オールフラッシュの普及を加速させるテクノロジー: 3D TLC NAND | 東京エレクトロンデバイス

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基本からわかるオールフラッシュアレイ

オールフラッシュの普及を加速させるテクノロジー: 3D TLC NAND

オールフラッシュアレイ普及の背景には、SSDに代表されるNAND型フラッシュメモリの大容量化とそれに伴う低価格化があります。そのキーとなるテクノロジーとして注目されているのが3D TLC NANDです。今回は、3D TLC NAND技術について紹介します。

NAND型フラッシュメモリの大容量化技術

SSDに代表されるNAND型フラッシュメモリがエンタープライズストレージに普及した背景は、 大容量化とそれに伴う低価格化にあります。その技術を見ていきましょう。

NAND型フラッシュメモリでは、セルと呼ばれる回路に情報を格納します。当初のNAND型フラッシュメモリは、1つのセルの中に2通りの情報を格納する方式 (SLC: Single Level Cell)が一般的でした。スマートフォンによるNAND型フラッシュメモリの爆発的な普及の後、エンタープライズストレージへの応用の需要が高まるにつれ、より大容量なデバイスが求められました。そこで登場したのがMLC (Multi Level Cell)と呼ばれる、1つのセルに格納できる情報量を多くする技術です。セルに格納する電荷量の違いで、SLCでは1つのセルで2通りに判別するのに対し、MLCでは4通りと、セルあたりでの情報量が2倍に増えているのが特長です。また、近年注目されているTLC (Triple Level Cell)では、1つのセルで8通りの情報を判別できることから、SLCと比べると4倍に拡大しています。

 

セルに格納する電荷量を変えることで判別する

 

 

 

もう1つの大容量化技術が3D NANDです。従来では、複数のセルで構成された回路をダイと呼ばれるシリコンの基板上に載せていくため、回路の配線隔を小さくし、面積当たりより多くのセルを集積することが大容量化のアプローチでした。しかし、微細化には物理的な限界があるため、回路を上に重ねていく方式で容量の集積度を高めるアプローチが生まれたのです。

 

 

2D NAND(フローティングゲート方式) 3D NAND(チャージトラップ方式)

 

 

 

2016年以降、TLCと3D NANDの技術を組み合わせた3D TLCと呼ばれるフラッシュメモリを搭載したSSDが製品として市場に出始め、すでに10TBを超える2.5インチ SSDも登場しています。大容量化が進むにつれて価格も低下していくと予測されていることから、オールフラッシュアレイの普及の起爆剤として注目されています。

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