【第12回 PowerScale Isilonコラム】PowerScale(Isilon) クラウド連携する「CloudPools」の紹介|東京エレクトロンデバイス

技術解説

【第12回 PowerScale Isilonコラム】PowerScale(Isilon) クラウド連携する「CloudPools」の紹介

PowerScaleは筐体内に搭載されるSSDやHDDにデータを保存するNAS(Network Attached Storage)製品です。PowerScaleには様々なモデルがあり、保存データに応じて階層化することで、効率的にデータを保存しストレージのコストを下げることが可能ですが、パブリッククラウドと連携しコストを下げることもできます。今回は、この機能についてご紹介したいと思います。

  • CloudPools機能の概要
  • ユースケース
  • 利用上の注意

CloudPools機能の概要

PowerScaleにはSmartPoolsという機能があります。PowerScaleには、HDDやSSD、CPU、メモリなどのハードウェア構成が異なる複数のモデルがあり、それらを1つのクラスタとして混在させて利用できます。混在するモデル間は保存パスやファイル名、最終変更時間や作成時間などの条件で階層化を行うことが可能で、それを行う機能がSmartPoolsです。

TEDのブログにもSmartPoolsの記事がありますので、こちらもご覧ください。
https://cn.teldevice.co.jp/blog/p60010/

CloudPoolsはSmartPoolsを拡張したような機能です。パブリッククラウドと連携し、ストレージコストを最適化します。CloudPoolsは外部クラウドとのデータのやり取りが発生するため、オンプレ上に保存されているデータに比べるとアクセスが遅くなります。そのため、CloudPoolsではコールドデータと呼ばれる、まったくアクセスのないデータを“〇年以上変更されていない”などで条件を定義し、該当のデータをクラウドへアーカイブします。

 なお、SmartPoolsとCloudPoolsについては、有償のオプションライセンス機能となっております。

【サポートされるストレージ】

  • ・Amazon S3
  • ・Amazon C2S S3
  • ・Microsoft Azure
  • ・Google Cloud Platform
  • ・Alibaba Cloud
  • ・Dell Technologies PowerScale
  • ・Dell Technologies ECS Appliance
SmartPoolsイメージ

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CloudPoolsイメージ
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ユースケース

ファイルサーバーとして使われる環境では、ストレージに保存されるファイルの大半が1年以上アクセスのないケースもあります。そういった場合には、ハードウェアを購入せずに、パブリッククラウドを利用することで機器購入費用の削減、および、ラックスペースや消費電力を削減することが可能です。また、PowerScale 2クラスタ間でもCloudPoolsでアーカイブを行うことも可能なため、容量単価の安いモデルをデータセンターに設置して、オフィスで利用しているデータをデータセンター設置のPowerScaleにアーカイブし、オンプレのPowerScaleをキャッシュのように使用することも可能です。

こういった運用によって、新規アクセスや直近で編集したファイルはオンプレ上のSSDに保存して高速にアクセスしつつ、あまり使われなくなったデータに関してはアーカイブし、コストの最小化を図ることができます。

 

ユースケース
ユースケース

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利用上の注意

クラウド上にデータがアーカイブされますが、アーカイブされたクラウド上のデータに直接アクセスすることはできません。PowerScaleでしか認識できない形でクラウドに保存されているため、オンプレ上のデータと同様に、PowerScaleを介してアーカイブされたデータにアクセスする必要があります。また、オンプレ上のPowerScaleには参照ファイルのようなもののみを保持することになりますので、クラウドへのバックアップのような使い方はできません。

編集後記

PowerScaleでは、モデル間の階層化を実現するSmartPoolsに加え、クラウドへのアーカイブを可能にするCloudPools機能もご利用いただけます。NASを利用したいけれど、クラウドのリソースが残っているような環境でご活用いただけるかと思います。もしご興味がございましたら、「お問い合わせ」フォームからご連絡ください。

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