Pure Storage FlashBlade Sシリーズの詳細

Pure Storage FlashBlade製品のSシリーズの詳細について、ご紹介します。
FlashBladeのモデル
2025年現在、販売されているPure Storage FlashBladeのモデルは、S・Eシリーズです。
まずは簡単にそれぞれのモデルの特徴と用途を表と図にしました。
今後のブログで、Eシリーズも詳細にご紹介予定です。また、直近では、ZMT(Zero Move Tiering)と呼ばれるFB-S500に、FB-EのExpansion Chassisを搭載するモデルも登場しました。こちらも今後のブログでご紹介予定です。
FlashBlade//Sとは?
2025年現在、販売されているPure Storage FlashBlade(FB)//Sは、S100・S200・S500の3つのモデルとなります。Sシリーズは、性能重視のモデルとなりますが、この中で、S100はエントリーモデル、S200は容量最適化モデル、S500は性能最適化モデルです。Sシリーズは、最大10シャーシまで拡張可能なスケールアウト型のファイル・オブジェクトストレージです。
ハードウェア構成
S100・S200・S500の違いを記載する前に、まずはFB//Sのハードウェア構成について、記載します。
FB//Sは、19インチラックの5Uを使用します(専用ラックは不要)。
FB//Sの前面と背面の図を下記に記載します。前面には、Bladeが搭載され、その中に、DFM(Direct Flash Module)が搭載されています。1Bladeあたり、最大4個のDFMが搭載可能です。また、Bladeは1筐体(シャーシ)あたり最大10枚、DFMはBlade10枚×それぞれ4個のDFMが搭載可能なので、最大40個のDFMが1シャーシあたり搭載できます。下記の図ですと、左から7個のBladeが搭載され、そのうち左上に1個のDFMが搭載されています。
背面には下部に電源モジュール(PSM: Power Supply Module)が4個と、その上にFIOM(Fabric IO Module)が2個搭載されています。電源は200V(IEC320-C14 ⇔ IEC320-C13:ラックの電源はC14を使用)で稼働します。
なお、それぞれのモジュールは独立しており、例えば1個のPSMが故障しても、残りの稼働中のPSMから、電源供給されますので、ストレージが停止する事はありません。
FlashBlade//Sのモデル
S100とS200、S500の違いは、搭載されているBladeの処理性能です。S500は最も性能の高いBladeとなります。また、下記の通り、それぞれのモデルで取れる構成が異なります。
S100は、シングルシャーシ構成のみとなります。また、S100のBladeに搭載できるDFMの容量は2025年3月時点で、37TBモデルのみです。
S200とS500はシングルシャーシ構成およびマルチシャーシ構成(複数のシャーシ構成)が可能です。また、S200とS500は24TB・37TB・48TB・75TBのDFMを搭載できます。
導入させていただく際には、これらのBladeや搭載できるDFMに下記の制限があります。
- 搭載するBladeは、システム内で同一である必要がある
- 搭載するDFMの容量は、システム内ですべて同一である必要がある
- 搭載するDFMの本数は、Bladeごとに同一である必要がある
すなわち、1筐体当たり40本のDiskが搭載できますが、S200とS500のBladeが混在することや、1Blade内に異なる容量のDFMを搭載する、などはできない仕様になります。
FB//Sの最小・最大構成は、下記の表になります。例として、FB//S500では、最小容量の構成は7個のBladeに1個ずつ24TBのDFMが搭載されたシングルシャーシ構成となり、最大容量の構成は10個のBladeに4個ずつ75TのDFMが搭載されたシャーシが10個存在するマルチシャーシ構成となります。FB//S100では、最小容量の構成は7個のBladeに1個ずつ37TBのDFMが搭載されたシングルシャーシ構成、最大容量の構成は10個のBladeに4個ずつ37TのDFMが搭載されたシングルシャーシ構成となります。
※形式上、小数点以下切り捨てとします。
FB//SはBladeの性能と枚数に応じてリニアにパフォーマンスが向上します。容量と性能は反比例する設計となっており、FBの最大パフォーマンスを引き出すためには、BladeをS500にして、1つ当たりのDFMの容量を小さくし、その上でBlade数の多い構成とします。
すなわち、
性能重視:(より多くの)S500のBladeと、(より多くの)24TB DFMの組み合わせ
容量重視:(より多くの)S500かS200のBladeと、(より多くの)75TB DFMの組み合わせ
で考えることが可能です。
ポート構成
FB//Sの背面図のうち、1個のFIOMの背面図を抜き出しました。外部へ接続できるIOポートは、赤色の枠で囲った4個のポートとなります。これは、100GbEのQSFPポートとなります。また、緑色の枠で囲ったポートがManagementポートとなります。右側にある、4個のQSFPポートは、現在は使用できません。
FB//Sをシングルシャーシ構成でご利用の場合、この赤色の枠のポートを上位スイッチに接続いただくことで、ご利用いただけます。FB//Sをマルチシャーシ構成でご利用の場合は、専用のスイッチであるXFM(eXternal Fabric Module)と呼ばれるスイッチを経由して上位スイッチと接続します。XFMについては、今後のブログにて記載予定です。
最後に
今回、FB//Sのご紹介として、ハードウェア構成やモデル、ポート構成についてご紹介しました。マルチシャーシ構成で必須になる、XFMと呼ばれる専用のスイッチや、FB//Eなどについては、今後のブログにて記載します。