情報・通信
ピュア・ストレージ社のオールフラッシュストレージアレイ導入により
SSDの恩恵を最大限に享受し、大幅な高速化や運用管理性の向上を実現
お客様の課題
TEDのソリューション
クラウドサービス事業部
クラウドサービス部長
君塚 修氏
クラウドサービス部
木本 佳成氏
クラウドサービス部
米良 仁志氏
株式会社インテックが提供する、高品質なビジネス・クラウドサービス「EINS/SPS (アインス エスピーエス)」では、お客様のニーズに対応して、高速ストレージオプションの提供を開始。サービスにおける新たなストレージとして採用されたのが、東京エレクトロンデバイスが提供するピュア・ストレージ社のオールフラッシュストレージアレイ製品「FA-400シリーズ」です。高速ストレージオプションのプラットフォームとして「FA-400シリーズ」が導入されたことにより、大幅な高速化、運用管理性の向上などといった効果を実現しました。
株式会社インテック(以下、インテック)が提供する「EINS/SPS」は、高い品質と可用性を特長とする、お客様のビジネスを支えるクラウドサービスです。「EINS/SPS」は、高機能データセンターでの高品質な運用、構成機器の冗長化による高い信頼性の確保、実績豊富なVMware 「vSphere」の採用という3つの基本コンセプトを掲げています。
「『EINS/SPS』のサービス提供開始は2010年3月で、まだクラウドという言葉が出始めてきたばかりという時期です。従来からのハウジングやホスティング型のプラットフォームサービスで培ってきたノウハウや知見、技術をベースとして、共有型のクラウドサービスである『EINS/SPS』の提供を開始しました」(君塚氏)
2013年3月には、クラウドコントローラーにCloudStackを採用し、インテックが独自に開発したセルフサービスポータルでお客様が自らサーバーやネットワークの構築・変更を行うことができる「EINS/SPS SelfPortal」がラインアップされました。現在、「EINS/SPS」は、インテックがリソース管理・運用を代行する「EINS/SPS Managed」と、お客様自身で設定を行えるセルフポータル型の「EINS/SPS SelfPortal」という2種類のサービスが用意され、お客様のニーズにあわせて選択できるようになっています
「基幹系や業務系のサーバーをクラウド化したいというお客様は『EINS/SPS Managed』を、情報系やSaaS提供のサーバープラットフォームを探しているお客様は『EINS/SPS SelfPortal』を、といったように利用傾向が分かれており、サービスとしての棲み分けができています」(君塚氏)
「EINS/SPS Managed」はサービス提供以来、約150社、1100 VM(仮想マシン)以上の利用実績があり、「EINS/SPS SelfPortal」は提供開始後まだ1年足らずですが、すでに約50社のお客様に利用されています。
多くのお客様に利用されている「EINS/SPS」には、さまざまな要望が日々集まります。そうした要望の中で、昨年から特に増えてきた要望の1つがストレージの高速化でした。
「特に、基幹系でご利用のお客様から、バッチ処理を高速化するために速いストレージを利用したいというご要望をいただいていました。今後ますますそうしたご要望は増えていくだろうということで、高速なストレージをオプションとして提供することに決定しました」(米良氏)
オールフラッシュストレージアレイをはじめ、HDDとSSDのハイブリッド型ストレージなど、さまざまなストレージ製品を検討し、検証を行いました。製品に求められた要件としてはまず、高速なストレージオプションということでパフォーマンスです。ランダムリードとランダムライトの要求IOPSを条件ごとに提示しました。次に、止められないサービスを運用するためのストレージということで、すべてのコンポーネントが活性交換できるということも最低条件として挙げられました。さらに、それらに加えてインテックでは特に重視したポイントがありました。
「ストレージ製品の選択では、SSDに最適化した設計、製品になっているかという点を最も重視しました。単にHDD用の筐体にSSDを挿しましたというのではなく、SSDの性能を最大限に引き出してくれる製品を探しました」(木本氏)
比較検討の末、東京エレクトロンデバイスが提供するピュア・ストレージ社のオールフラッシュストレージアレイ製品「FA-400シリーズ」の導入を決定しました。「FA-400シリーズ」は提示した要件をクリアしていたことに加え、機能や使いやすさ、さらに、コストパフォーマンスなども採用のポイントとなりました。
「ピュア・ストレージの『FA-400シリーズ』は、SSDのために一から開発された製品です。同時ドライブ障害を防ぎ、自動的に障害からリビルドを実行する“RAID-3D”機能など、先進的な機能も搭載され、SSDの弱点を補うような設計になっていることにも魅力を感じました」(木本氏)
「GUIも使いやすく、設定が容易なことも採用のポイントとなりました。また、『FA-400シリーズ』は1ms以下の遅延を一貫して実現するように設計されていて、マルチテナントで多くのユーザーにサービスを提供するという運用上の観点からも、今回のオプションのためのストレージとして適していると考えました」(米良氏)
ピュア・ストレージの「FA-400」シリーズは東京、大阪、富山のインテックの各データセンターに設置され、「EINS/SPS」のオプションとして順次提供されています。新オプションは、「EINS/SPS Managed」では「高速ストレージ(SSD)」、「EINS/SPS SelfPortal」では「高速ディスク(SSD)」というサービス名称になります。
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機器の設置、導入はスムーズに行われ、東京エレクトロンデバイスの対応も高く評価されています。
「東京エレクトロンデバイスは、デモンストレーションから提案に至るまでの説明が非常に分かりやすく、導入にあたっての対応も丁寧でした。東京エレクトロンデバイスが一次保守と二次保守を担当してくれるというのは安心です」(君塚氏)
高速ストレージオプションはまだ発表されて間もないですが、インテックではその効果に自信をもっています。
「条件によって異なりますが、従来のHDDでの環境に比べ、リード性能で4~10倍、ライト性能で2~3倍という検証結果が出ています。オプションサービスとして料金はHDDよりも高くなりますが、“2倍以上の性能を2倍以下の値段で”というコンセプトで、お客様のニーズに応えられる高速なストレージオプションとして提供していきます」(米良氏)
高速化の効果に加え、運用管理上のメリットもあります。従来のHDDストレージ単体では実現できなかった統計情報の管理なども「FA-400シリーズ」ではあらかじめ搭載されています。また、使いやすく、見やすいGUIによる統合管理が実現できたことで、今後は管理の効率化に加え、設定漏れなどの事故も防ぐことができると考えられます。
さらに、サービスを提供していくなかで期待されているのは、「FA-400シリーズ」の持つ重複排除、圧縮機能の効果です。ピュア・ストレージのデータ削減機能は、インラインですべてのストレージに対し重複排除と圧縮を行うことによりその効果を向上させます。お客様によってストレージの使い方は異なるため重複排除や圧縮機能の効果をあらかじめ想定することは難しいですが、効果が高ければさらにコストパフォーマンスが向上し、その恩恵をサービス品質に還元していくことができます。
「新たな高速ストレージオプションは、バッチ処理を速くしたい、DBの処理を高速化したいというお客様に最適なサービスです。処理の高速化はチューニングや再設計でもある程度は実現可能ですが、上位のストレージレイヤーを高速化することで容易に解決できますので、ぜひご利用いただきたいと思います」(木本氏)]
「基幹系をクラウドに移行するのは心配というお客様に、ぜひ試して欲しいです。パフォーマンスを実感していただけると思います。今後も『EINS/SPS』は、お客様のニーズに応える機能拡張やサービス提供を積極的に行っていきます」(君塚氏)
インテックの「EINS WAVE」は、国内初の高可用な広域仮想クラウドサービスです。首都圏、北陸、関西の3地域の電力会社との協業で実現した高機能データセンターを仮想LANで接続することで、1つのデータセンターとして機能させ、IaaS、PaaS、SaaSなど各種クラウドサービスを提供しています。横浜と富山のコントロールセンターから二重化した独自開発の運用イノベーションで一元的な管理を実現しています。
「EINS/SPS」は、「EINS WAVE」の中で、ITの基盤となる仮想サーバーを提供するクラウドサービスです。インテックがリソース管理業務を代行する管理型の「EINS/SPS Managed」と、セルフサービスポータルから、お客様自身でサーバーやネットワークの構築・変更を好きなときに自在・迅速に実施できる「EINS/SPS SelfPortal」の2種類のサービスが用意されています。
記事は 2014年04月 取材・掲載のものです。