F5 XC の DNS 機能のご紹介
F5 Distributed Cloud Services (F5 XC) には主要な機能がいくつかあります。今回の記事ではその中からDNS機能についてご紹介します。
みなさんこんにちは、narai です。
本記事は、2024/7/31 に開催いたしました「DNS管理の新時代:セキュリティ対策と運用管理を楽にするクラウドDNSとは」のセミナー内容を簡素化して Blog 化したものです。
今回は F5XC の機能の一つである 分散クラウド DNS について解説していきます。
また、そもそも F5XC って何? という人は、こちらを読んでいただくとわかりやすいと思います。
クラウドのネットワークとセキュリティの課題を解決するF5 XCの特徴について
DNS の課題
みなさんは、DNS の運用をどのように行っていますか?
オンプレ環境で DNS サーバーを構成している方も多いのではないのでしょうか?
DNS はインターネットにおいて非常に重要な役割を果たしており、障害が発生するとドメイン単位で通信ができなくなるため、システム全体に自体に大きな影響や混乱を及ぼしてしまいます。
そんな DNS ですが課題も多くあります。
DNS の一般的な課題をいくつかピックアップしてみると、以下のようなものがあります。
- Performance の課題:複数拠点間での冗長構成が複雑化しやすいことや、downしているサーバーに振り分けられることでレイテンシが増加してしまいます。
- Maintenance の課題:自社でのハードウェア管理やソフトウェアの更新、セキュリティパッチの適用が必要となり、複数拠点での作業等、手間がかかります。
- Security の課題:新たな脆弱性への対応だけでなく、シンプルなプロトコルであるため、DDoS 攻撃の対象になりやすくなります。
これらの課題を解決するのが、 F5XC DNS というサービスです。
F5XC DNS とは?
分散クラウド DNS であり、簡単に世界中に DNS サーバーを展開することができるサービスです。
クラウドサービスとなりますので、みなさまは DNS Zone とレコードの管理をするだけで、手間がかかるインフラ基盤の運用をサービスに任せることができます。
ここでは、F5XC DNS の特長をいくつか紹介します。
分散クラウドDNS
分散クラウドDNSの具体的なメリットを紹介します。
- 送信元の地域(国、県)を判別して、地理的に近い拠点の DNS サーバーで応答
- 特定拠点の DNS サーバーに負荷がかかると Auto Scale によりリソースが追加される
- 万が一、特定拠点がdownした場合でも、自動的に他の拠点に振替されるFailover機能搭載
セカンダリDNS
F5XC はセカンダリ DNS を構成することができます。
さらに、ゾーン毎にその役割を変えることが可能で、ドメイン単位でどちらかしか利用できないといったことはありません。
また、プライマリ DNS として既存の DNS サーバーを利用できるため、大きな運用手順の変更をすることなく、移行することができます。
なお、TSIG にも対応しておりますので、プライマリ DNS のなりすまし対策も可能です。
セキュリティ対策
F5XC の DNS サービスは Bind の脆弱性を受けないようになっております。
また、DDoS 対策があらかじめ組み込まれているので、すべてのゾーンで DDoS 攻撃を軽減することができます。
さらに、全世界に開設されているスクラビングセンターで、DNS Protocol に対する攻撃を発見、軽減する仕組みも持っております。
その他の機能
- DNS Sec
- TSIG Key
- 様々なレコードに対応
まとめ
F5XC DNS は、インフラ基盤をサービスにまかせることで運用負荷や移行の手間を軽減することができます。 また、分散DNS環境を簡単に構成することができ、高いパフォーマンスと可用性を得て、すべてのゾーンでDDoSの脅威を軽減することができます。
以上、今回は F5XC DNS の特徴についてお話しましたがいかがでしたでしょうか。
次回はF5XC DNS の実際の画面や設定方法についてご紹介したいと思います。