卸売業
ハイパーコンバージドインフラ型バックアップ「ルーブリック」を採用
シンプルな構成で運用性向上、バックアップ時間を飛躍的に短縮
お客様の課題
TEDのソリューション
導入製品
アズワン株式会社
IT推進部
箱田 真一 氏
アズワン株式会社
IT推進部
齊藤 雅幸 氏
理化学機器の総合商社大手のアズワン株式会社は、データ量の増大に伴うバックアップ時間の長時間化、運用管理の複雑化などの課題を解決するべく、米国Rubrik(ルーブリック)社の統合型バックアップアプライアンス製品「Rubrik r6000シリーズ(以下、ルーブリック)」を導入しました。永久増分によりバックアップ時間を従来の1台あたり2時間から10分に短縮。また直感的でわかりやすい管理GUIで運用管理業務の平準化を図るとともに、ハイパーコンバージドインフラ型(以下、HCI)の容易な拡張性、クラウドとの連携など、幅広いニーズに柔軟に対応しています。
科学機器、産業機器、病院・介護用品を中心に専門性の高い分野の商品をカタログとeコマースで販売しているアズワン株式会社。2019年3月期の連結純利益が前期比10%増の50億円強となり、7年連続で過去最高を更新しました。顧客満足度を徹底追求する同社で成長の原動力となる「豊富な品揃え」において、ターニングポイントとなったのがeコマース事業の拡大でした。
「現在、10万点の商品を掲載している紙のカタログですが、掲載数には限界があります。この5年間でeコマースの取扱商品点数は10倍を超え、300万点以上となっています。商品点数の急増に伴い、データ量も加速的に増加しITインフラの処理能力が課題でした」(箱田氏)
特に急務だったのが、基幹システムを含むすべての業務システムを対象とするバックアップの改善です。
「従来、仮想サーバー200台 規模のバックアップは、時間がかかりすぎて夜間で終わらなかったり、すべてをとりきることができないケースがありました。バックアップがとれていないことから、システムの問題発生時に復旧の遅れや重要情報の消失を招くリスクと常に隣り合わせの状態でした」(箱田氏)
製品を選定するにあたり、同社はHCIのアーキテクチャを採用した、大規模システムに活用できるバックアップ専用ソリューションを検討しました。
その理由として、同社では、すでにデータベースやシンクライアントの基盤にHCIを導入しており、その機能性を高く評価していたからです。
「IT推進グループは、運用管理専用のチームではありません。新人が入りグループの人数が増える中、生産性の向上を目指し運用管理業務の平準化を図るためには、システム構成はシンプルであることが重要です。バックアップ製品にも、運用管理の手間軽減、ワンストップサポート、容易な拡張性といったメリットを享受できるHCI型を求めました」(箱田氏)
複数社の提案の中から、同社が採用したのが、東京エレクトロンデバイスの技術サポートのもと日立ソリューションズが提案した、米国Rubrik社の統合型バックアップアプライアンス「Rubrik r6000シリーズ(以下、ルーブリック)」です。
「他社の製品はハードウェアが別でかつコマンドを用いて実行する操作や設定が多くあり、画面だけでは作業が完了できませんでした。ルーブリック はコマンドを必要とせず、画面ですべて操作できることに加え、直感的で使いやすい点が決め手となりました」(箱田氏)
2019年1月、同社はルーブリック の採用を決定。東京エレクトロンデバイスはすぐに検証機を日立ソリューションズに貸し出し、バックアップやリカバリなどの運用試験で問題がないことを確認した後、2019年3月に納品しました。
「設計する必要がないため、採用決定から納品まで短期間かつ手間が全くかからず、当社はバックアップのスケジュールを組むことに集中できました」(齊藤氏)
2019年4月よりルーブリック の導入は進み、現在仮想サーバー70台まで終了し、サーバー更新のタイミングで順次展開されます。導入後、安定稼働はもとより、バックアップの飛躍的な高速化を実現できました。
「これまでは日次フルバック方式全台で8時間を要していましたが、今は差分だけをバックアップする永久増分により日次フルバック方式で1台あたり2時間から10分以内に終わっています。またSLA(Service Level Agreement)に合わせて仮想サーバー20台を同時に実行しても、問題なくバックアップがとれています。従来では、仮想サーバー3台の同時実行でも処理時間が遅くなり、バックアップをとりきれないこともありました。今はスケジュールが組みやすく、処理時間を心配する必要もなくなりました」(齊藤氏)
ユーザーからのリストアの要望にも迅速に対応できるようになったと齊藤氏は続けます。
「従来は、専用画面でサーバーの名前を探し、目的のサーバーを発見した後、ツリーでファイルを見つけるなど複数のステップが必要でした。今はWebで検索するのと同じ感覚で、キーワード検索により素早く対象データをリストアップし、任意のデータを簡単にリストアできます」
「各仮想サーバーのバックアップ状況などがグラフで表示されるため、新人でも異常に気づくことができます。また日本語のGUIなのでストレスも感じません。いつでもどこでも、バックアップの状態を把握することも可能です。さらに管理GUI画面を社内で大型モニターに映し出す『見せる化』や、ジョブやリソースを監視している統合システム運用管理ツール『JP1』 との連携による障害情報の一元化なども検討しています」(箱田氏)
事業の拡大に伴い、増大するデータ量への対応も容易になりました。
「以前までは、拡張する場合に最大1カ月を要していました。今はサーバーをスケールアウトするだけ、システムを止めることなく1時間以内に完了できます 」(齊藤氏)
ピンチアウトで拡大
今回の導入における東京エレクトロンデバイスのサポートと今後の展望について次のように話します。
「BCP(事業継続計画)の観点からルーブリック とクラウドとの連携は重要なテーマです。東京エレクトロンデバイスと日立ソリューションズの一体となったサポートは、海外製品であるルーブリック を利用していく上で非常に心強く感じています。東京エレクトロンデバイスにはルーブリック のAPIの使い方といった技術支援に加え、IT製品の商社として先進的なソリューションの提案も期待しています」(箱田氏)
1962年創業、理化学機器の総合商社として日本のテクノロジーとともに歩んできたアズワン。現在では、科学機器、産業機器、病院・介護用品を中心に、バイオ関連機器、食品検査機器、研究設備機器など幅広い分野で専門性の高い商品を提供しています。紙のカタログとeコマースという媒体を通じて提案する、有名メーカー品から自社ブランド商品まで「豊富な品揃え」は既に300万点を超え、同社の大きな強みです。人、モノ、情報のハブとして、「ビーカーひとつでもすぐにお届けする」というビジネスモデルを磨き続け、お客様本位の発想のもと新しい価値を創造し、社会の発展に貢献しています。
記事は 2019年09月 取材・掲載のものです。