オールフラッシュストレージの導入により、
運用しやすく安定したCADなどのデータ管理基盤を構築
お客様の課題
TEDのソリューション
株式会社三井E&Sマシナリー
ディーゼル事業部
設計部
詳細設計グループ
課長補佐
阿部 直也氏
三井E&Sシステム技研株式会社
製造事業本部
製造ソリューション事業部
第四システム部 SIグループ
髙橋 一朗氏
三井E&Sグループの株式会社三井E&Sマシナリーでは、設計図や3Dモデルなど大量のCADデータを管理するための基盤にPure Storage(ピュア・ストレージ)社のオールフラッシュストレージ「FlashArrayシリーズ」を導入。運用しやすく安定した基盤を構築するとともに、スナップショット機能やインライン重複排除を利用した効率的なバックアップ環境も構築しました。基盤を構成するストレージ以外のサーバーやUPSなどについても東京エレクトロンデバイスが構築から保守までワンストップで支援しています。
株式会社三井E&Sマシナリーは、船舶用ディーゼルエンジンや往復動圧縮機、ガスタービンなどの産業機械、コンテナクレーンを主体とする運搬機、橋梁などの社会インフラ設備、製品アフターサービスの5つの事業を展開しています。
「2018年4月に持株会社体制へ移行し、船舶・艦艇、機械・システム、エンジニアリングの3つの事業本部がそれぞれ事業会社として分社しました。その中で、機械・システム事業本部が事業会社化したのが
三井E&Sマシナリーです。分社により機動性が高まり、さらにスピードを持ってより良い製品、サービスを提供していきます」(阿部氏)
三井E&Sマシナリーでは船舶用ディーゼルエンジンの設計図や3Dデータなど、大量のCADデータを管理するため、PLM(Product Lifecycle Management=製品ライフサイクル管理)ソフトウェアを導入していますが、いくつか課題が生じていました。
「CADデータが年間で数TBずつ増加していたためストレージの容量が逼迫していました。以前のストレージは構成的にも複雑で、メンテナンス性も良くなく、拡張にも限界がありました」(阿部氏)
「拡張するにも設定を変更するにも複雑で、ベンダーの手を借りなければならず、もう少し自分たちでも作業ができるストレージが良いと考えていました。ちょうど保守が切れるタイミングでもありました」(髙橋氏)
さまざまなストレージ製品の情報を収集した中で出会ったのが、Pure Storage社のオールフラッシュストレージ「FlashArrayシリーズ」でした。東京エレクトロンデバイスから説明を受けるとすぐに採用を決めたと言います。
「せっかく交換するのであれば、将来も考えて高速なオールフラッシュストレージが良いだろうと考えていました。FlashArrayシリーズは使い勝手も良さそうでしたし、データ移行せずに最新のストレージを使い続けられる永久保証型のプログラムも高く評価しました」(阿部氏)
Pure StorageのForever Flashプログラムは、長期の保守契約を締結することで一定の期間ごとに最新モデルのコントローラーに交換できるプログラムです。保守費用と容量追加の増設費用のみで、最新のストレージを利用し続けられます。
加えて、インライン重複排除・圧縮や、スナップショットを利用したデータ保護が効率的に行えることなども採用の理由となりました。FlashArrayシリーズの導入決定後、各種サーバー(AP、DB、バックアップ)やUPSについても東京エレクトロンデバイスの提案を採用しました。
「構築を考え、ストレージを東京エレクトロンデバイスに頼むのであれば、サーバーやUPSについても一緒に頼んだ方が良いと考えました。また、サポート窓口を東京エレクトロンデバイスに一元化できるという提案も良いと思いました」(阿部氏)
東京エレクトロンデバイスの「障害連絡代行サービス」は、複数の保守ベンダーへの連絡をお客様に代わって東京エレクトロンデバイスが行うものです。機器のベンダーにかかわらず保守窓口を一本化できることで運用工数を削減できます。
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Pure Storage社のオールフラッシュストレージ「FlashArray//M20」をはじめとした、CADのデータなどを管理する基盤の構築はスムーズに完了しました。
「大きなトラブルや問題もなく、とても安定して稼働しています。GUIの使い勝手もよく、運用も容易です。東京エレクトロンデバイスは問い合わせにも迅速、丁寧に対応してくれますので安心して運用できています」(髙橋氏)
「スナップショットを利用したバックアップでは、何世代分でも一瞬でバックアップを取得することができ、増分の容量はわずかです。バックアップを何世代でも容易に取得できる環境を構築したことは、リスク管理の観点でも大きな効果です」(阿部氏)
従来のバックアップ方法では、バックアップのために別のストレージを用意しなくてはならなかったため高コストとなっていました。今回東京エレクトロンデバイスが提案したのは、Pure Storage独自のスナップショット機能や重複排除を活用したバックアップ方法で、利用する容量を大幅に効率化できます。しかも万一の際にはディスク丸ごとではなくファイル単位での復旧も可能となっており、リスクへの備えとして満足いく提案だったと評価しています。
「重複排除は2.3倍も効いていまして、利用できる容量や機能、速さなどを考えると、FlashArrayシリーズはとてもコストパフォーマンスが高いと評価しています」(阿部氏)
CADのデータ管理基盤を構築した三井E&Sマシナリーでは、さまざまな用途にFlashArrayシリーズを活用していけると考えています。
「今回導入して使ってみて、とても良いストレージだと感じています。当社でもIoTやAIの活用が始まっていまして、データの格納や管理はこれからますます強化していくべき領域です。FlashArrayシリーズはそうした用途にも適しているのではないかと思います」(阿部氏)
2018年4月に「三井造船」から「三井E&Sホールディングス」に社名変更し持株会社制へ移行するにあたり、三井造船の機械・システム事業本部が事業会社として分社化され、株式会社三井E&Sマシナリーに生まれ変わりました。
船舶用ディーゼルエンジンや往復動圧縮機など各種産業機械、港湾クレーンなど運搬機、橋梁や海洋構造物など社会インフラの設計・製造を事業として展開しています。アフターサービスにも力を入れており、ライフサイクル全体にわたりお客様が安心して利用できる、信頼性と経済性の高い、環境にも優しい製品・サービスの提供に努めています。
記事は 2018年08月 取材・掲載のものです。