ホワイトペーパー
昨今、企業が処理するデータ量は増大の一途をたどっていますが、HDDの低速なI/O性能がそこでの深刻なボトルネックとなっています。この課題の抜本的な解決策として注目されているのが、
Pure Storage社の「FlashArrayシリーズ」をはじめとするオールフラッシュアレイです。そのポテンシャルを最大限に発揮させるBrocade社製品に焦点を当てながら、今後の共有ストレージ接続のあり方を解説します。
サーバー仮想化やVDI(仮想デスクトップ)の普及、ビッグデータ分析の本格化、さらに今後予想されるIoT(モノのインターネット)への対応などに伴い、昨今のストレージには容量不足のみならず、アクセス集中によるI/O性能(データスループット、リクエスト処理件数、平均応答時間)のボトルネック
が顕著に現れています。「バッチ処理が規定時間内に完了しない」「朝の出勤時に皆が一斉にシステムにログインしようとするとデスクトップが立ち上がってこない」といった問題は、その代表例として挙げられます。
こうしたI/Oボトルネックを解消すべく、多くの企業はHDDドライブを並列化してI/Oを分散処理することで対処してきました。しかし容量増設を相まって、ストレージの構成規模はますます巨大化していき、消費電力やデータセンターの専有スペースもうなぎのぼりで増加していくという悪循環を招いていました。
東京エレクトロンデバイスは、これらの課題に対し、オールフラッシュによる高速なI/Oパフォーマンスを発揮するとともに、共有ストレージとしての信頼性・利便性を兼ね備えた「Pure Storage FlashArray」を核とした、サーバー仮想化・VDIのストレージ基盤ソリューション、データベース統合・高速化のコンサルティングサービスを提供しています(図1)。
例えば、同ストレージアレイの最新モデルであるFlashArray//mは、コンパクトな3Uラックサイズの筐体に最大120TBの実効容量(5:1データ削減時)を搭載。ストレージの統合や高速化といった要求への対応はもちろん、データセンターのレンタル料や電力コストの削減にも貢献するソリューションとなっ
ています。ただし、単にストレージをオールフラッシュ化するだけでは問題は解決しません。複数のサーバーやアプリケーションからのアクセスを担う共有ストレージとしての能力を最大限に活
用するためには、それに見合った“足回り”が求められます。具体的にはSAN(Storage Area Network)によるストレージ接続が前提となります。これは多くの企業にとっての悩みどころとなっているもので、現実的には既存環境の共有ストレージからのリプレースが中心となるだけに、オールフラッシュアレイの導入に際してはストレージ接続のあり方を十分に検討しておく必要があります。
まずは、オールフラッシュアレイのポテンシャルを最大限に引き出し、コストパフォーマンスを最適化するストレージ接続の基本的な方式を整理しておきます。ストレージ接続に求められる要件として、一般的に次のような項目が挙げられます。
●帯域幅が広く、レイテンシが少ない
●数多くのイニシエータ(ホスト)・ターゲット(ストレージ)
を接続できる
● 配線がシンプルであり、冗長化されている
上記の要件を満たすストレージ接続の手段として一般的に用いられているのが、Fibre Channel( FC)ならびにiSCSIの2つの規格です。