ホワイトペーパー
ビジネスにおけるクラウドサービス利用が一般化され、特にSaaS にて提供される業務システムの利用も増えています。その一方で、SaaS にアップロードした機密情報の漏えいや、クラウドの業務システムの脆弱性をついたサイバー攻撃などの脅威が顕在化しています。こうしたリスクに対応し、安全なSaaS 利用を可能にするのが、SSPM (SaaS Security PostureManagement) ソリューションです。その中でもMicrosoft 社がパートナーシップを結んでいるSSPM として、多くの企業に導入が進んでいるのがValence Security です。
ビジネスにおけるクラウドの利用は当たり前となりました。IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)といったインフラなどの利用だけでなく、最近は、SaaSで提供される業務アプリケーションの利用もますます増えています。
このようなクラウドサービスの利用が増加する一方で、以下のような問題が発生していないでしょうか。
・Microsoft 365でMFA(多要素認証)を有効化していないアカウントをチームに招待してしまった
・OneDriveで社外担当者と機密情報を含むファイルを共有してしまった
・Boxでファイルをオープンリンクかつ無期限の有効期間に設定し外部共有してしまった
・担当者がSlackのチャンネルに(会社が認可していない)サードパーティアプリケーションをBotとして追加してしまった
そして多くの企業では、SaaSの複雑な設定や、ビジネスユニットなどの企業組織の形態に起因する、次のような「SaaSの利用リスク」が増大していることが明らかになっています。
(1)社員1人に対しSaaSアカウント1つ付与が原則だが、企業が付与したアカウントのうち、1/8のアカウントは休眠状態にある
(2)21のSaaSで広範なアクセス権が付与されており「最小権限の原則」が守られていない
(3)クラウドで外部共有されたデータのうち90%は未使用のままである
(4)多要素認証が未実施のアカウントがある
これらのリスクを放置したまま運用を続けると、どのような問題が生じる可能性があるでしょうか。代表的な例が「機密情報の漏えい」です。2024年9月には、ある企業にてクラウド上のMicrosoft SharePointに攻撃者が侵入し、機密データを含む440GBもの内部情報が流出した事案が報じられました。
また、SaaSアプリケーションに存在する脆弱性や設定の不備を悪用され、利用企業にセキュリティ上の脅威が及ぶケースもあります。2024年3月には、Salesforceのヘルスケア業界向け「Health Cloud」プラットフォーム上に構築されたアイルランド保健サービス局(HSE)のワクチン接種ポータルの設定ミスにより、100万人以上の個人情報が閲覧可能な状態になったことが報じられました。
さらに国内でも、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が年次で発表する「情報セキュリティ10大脅威(2025年の組織編)」において「不注意による情報漏えい等の被害」が10位にランクイン(7年連続8回目)しています。
そのほか、総務省がクラウドサービス利用・提供における適切な設定の促進を図り、安全安心なクラウドサービスの利活用を推進する目的で「クラウドの設定ミス対策ガイドブック」を2024年4月に公表し、クラウドサービスの提供者・利用者の双方に設定ミスを起こさないために実施すべき対策を呼びかけています。