Everpure(旧:Pure Storage)FlashBlade ZMTの詳細
Everpure(旧:Pure Storage)FlashBlade製品で、データのティアリングを行うことができるZMTと呼ばれるモデルの詳細について、ご紹介します。
一般的なティアリング(階層化)とは
昨今、ストレージに蓄積するデータ量が劇的に増加しています。その一方で、そのすべてのデータに実際にアクセスされているか、というとそうではなく、一般的に、全体の20%程度のデータにアクセスが集中している、と言われています。また、Syslogなど実際にアクセスすることはほとんどないものの、長期保管が必要なデータも増えています。このように、アクセス頻度などに応じて、データの効率的な保存を行いたい、というニーズに応える機能が、ストレージのティアリング(階層化)です。
ストレージ製品には、データのティアリング(階層化)を行える製品が存在します。ストレージ製品におけるティアリングとは、データの使用状況に応じて、データの種類や場所を最適化する方式を指し、一般的に、データを「Hot(熱い)」および「Cold(冷たい)」という特性に分けることで、データのティアリングを行います。使用頻度やアクセス頻度が高いデータ(Hot)は、SSD(Solid State Drive)などの高速処理や高速アクセスが可能なストレージに格納されます。一方で、使用頻度やアクセス頻度が低いデータ(Cold)は、HDD(Hard Disk Drive)などの処理やアクセスに時間はかかるものの、価格が安価なストレージに格納します。ストレージ製品にデータのティアリングを実装することで、必要なデータには迅速にアクセスできる環境を維持しながら、トータルでのストレージコストを抑えることができます。
また、データのティアリング対応ストレージ製品がリリースされた当初は、Hot・Coldの定義を手動で実施する必要があり、運用管理者の負荷となっていました。しかし、現在では、アクセス頻度などに基づいてこれらを自動で定義する製品も増えてきています。この仕組みにより、さまざまなデータを効果的に管理し、コスト削減とパフォーマンス向上の両方が実現できる点がデータのティアリングの魅力です。
一方で、Coldで定義されたデータへのアクセスに時間がかかってしまう点や、こういった管理が煩雑になってしまう点が、デメリットとして挙げられます。また、Hot・Coldを入れ替えるたびに、データが移動するため、切り替えてから使用するまでに時間がかかってしまう点もデメリットです。
Everpure社のデータのティアリング
Everpure社のデータのティアリングを実装したストレージ製品である、FlashBlade//ZMTのデータのティアリングは、実際にデータは移動せず、リソースの割り当てを変えることで実装されています。リソースを動的に割り当てることで、性能要件の高いワークロードを優先しつつ、性能要件の低いワークロードをシームレスに切り替えることで、Hot・Coldデータの両方の性能ニーズを満たすことができます。また、1つのネームスペースで、ストレージを扱えるという、従来のデータのティアリングを行うストレージ製品の特徴は残しながら、データを物理的に移動させることなく、同じシステム内で容量とパフォーマンスの効率化を図り、TCO(Total Cost of Ownership)に優れた製品を提供します。ZMTはZero Move Tieringの略称となっており、その名の通り、データが移動することなく(Zero Move)、データのティアリング(Tiering)ができることが表現されています。
FlashBlade//ZMT
FB//ZMTは、パフォーマンスに優れたFB//Sに使用される、S500R2のBladeを搭載したS500シャーシと、大容量データの格納が可能なFB//Eに使用されるEXシャーシが、XFMで接続して構成され、合わせて最大10筐体まで構成できます。一見すると、HotデータがS500シャーシ、ColdデータがEXシャーシに格納される、と思われがちですが、FB//ZMTでは、同じプールとして、Hotデータ・Coldデータが混在し、あくまでIO処理に必要なリソース量を分けることで、データを移動させる・分けて保存することなく稼働します。過度なHotデータ側のSSDだけの摩耗や、データ移動の時間ロスなどを防ぎ、高耐用年数・低運用コストが達成できるストレージです。
参考:FlashBlade S200R2・S500R2の詳細とS100のアップデート
Zero Move Tiering
FB//ZMTでは、ファイルシステムやバケット単位で、HotデータかColdデータかを定義する必要があります。また、2026年6月時点では、ファイルシステム内にポリシーを定義することで、ファイル単位で自動的に管理することができるようになっています。このポリシーは、各ファイルの最終アクセス時間や更新時間、読み取り、書き込みの有無などの基準に基づいて、自動的にHotデータ・Coldデータを分類します。例えばしばらくアクセスがなければ、Coldデータになり、アクセスがあればHotデータになる、ということが自動的に行われます。
前述のとおり、Hotデータ・Coldデータの入れ替わりに際して、データが実際に移動することはありません。そのため、例えばデータのコピーや移行、再マウントなどは不要です。適切にHotデータ・Coldデータが定義されて管理されることにより、ミッションクリティカルなデータのパフォーマンスは最大化され、非アクティブなデータのストレージコストも最適化されるため、TCOに優れた製品となります。
ハードウェア構成
FB//ZMTは、下記の図のような構成となります。
この図の構成は、一番上にXFM、その下にS500シャーシ、一番下にEXシャーシとなり、合わせて1つのFB//ZMTのシステムとなります。また、この図では、S500シャーシに、10枚のBladeが搭載され、それぞれに2個ずつDFMが搭載されており、EXシャーシには、10枚のBladeが搭載され、それぞれ4個ずつDFMが搭載されています。
ZMTでは、構成可能なBladeの数やDFMの数が定められています。S500シャーシでは、1筐体当たり5枚もしくは10枚のBladeが搭載されます。各Bladeには基本的に4個のDFMが搭載されますが、最小構成(1台のS500シャーシと1台のEXシャーシの構成)の場合に限り、1Bladeあたり1〜3枚のDFM搭載もサポートされています。また、搭載できるDFMの容量は37.5TBのみとなります。
EXシャーシでは、1筐体当たり5枚もしくは10枚のBladeが搭載され、各Bladeあたり4個のDFMを搭載します。このDFMの容量は、75TBか150TBのいずれかとなります。
S500シャーシの数と、EXシャーシの数の比率も決まっており、図のような、全部で2筐体となる構成では、S500シャーシの数:EXシャーシの数が1:1、全部で3筐体となる構成では1:2、全部で5筐体となる構成では2:3、全部で10筐体となる構成では4:6、といった比率で構成され、全体の構成により比率が異なります。これらのS500シャーシとEXシャーシがXFMで接続されることで、全体として1つのファイル・オブジェクトストレージとなります。
上記の通り、DFMの容量や、筐体の比率が決まっているため、ZMTのシステムとして構成できるパターンが決まっており、2026年6月時点では、全40種類の構成となります。
なお、2026年6月時点、初期導入後の容量の拡張は現時点でサポートされていません。
最後に
今回、FB//ZMTについてご紹介しました。今後のブログで、EXAなど、まだご紹介していないFlashBladeのモデルや機能についてご紹介予定です。
※ Everpure、Pure Storage、および本ページに記載されている製品名・サービス名は、Everpure, Inc. の商標または登録商標です。






