証、EDR、内部侵入後の横展開対策、停止判断、BCP、外部との情報連携なども含まれています。
本ブログはF5に特化した内容で書きましたが、当社はF5製品以外にも幅広く製品を取り扱っておりますので、何かあればご相談ください。
東京エレクトロンデバイスの取り扱い製品(セキュリティ)
https://cn.teldevice.co.jp/keyword/security/
まとめ
フロンティアAIの進展で、脆弱性はこれまで以上に早く見つかり、攻撃に使われるまでの時間もどんどん短くなっていくと考えられます。
だからこそ金融機関には、「パッチが出てから動く」だけではなく、「パッチを当てるまでの間をどう守るか」という視点がますます重要になっています。
金融庁も、重要な外部公開システムでパッチ適用が難しい場合は、クラウド型WAFやBot対策などを活用した多層防御を早めに講じるよう求めています。
その選択肢として、WAF、API保護、Bot対策、DDoS対策をまとめて提供できるF5 XC WAAPと、リスクベースで攻撃トラフィックを見極めるAI-powered WAFは、とても効果的なソリューションだと考えます。
東京エレクトロンデバイスでは、PoCから構築、WAFチューニング、運用支援まで一貫してご支援していますので、是非お気軽にご相談ください!










