導入事例

静岡県立静岡がんセンター 様

医療

静岡がんセンターの最先端医療を支える仮想基盤を構築
オールフラッシュストレージの導入で高信頼性と省スペースを実現

お客様の課題

  • 仮想基盤の更新に伴い、障害に強く迅速に復旧できるストレージ
  • コストを抑えつつ十分な性能を持つオールフラッシュストレージの導入
  • 増え続けるデータを効率的に保管できるストレージが必要

TEDのソリューション

  • 99.9999%の可用性を誇る高信頼性のオールフラッシュストレージ
  • コンパクトな設計で省スペースを実現し、消費電力も削減
  • 東京エレクトロンデバイスによる専門性の高い技術支援

導入製品

  • オールフラッシュストレージ「FlashArray Cシリーズ」
佐藤 啓史 氏、佐野 隼人 氏

静岡県立静岡がんセンター
情報システム課
班長
佐藤 啓史 氏(写真左)

佐藤 啓史 氏、佐野 隼人 氏_4

静岡県立静岡がんセンター
情報システム課
IT技術者
佐野 隼人 氏(写真右)

静岡県立静岡がんセンターは、仮想基盤の更新に際し耐障害性とコストパフォーマンスに優れたオールフラッシュストレージを求めました。Pure Storage社のオールフラッシュストレージ「FlashArray Cシリーズ」を 東京エレクトロンデバイスのサポートのもと導入し、高信頼性、省スペース、低消費電力を実現しています。また、データ量削減とI/O効率向上による効果も享受しています。この導入により、がん医療の最前線でのシステム安定性と運用効率が大幅に向上しました。

最先端医療を推進する静岡がんセンターが
ITインフラの仮想基盤を更新

 静岡県立静岡がんセンターの開院は2002年4月。全人的医療の実践に努め、患者視点を重視する特定機能病院であり、がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療中核拠点病院でもあります。最高水準のがん医療を安全に提供することと、地域の医療・健康産業の活性化を目指すファルマバレープロジェクトを推進するという2つのことを車の両輪として運営を続けています。

 同院のITインフラ構築・運用を担っているのが情報システム課です。班長の佐藤啓史氏は「開院以来、先進性と安定性のバランスが取れたITインフラを選定して最先端の医療を支えています」と話します。また佐野隼人氏は「開院当初から紙のカルテではなく、電子カルテを導入しています。メリットがあれば先進的なIT技術を積極的に取り入れる方針です」と言います。

 静岡がんセンターでは2016年、電子カルテや一部の部門システムなどを仮想化技術により集約する仮想基盤を構築しました。「仮想基盤構築の目的は、耐障害性の向上と、性能だけでなく、運用、監視を含めたシステム全般の品質を一元化することです。システムの安定稼働や障害復旧は情報システム課が責任を持って管理しています」と佐藤氏。そして2023年、静岡がんセンターは仮想基盤の更新を行い、その仮想基盤用ストレージに、Pure Storage社のオールフラッシュストレージ「FlashArray Cシリーズ」を採用、導入しました。

耐障害性の高いオールフラッシュストレージを採用
省スペースと消費電力の削減が可能なFlashArray

 仮想基盤更新にあたり、ストレージの要件について佐藤氏は、「ディスク障害の少なさと迅速な復旧が、診療業務への影響を最小限にするために重要でした」と言います。仮想基盤構築以前、ディスクが頻繁に故障し、その度に起きるリビルドの発生によって性能が低下した経験があり、それ以来、信頼性と障害からの復旧は重視してきました。

 また、更新前の仮想基盤のストレージ容量は30TBでしたが、今回の更新では物理サーバーで管理していた分も仮想基盤へ集約させるため、容量の拡張が必要になります。そこで、ストレージをオールフラッシュで288TBまで拡張しました。「以前のストレージはSSDキャッシュとSASディスクの組み合わせで速度を担保していましたが、フラッシュのコストが下がったこともあり、オールフラッシュを選びました」と佐藤氏。「2016年当時はまだ仮想化に否定的な面もありましたが、近年はそのような声も少なくなり、集約するシステムも増え、必要となる容量も増加しました」と佐野氏も続けます。

 入札を経て、仮想基盤の更新はスタートしました。静岡がんセンターが仮想基盤のストレージに選んだFlashArray Cシリーズは、オールフラッシュのパフォーマンスを低コストで実現することが可能で、コンパクトかつ大容量に対応したシステムです。99.9999%の可用性を保証しており、高い信頼性を提供します。

 以前の仮想基盤は30TBの容量でサーバーラックの約半分ほどのスペースを占めていましたが、ストレージをFlashArray Cシリーズとすることで、わずか3ユニットに収容が可能となりました。「容量比で言えば10倍近く拡張した上に、それがまとめて3ユニットになりますから、大きな省スペース効果が出ています」と佐野氏。また、正確に計測はしていないものの、スペース減に伴い消費電力も抑えられているとのことです。

 移行作業は順調に行われ、VM(仮想マシン)の構築やデータ移行など、ストレージ関連ではとくに大きなトラブルもなく順調に進みました。作業は新仮想基盤構築の一環として行われましたが、ストレージに関しては導入主担当ベンダー様と共に東京エレクトロンデバイスによる専門性の高い技術支援を受けて、不明点などを解消していきました。

静岡がんセンター様における仮想基盤を使った構成図
静岡がんセンター様における仮想基盤を使った構成図

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パフォーマンスが低下しないI/O効率の良さ
システム無停止でファームウェアの更新も可能

 省スペース、低消費電力以上に導入効果の一つとして挙げられたのがI/O効率の良さです。FlashArray Cシリーズでは、データ量を削減するために重複排除と圧縮の技術が使われています。「圧縮はパフォーマンスが低下すると思っていましたが、FlashArray Cシリーズはその低下がありません。例えば、医療費の請求明細書を発行するレセプトのシステムは、従来の物理サーバーではデータ処理に丸1日時間がかかっていましたが、2016年に仮想基盤を導入したことで半日まで短縮されました。今回、オールフラッシュストレージのFlashArray Cシリーズに更新したことで、さらに1時間短くなっています。全体的な速度が向上していると感じます」と佐藤氏は話します。

 FlashArray Cシリーズでは、データが自動的に暗号化されていますが、暗号化もパフォーマンスに影響を与えない点も特徴の一つです。また、無停止でファーム更新が可能なこと、空きスロットにフラッシュモジュールの追加もできることもメリットであると佐藤氏は付け加えます。

 現在、静岡がんセンターではがんゲノム医療中核拠点病院として、がんゲノム医療を進めており、その研究や調査などで膨大なデータの保管が必要です。「ゲノム医療に限ったことではありませんが、今後も増え続けるデータをどう保管するかは常に課題です。FlashArray Cシリーズのように、高度なデータ削減機能やそれにともなうI/O低下の起こらないストレージはますます求められていくと思います」と、佐藤氏と佐野氏はともに展望を語りました。

  • 重複排除と圧縮によるデータ量削減でもI/O効率を向上
  • オールフラッシュにより大幅な省スペースと低消費電力を実現
  • システム無停止でファームウェアの更新が可能

お客様プロフィール

静岡県立静岡がんセンター

組織・団体名

静岡県立静岡がんセンター

所在地

〒411-8777 静岡県駿東郡長泉町下長窪1007番地

開院

2002年

許可病床

615床(うち緩和ケア病棟50床)

開設者

静岡県知事

WEBサイト

https://www.scchr.jp/


静岡県立静岡がんセンターのご紹介

がんを上手に治すこと、患者さんと家族を徹底支援すること、成長と進化を継続することを患者さんとの約束として掲げています。国内初のAYA世代病棟や支持療法センターの設立、また相談支援センターであるよろず相談を立ち上げるなど、安全かつ最高水準の医療の提供と新しいがん医療の開発・研究を進めています。

記事は 2024年08月 取材・掲載のものです。

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