自社開発サービスSaaSユースケース

ネットワークオペレーションセンター業務における「ZenOne」導入の効果について徹底考察

当社が提供している運用保守DXプラットフォーム「ZenOne(ゼンワン)」を使用するとネットワークオペレーションセンター業務にどのような効果をもたらすのか、技術的視点を交えて解説します。

ネットワークオペレーションセンター(NOC)の心構え

ネットワークオペレーションセンター(以下 NOC)とは、ITサービスを提供するにあたり、ネットワークの監視、システムの管理、などを行うセンターのことであり、社内にNOCの部署を構える場合も、外部企業に委託する場合もあります。

NOCでは、各機器のリソース情報やパケット情報などを収集し、ネットワークに障害が起きていないかを監視します。ITサービスが24時間365日提供されている場合、NOCも24時間365日監視を行う必要があります。

監視により障害が見つかった場合、NOC自身で復旧を行うこともありますし、ヘルプデスクや保守担当者などに復旧を依頼することもあります。復旧を依頼する場合、復旧に必要な障害情報などを収集し伝えることもNOCの業務に含まれます。

当社でもNOCサービスを提供していることから、NOCに従事する技術者へインタビューにてNOC業務における重要なポイントについて、ヒアリングしてみたところ、次のような点を上げていました。

  • できるだけ業務を手順化
  • 障害検知→NOCによる情報収集→復旧担当者へ連絡という業務フローを止めないこと

また、大変なこととして、次のような点を上げていました。

  • 複雑になりがちな障害監視インフラの構築
  • 監視対象のすべての機器に対するノウハウの蓄積

ZenOneを使用した機器監視

一方で、2023年2月にZenOneという運用保守DXプラットフォームを自社で開発し、SaaSとして提供、販売を開始しました。

ZenOneは、運用保守DXによるサポート業務負荷軽減サービスで、画像のように障害原因の自動切り分けもできるという特徴や、情報のやり取りが1スレッドのメールで完結するという利点を持っています。

ZenOneがもたらすNOC業務に対する効果

このZenOneをNOC業務に導入することで、どのような効果があるのかについて、インタビュー内容とZenOneの提供するUXから、技術的な視点も交えて考察してみます。

ZenOne UX

技術的視点

NOCへの効果

エージェントの配置のみで対応できるSaaS提供

エージェントプログラムをパッケージ化、クロスコンパイルしているため、エージェント用PCの環境に依存することなく実行可能

監視基盤の容易な構築

閾値では検知不可能なふるまい事象も検知可能になるAI異常検知

監視メカニズムには時系列データを扱うAIも使用

閾値による方法では見つけられない異常も検知可能

テクニカルサポートレベルの即時自動切り分け

当社の保守業務で培われた診断ファイルの加工などのノウハウを活用

情報収集・原因切り分けを全自動で実行可能

オンサイト連携やヘルプデスク連携をシームレスに実現する通知管理/連絡管理

自動切り分けの結果障害が認められた際、これをトリガーに自動でメール送信

障害検知をトリガーにすべての情報のやり取りが1スレッドのメールで完結

ミニマルオペレーションセンターを実現するUI*1

各アカウントに閲覧範囲など権限を設定することが可能

現状のZenOneで実現できるのは状態監視と性能監視限定

ユーザー、NOC、保守担当それぞれに閲覧可能な範囲に基づいて同じ情報を共有可能カスタマイズ可能

*1  ZenOneUIの例

以上をまとめると、ZenOneを導入することで、監視インフラ構築の負荷、監視の負荷、解析の負荷、各担当者とのやり取りの負荷を軽減する効果が得られると思います。

 

今回の記事はNOCオペレーターの視点で記事を執筆しましたが、ITシステムの運用監視には、システム運用管理者からオペレーションセンターを経由して保守業者まで様々な人が日々関わり業務をされていることと存じます。サポート連携コストやサポート負荷を軽減することで、運用・管理・保守業務従事者の皆様の安心・安定を提供できればとの思いで、今後もZenOneの開発を進めてまいります。

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