情報・通信
Clos IPファブリックの運用基盤にApstra®社「AOS®」を採用
効率的なネットワーク設計・構築・運用を実現
お客様の課題
TEDのソリューション
システム統括本部 サイトオペレーション本部
インフラ技術3部 部長
第6代/第7代 黒帯 ~ネットワーク~
村越 健哉 氏
システム統括本部 サイトオペレーション本部
インフラ技術3部
データセンタ ネットワーク2
津秦 知士 氏
システム統括本部 サイトオペレーション本部
インフラ技術3部
データセンタ ネットワーク3
深澤 開 氏
システム統括本部 サイトオペレーション本部
インフラ技術3部
データセンタ ネットワーク3
安藤 格也 氏
日本最大級のインターネットサービスを運営するヤフー株式会社では、増加し続けるデータセンター内トラフィックを効率的に処理するため、Clos IPファブリックの導入を進めています。この新たなネットワークを、少ない手間でスピーディーに設計・構築・運用するための手段として同社が採用したのがApstra®社「AOS®(Apstra® Operating System)」でした。
日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」の運営をはじめ、日本を代表する大手ネットサービス企業として幅広いビジネスを展開するヤフー株式会社(以下、ヤフー)。2018年6月に社長交代を予定する同社は、新社長のリーダーシップの下、新たに「データの会社」を目指すとしています。
このビジョンを実現するためには、大量データトラフィックを滞りなく処理できるネットワークインフラが不可欠です。そのために同社では日々、新たなネットワーク技術の調査や導入に余念がありません。特にClos IPファブリック技術には以前から着目していたといいます。
「弊社では近年、データセンターとインターネットの間のトラフィックよりも、データセンター内のサーバーや機器間のトラフィックの増加が顕著です。こうした傾向に海外の大手インターネットサービス企業では、ネットワーク機器を柔軟にスケールアウトできるClos IPファブリックで対応しており、弊社もそれに倣っています」(村越氏)
同社では既に、Hadoopのデータ分析基盤の一部ネットワークにClos IPファブリックを採用しており、今後は他のネットワークにも順次採用していくといいます。しかし、その柔軟なスケーラビリティのメリットを生かすためには、ネットワーク機器の迅速な増設や、増え続ける機器の運用・メンテナンスに対応していく必要があります。今後、ビジネスの成長やデータの増加に伴い、さらにネットワーク規模が拡大していくことを考慮すると、現在の限られた人員だけで対応するのは明らかに無理がありました。
Clos IPファブリックの設計・構築・運用を、何とか効率化できる手段はないか。さまざまな技術や製品を検討した結果、最終的に選んだのが、東京エレクトロンデバイスが提案したネットワーク管理ソフトウェア製品「AOS®」でした。
「AOS®のClos IPファブリックの構築・運用を高いレベルで自動化・効率化できる点を高く評価しました。既に北米の巨大インターネットサービス企業が採用しており、そのベストプラクティスを取り込めるという点も魅力的でしたね。他にも類似の機能を提供する製品はあったのですが、弊社はホワイトボックス製品も含め様々なベンダーのネットワーク機器を利用しており、マルチベンダーに対応しているAOS®はこの点においても弊社のニーズに合致していました」(津秦氏)
早速同社は、東京エレクトロンデバイスから評価用製品の貸与を受け、AOS®の実機検証を開始しました。小規模なClos IPファブリックを社内に構築し、AOS®のソフトウェアを導入してその動作や使い勝手を一から検証していきました。初めてAOS®に触れた際には、若干の戸惑いもあったといいます。
「AOS®は、ネットワーク構成を『インテント』という概念で抽象化することで、ネットワークの設計や構築を効率化しています。このインテントの概念に慣れるまでは少し戸惑うところもありましたが、いったん慣れた後はそのメリットを実感できています。また、分からない点は東京エレクトロンデバイスに適宜問い合わせましたが、わざわざ同じ検証環境を自社内に構築し、親身になってサポートしていただいたおかげで、検証作業は極めてスムーズに進みました」(深澤氏)
こうして約2カ月の検証作業を経た後、同社はAOS®の正式導入を決めました。まずは、Hadoopの全社データ分析基盤で使われるネットワークインフラの、約30台のネットワーク機器を対象に、旧来型のネットワークからClos IPファブリックへと環境を移行するに当たり、AOS®を新たに適用しました。その結果、ネットワーク構築・運用に掛かる手間は大幅に低減されたといいます。
「スイッチをネットワークにつなぐだけで、AOS®が自動的に機器設定を行ってくれるので、ネットワーク構築時や機器入れ替え時の作業が大幅に効率化され、かつては数日間かかっていた作業が数十分で終わるようになりました。また、万が一ケーブルの配線などを間違えた場合も、AOS®のネットワーク監視機能である『テレメトリー』のおかげで、GUI上で問題点が一目で把握できます」(安藤氏)
AOS®のこうした機能を活用することで、ネットワークの構築・運用にかかわる作業のスピード感が大幅に高まったと、AOS®の導入効果を高く評価しています。
「ネットワーク運用管理の業務全体がスピードアップしたことで、より付加価値の高い業務に多くの時間を費やせるようになりました。今後はAOS®の新機能を活用しつつ、さらに適用範囲を広げていきたいと考えています。そのためには、東京エレクトロンデバイスにはこれまで通り、開発元ベンダーと密接に連携しながらスピード感あふれるご支援をお願いできればと思います」(村越氏
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記事は 2018年03月 取材・掲載のものです。